ヒノキ香る大須教会に 全面改修 2019/9/10

2019-09-10 | 社会

2019年9月10日 夕刊

 ヒノキ香る大須教会に 全面改修 

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    ヒノキが香る内部=名古屋市中区で(田中利弥撮影)

 全国でも珍しい商店街アーケード内にある大須教会(名古屋市中区)が今月、全面改修された。岐阜県産ヒノキが香る新教会堂を設計したのは、かつてこの教会に住んでいた大阪市の1級建築士富沢実さん(51)=愛知県豊橋市出身。思い出の場所を手掛ける縁に恵まれ、「『大須の交流拠点にしたい』という長年の思いを形にできた」と喜ぶ。
 プロテスタントの大須教会は、1953年から66年間にわたり大須商店街にたたずむ。7日にお披露目された新しい姿は、教会の象徴ともいえる十字架と三角屋根をくりぬいた正面の壁に、約450枚のヒノキの板が段になるように並べられていた。
 柔らかな色合いと開放的な間口に引かれ、商店街を歩く人たちも教会内に足を踏み入れていく。「他にないデザインながら、一目で教会と分かってもらえる。実さんにお願いしてよかった」。保浦宏規(ほぼひろき)牧師(58)は満足そうに笑った。
 富沢さんと教会の出合いは83年。父誠治さん(83)がこの教会の牧師になったためで、高校時代の3年間、当時牧師家族の住居として使われていた教会の3階で生活した。その後名城大で建築を学び、卒業設計では教会の改修案を検討。「教会を出会いの場に」と考え、ギャラリーや劇場としても使える建物をデザインした。建築士になってからは、教会建築やキリスト教系福祉施設の設計を手掛け、経験を積んできた。
 一方、大須教会は79年の建て替えから40年がたち、雨漏りするなど老朽化が進んでいた。在日外国人の増加などで信徒は増える一方、1階の礼拝堂は最大50人ほどしか入れず手狭に。移転案も出たが、「ユニークな立地を大事にしたい」と現地での改修を決め、2年前に富沢さんに設計を依頼した。
 富沢さんは学生時代の設計のコンセプトも生かしながらデザインした。新礼拝堂には舞台を設けてコンサートができる音響設備も備えた。壁には美術館にも使われる壁紙を張り、写真や絵を飾れるように。2階と3階にはモニターを設置し、1階の礼拝堂の映像や音声を共有できるように工夫した。「教会がこの場所にあることの意味を考えて設計した。地域の人たちの憩いの場になってほしい」と願っている。

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 商店街アーケード内にある大須教会の前で話す、富沢実さん(左)と保浦宏規牧師=名古屋市中区で(田中利弥撮影) 

 大須教会には12の鐘からなる楽器「カリヨン」が新たに設置され、毎日午前11時~午後6時の毎正時に音色を奏でる。曲目は、バッハの「主よ人の望みの喜びよ」(正午)、プロ野球中日ドラゴンズの応援歌「燃えよドラゴンズ」(午後6時)など。
 (松野穂波)

   ◎上記事は[中日新聞]からの転載・引用です

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