岩手の頑固親父

恵まれた自然、環境に暮す 老農のつぶやき、ぼやき

『疫病退散』

2006-03-16 17:38:49 | 田舎暮らし

Cimg0851  総会の通知書を配布するために雪どけの進む集落の全農家を回った。何年か前から行われている田んぼのパイプライン工事も大分進んでいた。軒下に残った雪を片付けているのはお年寄りの仕事、若い人たちは勤めに余念が無い。

 ある家の門口で ※写真を見かけた。15×20センチ位の小さな紙に、旧暦2月8日「当春疫病退散祭り」 現代風に可愛らしい絵が描かれていた。その昔は恐い大きな顔を半紙に書いて、割った竹に挟む。半紙の上に突き出た竹に団子を2個さして夕方には立てておく。翌朝 早く起きてその団子を見に行き、無くなっていれば良いがもし残っていたらすぐに川に捨てる。その頃はどこの家でも犬の放し飼いが普通だから犬にとっては嬉しい春の一夜だったんだろうと思う。もっとも犬がつながれている現在はその家でも団子は刺していないそうだ。

 更にその一週間まえの旧暦2月1日は「かほう」(果報又は家宝?)団子の日、お婆ちゃんなり、かぁちゃんが作った米粉のまるい団子の中にお金(もちろん硬貨)を何個か入れる。団子を噛んで手ごたえ(歯ごたえ)あれば「かほう」  硬貨はちゃんと洗ってから入れたと思うが現代のママから見たら目を剥きそうな・・・お金を目当てに子供は頑張って何個も食べるが悔しいことに大人に当たりやすかったように思う。

 長い冬の間の子供には楽しい行事の一つだった。

 昔、どこの家でもやった行事だが集落でもこの家、一軒だけだった。この地方有数の大きな農家、昔からの行事の手は抜かぬようにとお舅さんの教えだったそうだ。事業を成した家では何かしら厳しいものが在ったと思う。 

コメント
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