カンボジアの交通事情 6 ツクツク

カンボジアから   金森正臣(2006.1.31.)

カンボジアの交通事情 6 ツクツク

写真:カンボジアのツクツク。ツクツクはもともとタイで呼ばれている名前。オートバイにリヤカーを付けて引いた様な乗り物。多少乗り心地がよい様に改良されている。主に外国人相手の商売の様だ。

 カンボジアの首都プノンペンでは、3年ほど前にはツクツクは禁止されていると聞いていた。シェムリアップなどの観光地では、使われていたが、プノンペンでは見かけなかった。ところが、最近ツクツクの数が急増している。
 特に外国人が多い安ホテル(失礼。安ホテルと言っても20ドル~50ドルはカンボジアではかなり立派なホテル。日本のビジネスホテルよりは部屋も広く、綺麗で多くはツイン。シングルで使うとこの値段)の前で待機するのが多い。高級ホテル(100ドル程度)になると、ツクツクよりもタクシーが使われるので、待ってもあまり稼ぎにならないのであろう。
 話はそれるが、カンボジアでのゲストハウスは、3ドル、5ドル程度が多い。クーラーがなかったり、温水が出なかったりするが、特に問題はない。地方に出た時にはこの程度の宿を良く使う。

 ツクツクの料金はどの程度か知らないが、シェムリアップで使った時には、モトとさほど変わらない値段であった。でも、外国人だと直ぐに吹っかけて来るから、いくらぐらい要求しているか分からない。先日も、モトで2000リエルあれば十分なところを、2ドル(約4倍)と言ってきたので、使わないことにして断ると、結局2000リエルでOKした。これでもカンボジア人に比べると、十分な料金を払っていると思う。料金体系がないから、交渉次第のところもあるけれども、だいたいの目安はある。モトの様に、流しでほとんど二度と顔を合わせない商売と、プサー(市場)など店を出している場合とは、吹っかけ方が違う。外国人の観光客だと思うと吹っかけて来る商売人もいるが、正直ベースで値段を言うおばさんもいる。この様な時には、値切らない様にしているし、2度目以降には顔を覚えていて、おまけが付いたりする。何回も行く店は、果物などの商品も良い物をきちんと選んでくれる。やはり商売をするには信頼が大事だろう。

 ツクツクは、モトよりも安全に3-4人が乗れるので、結構人気が出てきている。シクロよりは早いし、遠くまで行くことができる。トランクの様な荷物を積んで、空港まで3人ぐらいで行くには、最適。タクシーより時間は少し余分にかかる。しかし半額ぐらいであるし、町の景色もゆっくり見られる。何よりもあちこちのホテルの前に溜まり場があるので、つかまえやすい。

 ツクツクには、オートバイの後ろにリヤカーを引かせただけの物と、オートバイの後部を切断して、リヤカーを溶接した3輪車状態の物とがある。オートバイを切断して、リヤカーの車軸に歯車を付け、オートバイからテェエンで繋いである。なかなかな技術で作り上げる。実際の物に向かうとこれだけの技術がありながら、まだ自転車を生産する工場を作る技術には至っていない。教育のレベルが低いことに問題があって、基礎的理解がないから、技術を系統的に整理し、組み立てることができない。ここがカンボジアの教育の問題点である。
 多くの政府要人が、技術立国、工業化を目指して、先進国の様になることを目指しているが、この様な教育における問題点の現実は理解できていない。教育の何処にどの様な問題があって、技術を理解できないのかが分かる人がいない。隣国のベトナムのレベルに追いつくには20~30年かかり、追いついた時には既に相手は更に先に進んでいることが、理解できない。タイは更に進んでいるから、競争にはならない。対症療法の能力は高いから、能力が低いわけではない。理解できない勉強を詰め込み、使えないところに問題があるのだが!
 大学や高校の先生が、秤が使えなかったり、物差しが使えなかったり、グラフが書けないまま、教育が継続されているところに問題があるのだ。根は深い。

 だからこそ、手助けを必要とされているのだが、先は遠い!


 今日カンボジアを発ち明日の朝には、日本に帰ります。IT技術に乗り遅れている私は、多分インターネットの接続に手間取り2-3日休業します。またお会いしましょう。
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