野田市小4 心愛さん 虐待死事件から2年 控訴審は2021年3月4日判決言渡 栗原勇一郎被告

2021-01-24 | 身体・生命犯 社会

「鬼畜の犯行」なのか? 野田市小4虐待死事件から2年、加害者家族が語る「心愛さんへの想い」
 2021/1/24(日) 7:31配信 現代ビジネス

果たされなかった約束
 1月24日、野田市小4虐待死事件で亡くなった栗原心愛さん命日を迎える。
 筆者は2年前、事件直前まで心愛さんと暮らしていた栗原勇一郎被告の家族から相談を受け、支援を続けてきた。2度目の命日を迎えるにあたり、筆者は家族に心愛さんへの想いを語ってもらった。
 「雪が降るたびに、心愛ちゃんを思い出しています」
 祖母・良子さん(仮名)は涙ながらに語った。
 「雪、見たことないから雪みたい」
 そう話す心愛ちゃんに、冬になったら北海道に雪を見に行こうと約束していた。
 心愛ちゃんの葬儀の日は、雪が舞っていた。あれから雪が降ると、心愛ちゃんが戻ってきたような気がするという。
 「心愛ちゃんがお空から戻ってきた!」
 心愛さんの叔母にあたる真由さん(仮名)の子どもたちも、雪を見て心愛ちゃんを思い出している。
 「心愛ちゃんはお空に行ってしまって、もう戻ってこないんだよ……」
 真由さんは、心愛さんの死を子どもたちにそう伝えていた。それでも子どもたちは、今でも心愛ちゃんが大好きで話題が尽きることはない。
 「今年も子どもたちと心愛の誕生日を祝いました。クリスマスも雛祭りも心愛と一緒にお祝いしています」
 心愛さんが生まれてきたこと、心愛さんと出会ったこと、それは家族にとってかけがえのない大事な出来事だった。心愛さんはこれからも、大事な家族であることに変わりはないという。
 「助けてあげられなくてごめんね……」
 真由さんはそう言いながら、心愛さんが大好きだった「午後の紅茶」のレモンティーを夏場は冷やし、冬は温め欠かさずお供えしている。
 心愛さんを助けてあげられなかった後悔の念に、家族は今なお苛まれ続けている。

「加害者家族」としての過酷な日々
 「心愛ちゃんが亡くなってからいろんなことがあり、これまで、長かったような短かったような……」
 良子さんはこれまでを振り返りそう語る。加害者家族である栗原被告の家族は、心愛さんの死を悲しんでばかりはいられなかった。
 栗原被告が逮捕されると、大勢の報道陣が自宅に押し寄せた。連日マスコミに追われ、食料を買いに出かけることさえできない日が続いた。
 転居を余儀なくされ、心愛さんの死を悲しむ時さえ奪われるほど、家族の生活は追い詰められていた。
 昨年開かれた裁判員裁判では、真由さんは検察側の証人として出廷し、良子さんは検察側だけでなく被告人の情状証人としても法廷で証言をした。
 子どもを犯罪者にしようと育てる親などいない。親にとって、法廷の被告人席に座る息子を目にすることほど辛い瞬間はない。息子が奪った命が可愛がってきた孫であればなおさらのことである。加害者と被害者の狭間で引き裂かれる思いだったに違いない。
 「息子がやったことなのだから当然」と言われてしまえばそれまでだが、家族を追いつめたからといって心愛さんが戻ってくるわけではない。

事件はまだ終わっていない
 栗原被告は、裁判員裁判で懲役16年の判決が言い渡され控訴している。東京地裁で開かれた控訴審は19日に結審し、3月4日に判決が言い渡される。
 判決が確定するまでは、家族として被告とのやり取りなど事件に関するコメントは控える方針である。加害者側として一定の真実に辿り着き、事実を公表できる時期が来る頃には世間の関心は薄れているかもしれない。
 筆者は、裁判員裁判を全て傍聴していたが、本件はこれまで傍聴した裁判の中で最も精神的負担を要する裁判だった。惨い虐待の証言に、泣き出す人や被告人への怒りをあらわにする人が後を絶たなかった。
 裁判を通して、家族が知りえなかった事実が明らかになった部分もあるが、事件の全容が明らかになったわけではない。そもそも裁判は、責任に応じた量刑を判断するところであって真相を究明するには制度として限界がある。
 判決が確定し受刑者となると、受刑者と面会できる人物や回数はかなり制限される事情もあり、事件を継続して取材する記者もほとんどいなくなる。
 ところが重大な事実がその後明らかになるケースは決して稀ではない。加害者は、いつか必ず社会に戻ってくる。社会が事件の幕引きを図っても、家族にとって事件が終わるわけではない。
 裁判員裁判の被告席で、無表情に前を見つめることが多かった栗原被告だが、家族の証言の際には涙を堪え切れず、家族への感謝の言葉も述べていた。経済的に恵まれており、暴力を受けて育ったわけではない。学校でいじめられていたという話も出てきてはいない。
 一体、いつどこで、家族も知らない残忍な面が育ってしまったのか、未だに腑に落ちない点は多々残っている。本件は、「鬼畜の犯行」と呼んで片づけられるほど単純な事件ではない。
 多くの人は、加害者の言葉など聞きたくはないと思うだろう。本件で、被告が控訴したことについても批判が集まった。加害者は言い訳をせず、ただ謝罪の言葉だけ述べればよいと考えるかもしれない。
 しかし、時に耳を塞ぎたくなるような加害者の言葉を聞くことなしに事件を解明することはできないはずだ。私たちは、被害者に同情するだけではなく、心愛さんが向き合わなければならなかった被告の加害性とも向き合う必要があるのではないだろうか。
 一体、いつどこで、何が彼を残酷な行為に駆り立てたのか、腑に落ちない点は多々残っている。筆者は、「鬼畜の犯行」と呼んで片づけられるほど単純な事件ではないと考えている。
 心愛さんが亡くなる3ヵ月前に学校で書いた「自分への手紙」には、「未来のあなたを見たいです。あきらめないでください」としっかりとしたきれいな字で書かれており、忘れられない言葉として胸に刻まれている。
 栗原心愛さんのご冥福を心からお祈りします。
  阿部 恭子(NPO法人World Open Heart理事長)

  最終更新:1/24(日) 10:31 現代ビジネス

 ◎上記事は[Yahoo!JAPAN ニュース]からの転載・引用です
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〈来栖の独白 2021.1.24 Sun〉
 心愛さん、哀れでならない。家族は助ける(救う)気持ちがなかったのだ。後になって「ごめん」と言う。なんという無意味、無慈悲。自分を犠牲にしてでも一人の子の命を救うという意識がない。心愛さんは自分に手紙を書くしかすべがなかった。
>東京地裁で開かれた控訴審は19日に結審し、3月4日に判決が言い渡される。
 東京「地裁」ではなく、「高裁」だろう。


 朝日新聞デジタル 
 心愛さん虐待死、父親が量刑不当を訴える 控訴審が結審
 小木雄太、根津弥 2021年1月19日 13時21分
 千葉県野田市で2019年1月、小学4年の栗原心愛(みあ)さん(当時10)を虐待して死亡させたとして傷害致死罪などに問われた父親の勇一郎被告(43)の控訴審第1回公判が19日、東京高裁であった。弁護側は、懲役16年とした一審・千葉地裁判決について「量刑不当」などと訴え、検察側は控訴棄却を求めた。即日結審し、判決は3月4日。
 被告は一審の裁判員裁判で、暴行内容の大半を否認した。だが、地裁は食事を与えず冷水を浴びせ続けたなどと認め、「尋常では考えられない凄惨(せいさん)な虐待。(被害者の)人格と尊厳を全否定した」と指摘した。
 事件をめぐっては、心愛さんが小学校のアンケートで「お父さんにぼう力を受けています」と訴えたが、野田市教育委員会はコピーを被告に渡していた。一時保護を解除した県柏児童相談所の対応も問題視された。(小木雄太、根津弥)

 ◎上記事は[朝日新聞デジタル]からの転載・引用です
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野田小4虐待死1年 心愛さん、届かなかった「自分への手紙」 2020.2.24 

   


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