今日もこちらは降水確率0%の青空。午後の俳句教室に行こうと車に乗ると、久し振りに車内温度は28度まで上がっていました。でも朝夕の冷え込みで却って気持ちがいいぐらい…まだまだお天気は続きそうです。
今回の兼題は〝新酒〟。晩秋の季語で、今年とれた新米で造った酒のこと。昔は農家などで自家用として新米の収穫後すぐ醸造したので、新酒は秋のものでした。ところが、現在は寒造りが盛んになり、新酒が出廻るのは二月頃なので、秋の感じは薄れつつあります。しかし、材料は新米ですし、醸造の始まる頃はまだ秋の気配が残っていたりしますので、新酒はそのまま秋季に収められているというわけです。
とつくんのあととくとくと今年酒 鷹羽狩行
ウウ~ン、飲み助さんにはきっとこの音がたまらないでしょうね。〈とつくん〉とは恐らく何かの特訓…能力向上のための短期間集中訓練のことでしょうが、俳句の特訓?そんなのあるかしら…なんにしろそれが終わってからの慰労会でしょうか。この句は計算しつくされた〈とくとく〉という擬音語の働きが全てを語ってくれているようです。あえて平仮名で書くことも、5回の「と」と「く」の繰返しを目立たせていますし、それはとっくりの酒を注ぐ音。そして、それを受ける側の「おっとっと」を連想させるというまるでマジックのような技巧的な句ですね。さすがは、知的写生やユーモア、ウィットを持つ句風で知られた鷹羽狩行氏ならばこその作品です。
ちなみに、「新酒」には、「今年酒」「新走(あらばしり)」「利酒(ききざけ)」などの傍題もありますからね。
教室の句で最高点を取ったのは、〈下戸なれど新酒ならばと出すお猪口〉でした。よく解るいい句です。飲めもしないのに新酒と聞いて、それなら少し…と。〝お猪口(ちょこ)は家に仕舞っていたものを出したの?〟と聞くと、〝エエッ、違いますよ。宴会の時にあった猪口で…〟〝そこ、そこ。この句の曖昧なところは…〟と。どういうことか分かりますか?
そこで、それをハッキリさせるために、〈勧められ新酒ならばと承くる猪口〉と直しました。原句では〈…なれど〉と〈ならば〉がダブっていますので、理屈っぽく煩わしく感じます。また、言わなくても〈新酒ならば〉と条件を付けているので、作者が酒飲みではないということも分かりますもの。更に〈勧められ〉とすることによって、この場が酒席であるということ。もし上司(先輩?)から頂くのだとすれば〈出す〉では失礼になるでしょう…だから、〈承(う)くる〉とすればいい。おまけに〈お猪口〉と、尊敬の「お」は不要…と。いかがですか?できればこういう所まで考えた上で詠んでほしいものですね。では、またガンバって!
写真は、先日の義母のお祝の時、主人も誕生祝いだったので、娘夫婦が贈ってくれたお酒とぐい飲み。
お酒は山口県周南市・男自慢酒造株式会社の純米大吟醸「龍の尾」(たつのお)。〝穏やかな吟醸香 磨きぬいた洗練 天空に昇り雲間に消えゆく「龍」のイメージを繊細な余韻に凝縮しました〟と。全量山田錦4割磨 日本酒度+4 アルコール分16度
ぐい飲みは伝統工芸の江戸切子、硝子工房彩鳳の一つ一つ丁寧に仕上げた、葡萄文様の上品な紫の酒杯です。
早速2人で頂きました。江戸切子はなかなかいいですね。萩焼や主人の焼いた手びねりのぐい飲みもいいですが、それとは違った…おしゃれでとてもキレイ、底が厚いので安定感もあって…これはいいね!アリガトウさん。
酒の方は新酒じゃなかったんですが、一口飲むと…フルーティーでこれは甘口かな?でも深みもあるし…ちょっと獺祭と似ていて飲みやすいお酒でしたよ…なんて何だかツウみたい…でしょ!アハッ…
吉田拓郎は、俳句を詠んでいたんでしょうか?見たことありませんが…
それで調べていたら面白いことにぶつかりましたよ。
〝もう十数年昔の事、ある地方紙のコラムでおおよそ次のような指摘を目にした。
「吉田拓郎の『旅の宿』の歌詞から、当時の若者にはまだ俳句を詠むという習慣があったということを知ることができる。」〟と。
それに対する反論が書いてあったんですが…ナルホドと思いました。
ところで、この作詞はてっきり拓郎だと思っていましたが、岡本おさみだったんです。二人とも俳句なんて全く分かってなかったので、しっちゃかめっちゃかの歌詞なんですって。
〈まずい酒でも熱燗にすれば飲めるんだな…〉
ということは、風の盆さんも飲める口なんですね。私にはまだうまいまずいは分かりません。ただこの酒は好きだとか嫌いだとかいう程度。
宇部にも地元の酒がありますし、有名になった獺祭は岩国の小さな田舎の酒造元だったんですが、あっと言う間に大きくなりました。
〝寒造り〟も季語です。寒中に仕込んで造るんですから当然ですが、それだけでは酒造元はやっていけないでしょうから年中造っている…とすれば出来た酒は全部新酒?
新酒が出たら前年の酒は〝古酒〟で、これも季語なんです。
大体酒は仕込んで出来上がるまでが1ヶ月前後だとすれば、いつも新酒と古酒が…
技術が発達して温度管理が出来るようになったから四季醸造なんですね。
お米やお茶もそうなんですよ。新米が出れば古米が…新茶が出れば古茶が…どれも季語ですが、これらは1年に1回ですからまだ分かりやすいですが。
だから酒も一応新米の時だけ…新酒と。じゃあ二期作の所はどうなんですかね?
考えてたら頭がこんがらがってきました。何言ってるんだか…、もう寝ますね。
コメント有難うございます。
拙ブログを読んで下さって、〝勉強させて頂いて〟…なんて、こちらの方が恐縮ですよ。
〝俳句超超初心者です〟というのもご謙遜でしょう。
本当に思いつきませんでした。もう目から鱗…ナルホドと納得です。
それで、お返事の代わりに今日のブログに紹介させて頂きましたので、どうぞご了解下さい。
また読んで、何かありましたら教えて下さいね。
ヒットして、ヒットとは良いものだと
熱燗徳利の首つかんで
ああ風流だなんて
ひとつ俳句でもひねって と
日本酒にはトックリが似合う
まずい酒でも熱燗にすれば飲めるんだな
まずい酒でも酔えば腹の中に入れば同じだな
季語とは難しい
太陽暦では新暦では、陰暦に比べて一か月程遅れる
しかも地球の温暖化現象である
季節感が無くなるな
都会の雑踏では虚実に現れる
ただ気温だけが季節の変化であるな
杜氏も昔は褌一丁でやったと
今じゃ女の杜氏もいる
酒屋でも女社長がいるんだな
日本酒を確か酒米から作るのは正月前だったな
陰暦では旧正月2月初旬頃前だったと聞いていたがな
今じゃ年がら年中、作っている感がある
夏作った酒や甘ったるい酒は飲めないな
酒の本場は灘だったが、地方の蔵元にも旨いのがある
造り酒屋は歴史がものを言う
こればかりは規制緩和、規制打破は通じないな
ワハハハ
切子か
焼き物は九州が本場
切子も薩摩
江戸切子も技術を盗んだのだろうな
いつもこちらで勉強させて頂いています。
そんな私がこんな感想を言っては失礼かと思いつつ。
いかがなものかと質問させていただきます。
「とっくん」は、とっくりから注がれる最初の音ではないでしょうか?
口元からまず「とっくん」と注がれ、続いて「とくとく」と注がれる、そんな感じに私はとりました。
酒好きの感想です。
そんなに飲まないんですが、ここ最近は日本酒がいいなあ…と。
ビールはお風呂上がりや暑いときに何か山などに行ったりしたときなどに美味しいと思って飲みますが、せいぜいコップ1,2杯です。
ノンアルビールもアルコールがないというだけでカロリーあるんじゃないの?最近は何でもカロリーオフというのが流行ってる?から…
脳の検査…異常が無くて何よりでしたね。コメント書こうとしたら開かなかったのよ。閉じてあるんですね。
これからは何事も〝転ばぬ先の杖〟が大事でしょうか。ガンバロウ!
私は、日本酒は全く飲みません。夫が日本酒党でしたが
生前、たった1度だけお猪口で1杯だけ、お付き合い(^-^;
私はビール党なんです。すぐ斜め前に酒屋さんがあったので
夫は、一人で飲んでも美味くないといい、毎日ビールを買って来てくれました。
3年前から、ノンアルビールですよ。太り過ぎですから。
ビールも飲まないと、全然飲みたいと思いません。
新酒と言えば、てっきり冬の季語と思ってました。
良い句と思いましたが、やはり添削でワンランク上の句に。