AI時代の人間を問う 朝刊小説『本 心』 平野啓一郎さんに聞く 2019/9/6

2019-09-07 | 本/演劇…など

AI時代の人間を問う 生きることの尊さ追究
きょうスタート 朝刊小説  『本 心』 平野啓一郎さんに聞く 
  Culture  2019/09/06

 「本心」を連載する平野啓一郎さん 
 「本心」を連載する平野啓一郎さん

 小説家平野啓一郎さん(44)の朝刊連載小説「本心」が9月6日から始まる。仮想空間をつくる技術が進歩した近未来の社会を舞台に、人間の心について考える物語だ。連載を前に平野さんに聞いた。(石井敬)

 「安楽死」もテーマ 人生の終わり、決定権持てるか

 小説の主人公は「リアル・アバター」という職業を持つ青年。特殊な装置を付けて依頼者の「分身」として外出し、疑似体験を引き受ける。母子家庭で育った主人公は、愛する母親を亡くした後、仮想空間内に再現した母親のバーチャル・フィギュアと会話を重ねていく。
 「テクノロジーが非常に速いテンポで進歩し、AI(人工知能)やバーチャルリアリティー(仮想現実)が日常生活に深く関わってくることが予想されます。その中で人間の心や死生観にどんな変化が生まれるのかを、文学的に追究したい。それは『人間とは何か』という問いに直結します」
 「安楽死」もテーマの一つになる。「オランダ、スイスなどで安楽死の合法化・制度化が進んでいて、日本でも早晩、議論になってくると思います。『いつまでも長生きすべきではない』という社会の無意識的な強制があった時、僕たちは人生の終わりに対して自由意思に基づく自己決定権を持てるのか。決断をしたときの『本心』はどこにあったのか。それは小説のテーマと重なり合います」
 「生産性」などを尺度に、人間の命に対する危険な考え方が広がりつつある中で、「人間は生きているだけで非常に尊い存在だと力強く肯定する思想を、いかに持ちうるか考えたい」という。
 人間は分けられない「個人」ではなく、対人関係ごとの「分人」として生きているという「分人主義」を、現代人の新しい可能性を切り開く人間観として、作品を通じて唱えてきた。本作でも仮想空間での「分人」という要素を含め、その思想をさらに深めていく。
 京都大在学中の1999年、中世キリスト教世界を描いたデビュー作「日蝕(にっしょく)」で芥川賞を受賞。その後もさまざまな手法・文体を駆使した作品を発表してきた。「今回は主人公の内面を語っていくため、長編としては『日蝕』以来の一人称小説になります。それも楽しみです」。ベストセラーとなった恋愛小説「マチネの終わりに」(渡辺淳一文学賞)は、福山雅治さんと石田ゆり子さん共演の映画が11月に公開される。
 「読者に毎日読んでもらうために、シンプルで力強い軌跡を描く物語にして、掘り下げると深いテーマがある積層的なデザインを意識します。殺伐としたニュースも多いですが、連載小説を読んで心を休めてもらえればと思います」

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 「本心」の挿絵は先端的なアート作品で注目されている美術作家の菅実花(かんみか)さん(30)が担当します。菅さんは、、10歳から20歳まで名古屋市で育ちました。
 「本心」は平野さんの希望により、10日から中日新聞ホームページにも、紙面から4日遅れで掲載します。読者向け会員サイト「中日プラス」では、紙面掲載と同時に掲載します。バックナンバーも読むことができます。作品の感想などを平野さんに送ることができるメールレターの登録は、平野さんの公式サイトhttps://k-hirano.com/mailmagazine/から。

 ◎上記事は[中日新聞]からの書き写し(=来栖)
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 〈来栖の独白 2019.9.7Sat〉
 世間のことについて偏ってしか知らず、疎い私は、平野啓一郎という才能について知らなかった。NHK日曜美術館で意見を述べておられ、興味深く拝聴した記憶はあったが。
 平野氏の連載小説。大きな楽しみ。
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*  ギュスターヴ・モロー 「ファム・ファタル(魔性の女)」NHK 日曜美術館 2019.5.5 
『ある男』は、楽しみをくれた〈来栖の独白 2018.10.21〉
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かのアウグストゥスでさえ願った「安楽死」 望みますか 2016.11.20 です
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スイスの安楽死~その瞬間への立ち会いを報告 ■死ぬための旅行、安楽死が合法の国 その条件と尽きない議論 
  

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