神奈川絵美の「えみごのみ」

着物お気楽話、日々の出来事、思いなど

トーハクで等伯を観る

2019-01-09 22:00:10 | 美術展・工芸展レポート
お正月休みのうちに、お正月らしいイベントに行きたいなあと思案して、
国立劇場で歌舞伎を…とも思ったのですが、
何となく、じっとしているよりも動きたい気持ちが勝り


毎年、国立博物館にて恒例の「初もうで」展へ行くことに。
国宝や重文、干支にちなんだもの、吉祥柄の着物など
晴れやかな展示が並びます。

そんな企画に合わせて、私も……

竹と梅が配された、城間栄順さんの紅型の帯を久々に。
松煙染めの市松の紬は、
初めて自分で買った、14年くらい前の着物なのですが
年を重ねて一層、似合ってきたような。気に入っています。

このコーデ、ずいぶん前ですが
「カジュアルな晴れ着」の意味で「晴れ着 SIDE-B」と名付けています

帯周りは熟考する時間がなく、少し落ち着かないかな……。
梅の飛び絞りの帯揚げに、扇柄の入った三部紐を二本遣い。
菊の帯留めは珊瑚です。

上半身と後ろはこんな感じ。


さて、この日の上野は

とても良いお天気!


逆光ですが、裏庭を背景に写真を撮りました。

展示品は一部を除き写真撮影OKなので、今回もたくさん撮ったのですが、
編集が追い付かず……
そのうちのほんの少しだけ、レポというほどでもないのですが、並べていきますね。

まずは、きもの好きさんに。

能装束から武士の帷子まで、今回もたくさん展示されていましたが、
印象に残ったものをどれか一つ、となるとこれかな。
江戸時代の夜着(布団代わりに着て寝るもの)なのですが
よーく見ると墨で源氏物語のシーンが全体に描かれています。
(写真右)


いろは屏風。江戸時代の作品。
とても大きくて(一行分が私の身体程度)、
眺めているとGO!GO!と力がわいてきます。


私の好きな鈴木其一(左)と円山応挙。
其一の方は狸(猩々舞図)、応挙は龍です。
この、応挙の不穏なような、おごそかなような、の龍の眼光に
身が引き締まります。

浮世絵で目を引いたのは

歌川国貞の二見浦…だったと思います。
この日の出の描き方が斬新だなあ、と。


作者不明の紅白梅屏風(こちらは左隻)。
江戸時代のものだそうですが、
どうも眺めているとクリムトっぽいというか(金だから?)
ただ、ウィーン分離派はもっと曲線を多用、強調する作風と記憶していますが…。

いずれにしても日本画って、後にジャポネスクが西欧で流行ったことからも
うかがえるように
アバンギャルドだったり、フリーダムだったり、さまざまな試みが
西洋絵画に先んじて盛んに行われていたように、私には思えます。

それをもっとも強く感じたのが
国宝の松林風屏風、長谷川等伯の作品。

(こちらは右隻の一部)

等伯……16世紀の人です。
このコンテンポラリー感ってどこからくるのだろう……
以前、出光美術館で別の作品を観たときにも同じ感想を持ちました。
そのときは波の作品で、ドビュッシー的な前衛感があったような。

16世紀といえば、イタリアではルネサンスの時代です。
美術が市民に開放されて(まあ、市民といってもお金持ちの人ですが)
世俗的な題材がこれ以降増えていくものの、
技法としては人を人らしく、風景は風景らしく……で、
光の印象で描こうとする印象派まで、あと3世紀ほど待たなくてはなりません。

つくづく、等伯は超早すぎた天才、あるいは変人、だと思います。


展示についてはほかにもいろいろ写真を撮ったので、
余裕があれば後日改めてそれらもアップしますね。
高円宮さまの根付コレクションも可愛らしかったです。
会期は27日まで。公式サイトはコチラです。
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8 コメント

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Unknown (れいこ)
2019-01-10 07:42:14
初もうで展、毎年恒例なのですね。
知らなかったです。
我が家は初詣には行かないので、これに行くのもいいな。

カジュアルな晴れ着、わかります!
普段着だけど、なんとなく新春に相応しい気持ちになるものってありますよね。
晴れやかというか、スタートというか、引き締まるというか、そんな気持ち。
Unknown (香子)
2019-01-10 08:04:07
ポスターのイノシシがめっちゃ勢いがありますね♪
まあ、搔巻布団…40年くらい前までは嫁入りで持って行く
お布団の一つでしたが、羽毛全盛の今は見ないですねぇ。
等伯の屏風は、確か跡継ぎがなくなった頃描かれたものかと。
湿った空気感と静寂が寂しさを醸し出してますよね。
れいこさんへ (神奈川絵美)
2019-01-10 09:13:38
こんにちは
こちらの初もうで展、おすすめです
入場料620円で、一日楽しめるほどの展示数。
建物も風格ありますしね。
近くのフェルメール展が2700円で入場制限(時間指定)
あり、ということを思うと
(それだけの価値があると認めている人が多いこそ
賑わっているのでしょうけれど)
こちらはホントに、お気軽に近所の神社へ初詣に
行くような感覚で、足を運べると思います

>新春に相応しい気持ちになるものってありますよね
ね、ありますよね。小物一つだけでも
新春らしいものをつけていると気分も晴れ晴れ
するものですよね
香子さんへ (神奈川絵美)
2019-01-10 09:17:15
こんにちは
ポスター、毎年なかなか和の趣があって好きです。
>搔巻布団
ああ・・・表記はこうだったのですね。
子どものころ、母がよく「かえまき」と言っていて
替巻だと思い込んでいました
懐かしいなあ・・・

>確か跡継ぎがなくなった
そうだったのですね。孤高の人、という感じが
していました。
今、ふと思い出したのですが、
晩年のマン・レイもこんな静寂があったなあ・・・
時代はぜんぜん違いますが・・・。
Unknown (sogno)
2019-01-10 10:45:00
わああ、この展いいですね!!こんなのもあったんですね。私、紅白梅屏風に強烈に惹かれます。和なのに「洋」を感じます。そうそ、クリムトっぽいかも。栄順さんの紅型帯、何回みても素敵ですね。眼福ありがとうございます。そして市松のお着物も絵美さんに馴染んできた感じ♥
Unknown (Medalog)
2019-01-10 19:13:30
初もうで展!いいですね。
いつもよりちょっと気分が上がる着物を着るきっかけになるし、展示の品々も力強くて運気が上昇しそうです。
いろは屏風、好きだなー。
こうして見ていると、屏風や掛け軸っていいですね。季節や行事、その日の来客に合わせて都度替えられる。もちろん買う財力があるかどうかは別の話ですが(笑)
sognoさんへ (神奈川絵美)
2019-01-10 22:35:40
こんにちは
紅白梅屏風、いいですよね~とても大きくて圧倒されました。
確かに洋の要素、ありますよねー。まあ、ウイーン分離派やアール・ヌーヴォーは日本画の影響を受けていますので、こちらに洋の要素、ではなく、あちらに和の要素がある、といってもいいのかも知れません。

市松の松煙染め、年月を経るほどに色あいも変わってくると購入時に言われたのですが、どうなのかな・・・。
Medalogさんへ (神奈川絵美)
2019-01-10 22:38:22
こんにちは
いろは屏風、私ホントに力をもらいました。
うろ覚えですが、向かい側に並んでいたのが割と
線の細い日本画だったり、小さい字の書だったり
したので、
そこにどーんとこの勢いのある作品、インパクトが
ありました

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