自燈明

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チューラ・パンタカ

2008年05月03日 | 釈尊
愚かなる仏弟子、周利槃特(チューラ・パンタカ)は釈尊が与えた四句を四ヵ月
かかっても暗記できなかった。
他の弟子は彼を軽蔑し、兄マハー・パンタカも「お前は修行を諦めて家に帰った
方が良い」と言った。
絶望したチューラ・パンタカは精舎の門のあたりに茫然と立ちすくんでいた。
そこに釈尊が現れて、その頭を撫で、「失望する事はない。汝は私によって出家
したのであるから、私の許におればよいのだ」と言い、彼を精舎に連れ帰った。
そしてブッダは彼に布切れを与え、こう言った。
「チューラ・パンタカよ、汝は何も覚えないでも良い。ただ、この布切れをもって、人びとの履物を浄めることに専念するがよろしい」

チューラ・パンタカは、師の命ずるとおり、毎日履物を浄めることに専念した。
彼の行為を迷惑がる弟子もいたが、彼はそれをやめようとはしない。
そのうちに、彼は気がついた。
浄めた履物も、翌日にはまた汚れる。
人の心も汚れやすく、それを浄めることは難しい。
だからこそ、人は、我と我が心を浄めることに専念しなければならない。
そのことに気がついた時、彼はブッダの教えのなんたるかを会得する事ができ
たのであった。
愚かなるチューラ・パンタカは、智識によらず理解によらずして、端的に仏教の真
髄を把握したのである。

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