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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ノーラン・ライアンのピッチャーズ・バイブル

2009-08-05 18:57:48 | 読んだ本
ノーラン・ライアン トム・ハウス 斉藤信太郎・川島英夫訳 1992年 ベースボール・マガジン社
ピッチングの神様、ノーラン・ライアンの語るピッチングの本である。
出版された1991年は、たしか44歳、でもまだ150キロの球を投げてノーヒット・ノーランを達成してたりする。
第1章 自分に合った練習法
第2章 メンタルトレーニング
第3章 フォームの重要性
第4章 コンディション調整
第5章 ピッチャーの食生活
第6章 完全なるピッチャー
という章だてから成っていて、ウエイトトレーニングやストレッチを写真つきで紹介している第4章にページが多く割かれているが、私としては一番大事なのは第3章である。
なぜライアンがいつまでも速球を投げられるかといえば、それはフォームが正しいからである。
彼のフォームは左足を高く上げるんだが、そこから“高い位置から倒れ込む投げ方”をしているのが、すばらしい。これに対して、はずみをつけるために投球時にプレートを蹴ったりする“沈み込みながら投げる”方法を否定している。
これはまったくもって正しい。正しいフォームこそが投手寿命を長くする道なのだが、ライアンは正直に、沈み込み投法については「年を取るに従ってきつくなる」と語っている。自分の身体を上下させてクタクタに疲れることが一所懸命投げてることと勘違いしている日本人は見習ったほうがいいと思いますよ。
ライアンの投球フォームのチェックポイントは、理路整然と言葉にされていて、これほどわかりやすくタメになる野球の技術に関する記述はなかなかないと思います。
1 投球動作の間は軸足の延長線上に頭があること
2 持ち上げた足が最大限の高さになるまで、上体を前に傾けないこと
3 足は最大限の高さまで持ち上げること。ただし、蹴り上げないこと。
4 アゴからヘソまでの間にある重心点、ここに両手をそろえること
5 投球動作の間は上体は揺らさない
6 いつも“高い位置から倒れ込む”投げ方を心がける。つまり左ヒザを高く上げた位置から体全体をバランスよくホームベース方面に倒れ込むようにして投げる。ボールを放つ前に体を“沈め”ないことが大事だ。
7 足を踏み出したときは、つま先、尻、ヒジ、ヒザ、そしてグローブがホームベースから一直線上にあること、腰の回転は、踏み出した足が地面についてから始める
8 足が地面に着いて、上体を回転させる動きを始めるときには、踏み出した足の親指をほんの少し内側に向けさせること(略)

前足を蹴り上げない、体を沈み込めない、着地した足の先を内側に閉じる、みんないいチェックポイントです。
これに加えて、足を上げたときの爪先が下を向くべきというトム・ハウスに対して、ライアンはカカトが下のほうがよろしいと反論しているが、そこまで含めて全部正しい。
これらのチェックポイントに注意しながら、ライアンの投球ビデオでも見ていれば、どんな人でも野球がうまくなるのにと思うんだが。(どうして一部の日本の野球選手は四股踏むような投げ方をするんだろうね?)
コメント
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