蟹沢孝夫のブログ

「ブラック企業、世にはばかる」の著書を持つ、キャリア・カウンセラー蟹沢孝夫のブログ。

ブラック企業本のレプリカ?

2010-10-29 00:53:06 | 日記
拙著を書く際に、彩図社という出版社から恵比須半蔵という人が出している「勤務先はブラック企業」という本を参考にした。
この本の中身についてまた調べなきゃいけない用事があり、ちょっと手元で見当たらなかったので図書館に行って調べ物をしていたら、同じ著者が「ブラック企業の真実」という本をその後出しているとデータベースで出たので、一緒に借り出してみた。

すると、、、中身が同じではないか!

私はてっきりクレームで改題改訂本でも出したのかなと思ったんだけど、違った。
この出版社、コンビニで廉価本を展開している会社らしく、文庫感覚(ただし版型は一緒)で半額以下の本を正規版の半年後に堕していたのだ。

中身を見ていると、2つだけ章が抜かれている。人的なブラック企業(幹部によるセクハラや公私混同系)の話だった。クレームでも来たのだろうか?それとも本人被害ブラック度が低くてネタが弱いと思ったのだろうか。ページ数の問題もありどれを落とすかと考えてのことかもしれないが、興味をそそられた。

なお、調べてみると上記のコンビニ本はアマゾンには書肆情報がないらしい。おもしろいことやるねえ。

人材業界の公共事業

2010-10-27 01:19:56 | 日記
コンクリートから人へ、などと荒唐無稽?で実現できもしなかったどこかの政党はさておき、

いわゆる公共事業という言葉を聞いたときわれわれがイメージするのは道路工事など。

だが、小泉政権以降、掘ったり埋めたりの道路工事では景気は良くならないし借金が増えるだけってことで、縮小されてきた。
それに変わるように出てきたのが電子政府の呼び声に反応したITゼネコン。

しかしジャブジャブだったIT公共事業も、社会保険庁問題などによる契約の見直しや、システムのオープン化、クラウド化などでうま味は減ってきている。

そして最近の公共事業といえば「不況便乗型」だ。

パソナや学情がやっている新卒未就職者支援の事業も、ある意味それ。

だが、最近見ていてエゲツナイと思うのは、失業者便乗型。
つまり、失業者向けの職業訓練の受託で飯を食う公共事業が拡大しているのだ。

なんたって、一定の人数が集まれば国から講座実施団体にお金がもらえて開講。
この間聞いたエゲツナイ話は、最低催行人数に達しなさそうなので、お金(委託費)欲しさに、とにかく開講できるように失業者を探せなんて号令が出た企業もあるとか。

おいおい、税金を何だと思ってるんだ。

罪作りな…ミドルエイジクライシス

2010-10-23 10:36:18 | 日記
NHKで最近、ロスジェネ問題をもう少し広げたテーマで、ミドルエイジクライシスという番組が何度か放送されている。

今日もいまやっていて、

非正規・フリーターからマトモな生活に戻れない系

正社員も激務でうつが多発系

激務で自殺のおそれ系

の3つのテーマを扱っている。

これって誰が悪いの?同情を誘う番組か?

でも、問題提起はいろいろなところでされているが、まったく変わっていない。だからこそ罪な番組なんだよ。
不安ばかりぶち上げて、実際解決策を提示できない。


番組中、フリーターに対する批判的な人たちからのメールが2通紹介されていた。矢印は私の感想。

・70代:若者は甘えている、昔だって苦しかったんだよ(戦前戦後経験派)、甘えんな
 →だが、70代はこどものころはそうだったろうが、社会人時代は高度成長の恩恵をもろに受けている。

・30代:俺は努力して就活に勝った。負け組は努力が足りなかったんだろ
 →そもそもパイが足りない。芸能人のオーディションを考えてくれ。努力したって主役を射とめられるは一人しかいないだろ。落ちた人全員を努力不足というのか?それと同じだ。

 まあ、番組中で本田由紀東大教授はこれよりは穏やかに反論してたが、趣旨は同じだろう。


というか、解決策は、

今や死語になったワークシェアリング(+正規社員廃止による流動化)しかないだろう。
所得をあげることよりも、所得が少なくても安心して暮らせる生活を確保し、高い給与をもらわないとだめという強迫観念から解放することだ。年収300万円で安心して暮らせる生活を作るしかない。(結婚して年収600万円⇒1人なら子育て可能だぞ)

会社に余裕がないので人を切る、と言われたとき、自分がリストラにあわないからラッキーと考えた時点で終わり。
総人件費を維持するが、平均賃金を下げて労働力は確保してという発想が生まれない時点でだめなのだ。

教育費が、ローンが、っていって年収減は困る、という発想自体がおかしい。
ローンが払えないなら売れ。
子どもを大学にやれなくたっていいじゃない。どうしても行きたければ苦学していけ。
大学なんてノホホン教職員を食わすために高い学費払わされてる面がかなりあるからな。

そう発想を転換すれば、いろいろ変わってくるんだけどねえ。

キャリアコンサルタント版「イップス」

2010-10-17 22:56:59 | 日記
イップスってご存知だろうか。
もともとゴルフ用語で、ある程度実力と経験を積んだプレイヤーが運動障害でパットなどが打てなくなってしまう症状を指すが、最近では他のスポーツでも使われる。

ある知人のコンサルタントが、最近、スカウトができないと悩んでいる。
業界を辞めるつもりはないそうだが、なぜかスカウトをする気力が起きないのだそうだ。

フルコミ(フルコミッション)だぜ、大丈夫かよ…、と人のことは言えない。
キャリアコンサルタントのイップスは怖いことに伝染しやがる。

私も最近スカウト気力がなえてきた…冬眠しようかと思うぐらい(笑)。

既卒差別をやめましたで騒ぎすぎ

2010-10-16 09:12:09 | 日記
日経のベタ記事で、「3年以内の既卒者、新卒扱いで採用 幸楽苑」とかいうのが出ていたが、
こんなのが取り立ててニュースになってる時点で世の中終わってるのである。
いいことなんじゃなくてさ、当たり前のことなのであって。


「差別をやめました」はいいことなんじゃなくて当たり前でしょ。

某大手自動車会社、電機メーカーは差別継続中です!との報道が必要。
だけど、数年前のトヨタ米国社長セクハラ事件が続報がなかったように、スポンサー圧力は強力だから報道統制は実質上ある。

経済活動の自由>表現の自由

以外と中国を笑えない日本なのであった。

それにしても290円ラーメンって、ホントに大丈夫なのかよ。品質じゃなくて人件費。
「現代ビジネス」というサイトで幸楽苑の社長がインタビューに応じている。
2006年ごろだが、店長の平均年収が420万円だったそうで、今後2期連続で増収増益が達成できたら100万円ポンとあげてやるなんて話をしたらしい。
まー、そんなにうまくいかないよ、普通。

肉食系ブラック企業のソルジャーになり、生き残るか、撤退するか。
そういう会社なら、既卒を差別する意味はないわなあ。