世の中で一番美味しいものは何だろう。
集落の会合の後の懇親会でそんな話題が始まった。お酒も少々入って議論百出、しばらくは「あれだ」「これだ」が続いていたが
「紅伊豆(ブドウの品種)じゃないだろうか」
「それも形が不ぞろいで樹に取残されて熟れきった紅伊豆がこの季節、一番美味しいだろうとの意見に、会合では中々意見が一致しないのに珍しく「世の中でこの季節一番美味しいものは紅伊豆」と意見が一致した。
嬉しく誇らしいことに我が故郷は「紅伊豆」の一大産地である。
西に大きく開けた盆地状の地形は朝夕の気温差を大きくし粘土質の土壌は農作物を美味しく育てる。
高度な技術と研鑽、繊細な技術が独特の甘み酸味、滴る果汁、ほどよい食感・・・・・
なるほど今の季節、この世で一番美味しいものかもしれない。
「紅伊豆」の収穫もそろそろ終わって稲の刈取が始まる季節である。