久しぶりのカンボジア 11 ネコ

久しぶりのカンボジア 11 ネコ
 
カンボジアのネコやイヌは、基本的にのんびりしている。人間は危害を与えないものと確信して、生活しているように見える。

 
このネコたちも、バイクが走り回る路上で、のんびりと昼寝などをしながら遊んでいる。バイクなどは彼らをよけて、走行する。決してぶつかったりはしない。これは仏教の教えによるものか、昔からの習慣に過ぎないのか不明であるが、とにかくネコ・イヌに対して優しい。どこのレストランでも出入り自由だったりする。またエサも十分に貰っているらしく、あまりがつがつした姿は見たことが無い。
 
もっとも一時期、ベトナム人が来てイヌ狩りをした時代があって(10年以上前であったと思う)、カンボジア人はあまり大型犬を飼わなくなった。ベトナム人は、イヌを食べる習慣があって、食べられたと言う噂であった。白人は大型犬を沢山飼っているが、皆リードが付いている。
 
なぜこのような優しい国民の間で、虐殺が起こったのかと聞かれることがある。私にも正確には分からない。しかし幾つかの派に分かれて、互いに反目しあうと、自分の生き残りのために起こることは不思議ではない。それはナチスドイツが行った、無抵抗な人の大量虐殺とは異なるような気がする。
動物行動学的にみると、相手を殺すほどの武器を持った動物は、最終的には殺さずに収める方法を持っている。しかし、ハトやウサギの様に相手を殺すような武器を持っていない動物は、最終的に相手を殺さずに収める方法を持っていない。このため自然界では、逃げる方法が発達している。しかし、狭い空間に置かれて逃げる方法が無いと、相手が死ぬまで戦うことになる。ヒトも動物学的には、後者のように思われる。しかし社会性を発達させることによって、大集団をつくることが出来るようになったと思われる。ただしどこかでこの社会性が崩れると、集団的いじめや集団の抗争によって、相手を殺すまで進んでしまうのであろう。この様な危険性を内包しているのが、ヒトと言う動物であろう。
 
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