岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

『16日』

2006-01-18 11:50:33 | 日記・エッセイ・コラム

Cimg0725  我が家の仏壇、年代ものである。私の曾おじいさんは職人でもないのにかなりの腕を持ち自分で作った仏壇である。ほかに近くの神社に獅子頭も奉納している。もちろん漆も自分で塗ったというから半端じゃない。

 1月16日、8月16日 薮入りの日、村ではこの日地獄の釜の蓋も開くと言う。 閻魔様のおられる地獄も休日と言うことか。この両日と春、秋の彼岸は農家は「遊び日」と称して農作業は一切しないと言う決まりがあった。女たちは朝、早くから饅頭や切山椒をつくる。彼岸饅頭と言えば食べきれない大きさで図体の大きな人を指して彼岸饅頭のようだといった。

 その饅頭を持参して親戚筋の仏様を拝みに回る。子供が着いていけば遅いお年玉にありつけることもある。新しい仏様のあるところでは朝から来客が絶えない。人の往来で噂話や年寄りがどうした、子供は勉強が出来ない、漬物が美味い、まずい、・・・・どぶろくを飲んですっぱいとかまずいとか

 今では饅頭を持参する姿は珍しい。(家の家内だけはまだやってる)のし袋に1000円包んで仏様をさっと拝んで、さっさと車で帰る。パソコンもテレビもなくおまけに貧しかったのに誰も貧しいとも思わずおおらかな時代だったと感じる。                       

             ・・・が、やはり今のほうが過ごしやすい。・・・・・

        

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