結婚式 4 新しい方式・結婚式場の場合

カンボジアから   金森正臣(2006.01.8.)

結婚式 4 新しい方式・結婚式場の場合

写真:大きな結婚式場で行われた結婚式。新郎新婦がこれからケーキにナイフを入れ、2人の両親に感謝を込めて、振る舞う。実際にフォークで皿から両親の口まで運ぶ。またケーキの前にあるシャンペンを開けて、両親にグラスで渡す。後ろでマイクを握っているのは、雇われた司会専門の人。その横には生バンドの奏者が並んでいる。

 最近のプノンペンには、大きな結婚式場が幾つもある。この結婚式場もビルが7つもあり、それぞれに2-3の会場がある。広い駐車場があり、結婚式がない時にはイベント広場などに使われている。道路を封鎖して自宅で行う結婚式とは異なった様式の出現である。数年前から始まったらしい。最初はホテルなどが使われていたが、現在ではこの様な結婚専門の式場の方が多くなりつつある。
 この結婚式では、600人もの招待客が参加していた様だ。でもテーブル毎に揃った順から宴会を始めるから、全員が一時に出入りしない。混雑はかなり避けられる。写真のセレモニーの場面でも、既に食べ終わって出て行く人もいるし、入ってくる人もいる状態である。この辺の全員が揃わずそれぞれ勝手にするあたりが、クメール文化の特徴か。

 それぞれの会場には、司会者や生バンドが控えていて、全てはスムーズに、スマートに行われる。結婚家庭側からするとお金さえあれば、労力的にはずいぶんと楽になる。また招待された方も、会場に2-3時間行くだけで簡単に済ますことが出来る。朝出かけてまた夕方でかける様なことはない。

 この様な結婚式場では、まだお坊さんに会ったことはない。多分呼ぶことが出来るのであろうが、その様な人は少ないのであろう。町中で道路を封鎖してする結婚式では、家の中にお坊さんが数人座っているのを見かける。また地方の家で行われる結婚式でも、式には必ずお坊さんが呼ばれて、最初に御経や訓話がある。宴会になる前にお坊さんは退席するが、かなり雰囲気が異なる。

 日本でも結婚式の様式はかなり色々ある。神前、仏前、人前などで誓詞を読むなどなど。神や仏に誓っても、何も見えないので何の意味があろうかとも思うが、それはそれなりに深い意味があり、どことなく見られている様に感じるのは、古いのであろうか。
 また宴会の方式も、結婚式専門の司会者や友人がする場合など。あまりスムーズでなくとも、新郎新婦を知る友人がする場合の方が、何となく暖かみを感じるのは私だけであろうか。

 あまりにも効率よくスムーズに整えるのは、どうも私の体質には合わない様だ。
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