老麗・美しく老いる

「美しく老いる」を余生の目標として、そのあり方を探る。

のんの あんー祈りの言葉

2009-04-08 07:09:15 | Weblog
「のんの あん」。
幼い頃、
そう言いながら仏壇などに向かって頭を下げた。

これは母親の躾けで、
仏壇に線香を炊いたり、
鐘をならしたりした後、或いは、
神棚に灯明を灯した後におこなった。
意味も解らないまま、「のんの あん」と言うたびに、
何とはなしに安らぎを覚えた。

「のんの」とは「のんのさま」のこと。
広辞苑によれば「幼児語で『ののさま』に同じ」、
即ち
「日月・神仏などにいう語。ののさん。のんのさま」
とあるが、語源は明らかにされていない。
「如来」の「如如(にょにょ)」や
祈るという意味の「のむ」などの説、
アイヌ語のノンノ(尊いもの)という言葉
からきている説などあるが、さだかではない。
 
「あん」に至っては、もっとわからない。
「安]や「晏」の「やすらかなこと。
やすらかにすること」
などを祈る呪文のようなものだろう。

「のんの あん」
戯れにそういってみる。
大人になった今でも快い言葉だ。
今度、孫がきたら教えておこうと思う。
「のんの あん」