さて、霞が関を後にした私は
ここはどこ?
とても久しぶりの
三菱一号館美術館。
滅多に観られないという、イスラエル博物館所蔵の印象派展に
足を運びました。
作品リストに書き込んだ自分のメモを読み返すと
印象派に先んじて確立され、佳き理解者でもあった
バルビゾン派のコローの風景画からスタートし
それだけでも「ここへ来てよかった!」と感激して
同派のドービニー「川の風景」は
すでに印象派といっていいのではないか、と思ったり
ブーダンは私が知る限りとても珍しい
縦長のキャンバスに描かれた海の風景が印象的で、
点描画のピサロは、1870年代と1900年代とでは
点描の大きさが違うんだ、と新鮮な発見があったり。
大好きなシスレーもありました。
これらの画家については、いくらでも語りたいけれど、
でも
今回は結局、この(日本では)無名の画家に心持っていかれました。
レッサー・ユリィ。
今回の展覧会は、先のバルビゾン派やナビ派など、
印象派と関連性のあるグループの絵画も紹介されており
この画家は、ミュンヘン/ベルリン分離派。
ユダヤ系ドイツ人です。
帰ってネットを検索したら
同じくこの展覧会で初めてこの画家を知った、という書き込みや記事が多く
ちょっとしたブームに。
わかるなあ、だってスタイリッシュで現代人に“刺さる”んだもの。
(これらは画像検索の一部で、この展覧会に出展されていない絵もあります。)
上段左端「夜のポツダム広場」は、絵葉書が完売するほどの人気だそう。
色彩がやや暗めなのは、ドイツっぽいのですが
内面がどう、とか哲学が…とか、難しいことは抜きにして
鑑賞できるテーマに構図。
この画家の生涯は、私はよくわからないので
憶測でしかありませんが、
1931年に亡くなっていることから、その後ナチスの台頭により
この画家の実績、功績などはドイツ国内では表に出ることがなく
ユダヤ系の画商に引き取られるなどして、
イスラエル博物館へ所蔵されることになったのかなあ。
(ただの憶測です)
この年齢になって、美術展鑑賞歴も40年近くになる中で
新たにお気に入りの画家と出合えるって嬉しいものだなあと思います。
そういえば、数年前に国立西洋美術館でやはり、衝撃を受けた
スイスの画家ホドラーも、ベルリン分離派でした。
そのときの記事はコチラ。気になった方はご覧になってみてくださいね。
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