神奈川絵美の「えみごのみ」

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春は格別に美しく -ロマンティック・ロシア展-

2019-01-05 22:00:10 | 美術展・工芸展レポート
昨日の拙ブログのアクセス数が、

500(人)を超えていたので(通常は300人前後)、
引き続き、昨年着たきものの振り返りを載せる方が
いいのかなとも思ったのですが、
やはり予定通り、記憶が薄れないうちに、
昨年末に観た美術展の感想をアップしますね。



東急文化村ミュージアムで開催中(~1/27)の
ロマンティック・ロシア展。
20万点の所蔵作品がある国立トレチャコフ美術館の
コレクション展です。
ロシア絵画は私にとってほとんど馴染みがないので
楽しみにしていました。

前評判では

(これは「怖い絵」の解説でもお馴染みの美術評論家
中野京子氏の書籍の表紙ですが)
クラムスコイ作「忘れえぬ女(ひと)」が目玉の一つでしたが

確かに、この黒目がちな視線に惹きこまれたものの
思ったよりも小さく
女性の肖像画の数自体も少なかったせいか
(おそらく、秋にルーブル展でたくさんの、女性の肖像画を観たため
相対的にさびしく感じた)
この絵から深く思索を巡らすまでには、私は至りませんでした。

インパクトを受けたのはむしろ、数々の風景画の方。

レヴィタン「樫の木」。
画像ではわかりませんが、実物は厚く塗りこめた絵具が
まるで春の日差しを浴びたかのように、ところどころ光っています。

ロシアでは「3月が一年の始まり」とする向きもあり、
春は格別に美しい季節、と、多くの画家が題材を求めたそう。
この展覧会でも、レヴィタンから3点、春の絵が出展されています。


こちらは夏のワンシーン。
シーシキン「森の散歩」。
彼は見たままを忠実に再現することに注力した画家だそう。
中央の男女の良好な関係性までもストレートに伝わってきます。

春に喜びを見出し、夏を謳歌する分
秋の訪れには敏感なロシアの画家たち。

静物画になりますが、
クラムスコイの「花瓶のフロックス」。
(冒頭の「忘れえぬ女」と同じ画家です)
可憐な濃ピンクの花弁は一見、秋らしくはありませんが、
フロックスという花は夏との別離を象徴するモチーフだそうです。

余談ですが、
ロシア語で「色」を意味する言葉「ツヴェート」と
「花」を意味する言葉「ツヴェトーク」は同根なんだとか。

そして

今までの絵とは作風がかなり違いますが
ソトロブドフの「落葉」。
この画家は広告ポスターも多く手掛けているそう。

なお、ロシア絵画では「冬」の絵はあまり多くないそうです。
想像で描いたとされる絵の展示もあったりして
(やはり、ロシアの冬は寒くて厳しく、描く方も
たいへんなのでは…)と思ったり。

このようにピックアップしただけではわかりにくいのが
残念ですが、
一連の展示作品を順番に観ていくと、
ロシアの四季の移ろいが味わい深く、画家たちの息遣いまで
きこえてきそうに活き活きと、伝わってきます。

展示はこの後、肖像画、子どもの世界、都市と生活、日常と祝祭…と
続いていくのですが、
私は序盤の風景画が一番印象深かったなあ…。

肖像画からは一点のみ。

外国文学の挿絵に出てきそうな
幻想的な一枚は、クラムスコイの「月明かりの夜」。
時系列でいえば、この作品がもっともはやく(1880年)、
「忘れえぬ女」(1883年)、「花瓶のフロックス」(1884年)と続きます。

画家ではやはり
レヴィタン、シーシキン、クラムスコイがお気に入りに。
個人展があればまた行きたいですが…難しいかな。


ロマンティック・ロシア展の公式サイトはコチラです。
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8 コメント

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Unknown (U1)
2019-01-06 07:07:24
新年おめでとうございます。
今年も貴ブログを楽しみに拝見させていただきます。

今年はどんな美術展が開催されるのでしょう。
鑑賞したい作品があれば東京にも出かけたいです。
U1さんへ (神奈川絵美)
2019-01-06 10:48:54
新年明けましておめでとうございます
美術展レポ、ご覧くださって
ありがとうございます
拙い内容ですが、何かのご参考になれば
私も嬉しいです。

昨年秋以降、多忙になってしまって
行きたかった展示になかなか行けず・・・。
知る人ぞ知る、みたいなニッチな展示が
もっとあるといいなーなんて思ったりしています。
こちらにお出かけになる際は、
良かったらご一報くださいね。
火の見櫓等のお話、伺いたいです
Unknown (香子)
2019-01-06 23:34:51
変に媚びがなく
まっすぐに目に入ってくる作品たちでしたね。
好きというのじゃないですけど「静寂」という絵は
驚きとともに目を引きました。
よく描いたな〜というか (^-^;;
Unknown (風子)
2019-01-07 09:50:00
明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお付き合いください。

冒頭のポスターを見かけて 綺麗な絵だなあ、と
思っていました。
そうですか 小さいのですね。
そういえば ロシア といって これといったものを
思い浮かべることができないな、と改めて思いました。
今年もこちらで いろいろ拝見できることを楽しみにしています。
香子さんへ (神奈川絵美)
2019-01-07 10:29:16
こんにちは
そうでしたね。想像で描いたとされている絵も
そんなにドラマ性を持たせた感じでは
なかったですよね。
静寂・・・割と最初の方の展示かな。風景画は
おしなべて、細密でセンシティブな印象を
受けました。
風子さんへ (神奈川絵美)
2019-01-07 10:34:11
新年明けましておめでとうございます
こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。
「忘れえぬ女」は、私が思ったほど大きく
なかったという意味でして、
(おそらく、ルーブル展で観た数々の肖像画が
大きかったのでそう感じたのでしょう)
横80㎝くらいはあったかと・・・すみません、調べても
おらず感覚ですが。
19世紀のロシア絵画は長い歴史の中で、
あまり国外に流出していないのでしょうね。

昨年秋以降、なかなか思うように美術展めぐりが
できていなくて・・・またどこか行きましたら
拙いレポですがアップしますね
Unknown (Medalog)
2019-01-07 13:46:08
絵美さん、今年もよろしくお願いいたします。

そういえばロシア絵画って見た記憶がほとんど無いです。エルミタージュ展にも行かなかったし。
若い頃にロシア文学を読んで重苦しい気分になるばかりだったのですが絵画を見ると確かに「ロマンチック」な感じがありますね。
今後は絵画展でロシアの絵を見つけることを楽しみの一つにします。
Medalogさんへ (神奈川絵美)
2019-01-07 15:36:02
こんにちは
こちらこそ今年もよろしくお願いいたします。

私も実はロシア絵画ってほとんどなじみが
ないんです・・・なので今回、ロシアの括りで
たくさん観られて良かったです。
あまりドラマ性は感じさせないのですが
耽美的なロマンは漂っていますね。

今、思い出したのですが、2年前に観た
ロシアのオペラ「エフゲニー・オネーギン」
(チャイコフスキー作曲)もまさに似たような、
耽美で抑えたロマンが漂う作品でした。

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