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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

やがて哀しき外国語

2012-03-09 18:41:26 | 村上春樹
村上春樹 1994年 講談社
ひさしぶりに読み返した、村上春樹の随筆。(意味はないが、随筆という熟語を使うとき、私としてはエッセイというカタカナより、少し重みというか真剣さを文章から感じている。)
ほとんど最初に読んだときの記憶なんか、今はない。
著者が、ヨーロッパに長く住んだ(それは「遠い太鼓」にくわしい)あと、1991年からアメリカのプリンストンに住んだとき書かれたもの。
プリンストンというのは、私は知らなかったんだけど、東部のほうで、プリンストン大学がスコット・フィッツジェラルドの母校なんだと。
アメリカはヨーロッパより階級社会って感じぢゃないはずなんだけど、やっぱその地域その大学という社会のなかで、なにかコレクトでなにがインコレクトか(正しきことか不適切なことか?)明確な区分がある、なんていう話がけっこうあります。
でも、まあ私としては、そういうアメリカ社会に関することなんかよりも、村上さん個人が、「面白い映画を見ると取り乱す癖がある。心底からディスターブされてしまう」とか言って、面白い映画の帰り道で反対車線を走っちゃうことがあるとか、「外国人によって書かれた伝記や自叙伝というのはどうしてこう面白いんでしょうかね?」などという感想をもってたりところが、妙に興味深かったりする。
どうでもいいけど、ある章に、繰り返し「サイコパス」って単語が出てくるんだけど、これ使うの出版社的にはNGだったんぢゃなかったっけ?
・プリンストン―はじめに
・梅干し弁当持ち込み禁止
・大学的スノビズムの興亡
・アメリカ版・団塊の世代
・アメリカで走ること、日本で走ること
・スティーヴン・キングと郊外の悪夢
・誰がジャズを殺したか
・バークレーからの帰り道
・黄金分割とトヨタ・カローラ
・元気な女の人たちについての考察
・やがて哀しき外国語
・運動靴をはいて床屋に行こう
・「カーヴァー・カントリー」を描くロバート・アルトマンの迷宮映画
・ロールキャベツを遠く離れて
・ブルックス・ブラザーズからパワーブックまで
・ヒエラルキーの風景
・さらばプリンストン
・「やがて哀しき外国語」のためのあとがき

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