老麗・美しく老いる

「美しく老いる」を余生の目標として、そのあり方を探る。

長塚節ー花桃の里

2009-04-02 07:22:30 | Weblog
女は理性に生きられるが、
男は感性でしか生きられないものだ。

31日に茨城県の古河総合公園を訪れる。
古河市は花桃の里として有名だが、
公園の桃林のほぼ中央に長塚節の歌碑がある。

まくらがの古河の桃の木ふゝめるをいまだ見ねどもわれこひにけり
紅のしたてりにほふももの樹の立ちたる姿おもかけに見ゆ

「古河の桃の木の蕾の膨らみをまだ見た事がない 
けれども、恋しいほどに見たいと思っています」
「紅色に輝き甘い匂いのする桃の木の下に立って
いる貴女の面影が見えます」
という内容だが、「貴女に逢いたい」
という切々たる恋情の歌である。
相手は、写真で一目惚れした詩人若杉鳥子。

  み歌今われなき家の文筥に忘れられてあり身は人の妻

二人は生涯逢う事もなく、
長塚節は37歳で亡くなった。
その時の若杉鳥子の追悼歌も対になっている。
「貴方から頂いた歌は、実家の文箱に忘れ 
られてあり、私は私で人妻となりました」
という意味だ。