わが家の台所には、
四ヶ所同時に煮炊きが出来る竈があった。
竈の薪(たきぎ)は、
煮炊きする物によっても異なるが、
基本的には、薪(まき)、麦わらや豆木、胡麻木、
桑枝(くわで)、もみ殻、枯れ枝、落ち葉等、
燃える物は手当たり次第に何でも燃やした。
しかし、
いずれも直ぐに燃え尽きてしまう物ばかりだから、
必ず火の番人がいて、
適宜、焼(く)べる必要があった。
そのために、背後には燃やす材料が
いつも堆(うずたか)く積まれてあった。
火の番は、竈火災の番人でもあり、
退屈な仕事だが、大事な役でもあった。
しかし、作業は簡単だったので、
子供の頃からやらされた。
嫌で仕方がなかった。
竈で燃える明かりで宿題をし、本も読んだ。
竈には、荒神様が祀られていたが、
家の建て替えと共に竈は無くなってしまった。
今では、正月や節の祝いに、
ガスレンジの傍に幣束やお供えをしているが、
神様もガスレンジには宿りづらいだろう。
四ヶ所同時に煮炊きが出来る竈があった。
竈の薪(たきぎ)は、
煮炊きする物によっても異なるが、
基本的には、薪(まき)、麦わらや豆木、胡麻木、
桑枝(くわで)、もみ殻、枯れ枝、落ち葉等、
燃える物は手当たり次第に何でも燃やした。
しかし、
いずれも直ぐに燃え尽きてしまう物ばかりだから、
必ず火の番人がいて、
適宜、焼(く)べる必要があった。
そのために、背後には燃やす材料が
いつも堆(うずたか)く積まれてあった。
火の番は、竈火災の番人でもあり、
退屈な仕事だが、大事な役でもあった。
しかし、作業は簡単だったので、
子供の頃からやらされた。
嫌で仕方がなかった。
竈で燃える明かりで宿題をし、本も読んだ。
竈には、荒神様が祀られていたが、
家の建て替えと共に竈は無くなってしまった。
今では、正月や節の祝いに、
ガスレンジの傍に幣束やお供えをしているが、
神様もガスレンジには宿りづらいだろう。