インドのバンガロール・デりー、そしてドバイへのマーケッティング・ツアーの意義

2011-10-14 19:07:40 | Weblog
インドのバンガロールとデリー
そして、ドバイへのマーケッティング・ツアーの意義

皆様のご清栄をお慶び致します。
さて、東日本大震災・原発事故以降、日本企業の約半分ともいわれる多くの企業が、M&Aを通じ、あるいは支店・工場進出の方法で、時にはパナソニックのように本店機能の重要部分の移転という大胆・劇的な手法をもって、東南アジアを主体にしつつ南米アメリカ・ブラジルやアフリカ諸国に事業拠点を設ける時代になりました。
この理由は次のように様々ですが、それぞれが重い意味合いを持っていて、もはや国内にとどまっていては、将来への成長期待や展望を持てないといった閉塞感の裏返しでしょう。
例えば、東日本大震災・原発事故以降において際立ち始めた電力不足や円高減少、そして従前からの少子高齢化による国内需要の減少傾向、法人所得税などの税負担の重さ、産業に対する諸種の規制の厳しさと規制緩和ペースの遅さ、医療業界における保守的島国体質への批判・・・
そこで、例えば、メディカルツーリズムの業界においては、一方的に国外からの訪日客を求めるばかりではなく、国内から脱出して海外の病院・医療を利用するタイプのメディカルツーリズムにも目を向けるべきでしょう。そういった真の国際交流を意味する「双方向型のメディカルツーリズム」を研究するべきでしょう。
下記の≪資料≫は、益々我が国の国民が利用し始めているタイランドへのメディカルツーリズムの一例です。そこでは、国内の厳格な倫理的観念からの診療規制などはほとんど意味がなく、国外で自由に行える便利さから、ますます国外の医療利用が盛んになっていくでしょう。
そういった観点から見れば、学習塾業界においても全く同様で、国内のますます減少する子供市場で生徒獲得を競い合ってお互いに傷つけ合うばかりではなく、国外の在留邦人家族向け市場は、全くと言っていいほどに手つかずの状態のままになっています。
例えば、インドのIT技術の牙城であると同時に、公園都市ともいわれる美しい街で、インド最高レベル大学が林立しているバンガロールや首都圏のデリー、あるいは先端医療地域建設が着々と進行しているUAEのドバイや、大規模な都市建設が進んでいるカタールのドーハなどには、日本から多数の企業が進出しており、在留日本人数も日本の学習塾が進出するに適したレベルに達していると言われています。
しかも、これらの地域では、日本人親の最大の悩みは、子供向けの民間教育機関=学習塾やおけいこ事塾がないことであると言われています。そこで、こういった状況をつぶさに見、新しいビジネスへと具体的に発展させる決断が一日も早く望まれます。

平成23年10月14日 金曜日
東京通訳アカデミー・理事長・岡村寛三郎
一般社団法人 日本教育者セミナー 理事長
≪資料(1)≫
男女産み分け目指しタイへ 日本人急増、年に約30組 男女の産み分け方法

 子どもを望む日本人夫婦がタイに渡り、受精卵の染色体を調べて、男女産み分けをするケースが増えている。朝日新聞の取材で、この1年間で少なくとも30組の夫婦が利用していたことが分かった。受精卵の診断は「命の選別につながる」として、日本では重い遺伝病などに限られており、倫理的な課題が多い。
 受精卵診断はもともと遺伝病の有無を調べるために行う。体外受精卵が4~8個の細胞に分裂した段階で、1~2個の細胞を取って、遺伝子や染色体の異常がないか調べて、子宮に戻す。遺伝病だけでなく、性別も判定できるため、男女の産み分けにも使える。
 タイでは近年、医療技術が向上し、海外の患者にも人気の医療先進国になりつつある。受精卵診断も約15の医療機関が実施している。朝日新聞が、日本人が多く行く2施設に取材したところ、2~3年前から日本人が増え、この1年で計約30組が男女産み分けで受精卵診断を受けたと回答した。診断には体外受精が必要なため、不妊でない夫婦でも体外受精をしている。不妊夫婦が卵子提供を受け、男女の産み分けをする例もあるという。

≪関連リンク≫
三つ子の比率、40年前の6倍に 体外受精の普及などで(3/3)
インド・タイで代理出産、日本人不妊夫婦が急増(2/19)
卵子ビジネス、米で浸透 特定の提供者に高額謝礼も(10/12/6)

しし
2007年の記事。医療法の改正などで医療観光環境状況は変わったが、
参考するにいい内容であると思って載せてみました。

ドバイ ヘルスケア シティー鳥瞰図。
ドバイは、医療分野のハブ国になるために世界の有名な大学の医療機関や製薬会社と手を取り合って
医療シティを建設している。


ドバイのハブ(Hub •中心部)の戦略の1つは、医療分野。ドバイは現在、シンガポールの事例をモデルにして、"ヘルスケア シティ"を建設中だ。ところが、韓国とドバイの医療戦略の最
も大きな違いは、営利法人の設立の可否だ。
国内の医療法の病院の設立条件をみると、"すべての病医院は、非営利法人として設立することを原則とする"と規定している。つまり、利益追求を目的とする病院の設立を制限しており、すべての医療数価は、国家の統制下にある。
同じ病気に対して同じ方式の診療を受けると、小型の医院であれ大規模な大学病院であれ医療保険で定められた一定の金額だけを払ってもらうように明文化されている。こんな方式では決して高級の医療サービスを受けることができない。この問題に対する解決策をドバイで調べた。
ドバイが意欲的に推進しているドバイ ヘルスケア シティーは、ドバイの経済自由区域内にある500エーカーの敷地に建設されている。この地域にはホテルやハーバードメディカルスクール ドバイ センター、世界超一流の病院との評価を受けるメイヨークリニック、アメリカンアカデミー美容整形病院などの医療施設をはじめ、アストリッドラジェンカ、ジョンソンアンドジョンソン、ノボノディマスクのような世界的な製薬会社の研究所が設立される予定である。また、この地域の医療相談(諮問)のため世界的な医療の名門大学であるジョンズホプキンス大学が進出している。
この地域に建てられるすべての建物の形態や設立の計画は、ドバイ ヘルスケア シティー委員会の承認によって決定される。進出を希望する機関の評判や将来のビジョンからみると医療界では最高だと確信している機関と施設を集めた所がドバイ ヘルスケア シテイーである。
世界最初・最高・最大の医療複合施設
ドバイは、自国の医療機関や教育環境が劣悪であり、外国の医療機関に依存するしかない。これに対する打開策と高級診療の連携のためのドバイが出したのが、"ドバイ ヘルスケア シティー プロジェクト"だ。
今ドバイが推進されているパームジュメイラ(人工島のプロジェクトの1つ )をはじめ、高級ビラ村の入居、ビジネスベイの多国籍企業と銀行の入居、以後ドバイランドが完成すれば大規模の医療ニーズが発生するという計算の下に徹底にドバイ方式の"世界最初•最高•最大"の医療複合施設の建設計画が誕生したのである。
ドバイ ヘルスケア シティーの計画は、3つの軸に分けられる。
1つ目は、スポーツ医学およびリゾートスパ、そして栄養とダイエットを軸とする健康コンセプトのウェルネスクラスタだ。
ウェルネスクラスターは、世界保健機構が推進中の健康教育を発展させ、予防とチェックアウトを超え、"医学的に設計された休息"の概念が含まれている。
2つ目は、診断から治療まで繋がるメディカルクラスタだ。これは、伝統的な医療概念として、最高の医療を提供するために、世界最高の医療機関として認められているハーバード大学、メイヨー、ジョンズホプキンスを呼びいれ、診療とアドバイスをしている。
3つ目は、上記の2つを支持しているヘルス サポートである。つまり、ホテルを設立し、患者と保護者に快適さを提供し、遠隔診療を通じて世界中の各分野の権威者に診療を提供、遠隔手術機械を導入して最高権威者の手術を行う技術サポートをしている。
ドバイは、このような医療システムを支えるために営利法人の設立を可能にし、発生した利益は、制限なしで海外送金ができるようにした。また、外国人医師の免許証を簡単な手順を適用して許可することで、最高の医療スタッフがドバイに集まられる環境を作った。
これに加えて、"インターナショナル リファラル システム"(専門知識が不足し、時間がない消費者たちのために商品やサービスを客観的に分析し、推薦するシステム )を構築し、世界中の有名な病院に患者を依頼したり、海外からの治療と診療を委託したりする環境を造成した。
ドバイは5時間以内の飛行距離にヨーロッパの主要都市とアフリカとアジアの一部の国がある地理的優位性と、ドバイの観光インフラを将来に進出する医療施設と連携して中東、進んでは世界最高の医療ハブとして成長させる戦略を推進している。

シンガポールの医療ハブ戦略のベンチマーク
ドバイヘ ルスケア シティー プロジェクトは、現在は始まったばかりだが、今年のハーバードメディカルスクールのドバイセンターが完工されるという点と、今までドバイが見せてくれた推進力を勘案すれば理想が現実化する日が間近に迫ったとみられる。
ドバイよりも先に、"アジアの医療ハブ"として位置を占めているシンガポールとドバイを比べてみよう。
ドバイは、1990年末にシャム双生児の分離に成功し、アジアの医療ハブとして浮上したシンガポールと同様の戦略を推進している。すなわち、"最高"というブランドイメージを植え、ホテルと連携したワンストップ診療を提供、ジョーンズホプキンスナデュークのような有名な医科大学分校が進出している。ここではシャム双生児の手術で有名なラッフルズ病院が競争と牽制でよりよい医療サービスを提供している。
ドバイやシンガポールが進めている医療システムの問題のひとつは、"疎外階層の医療はどうするのか"という点だ。
シンガポールの医療は、高級医療と一般医療を徹底的に分離している。政府は、韓国の医療保険の性格を持つ"メディセーブ"という制度を使って75%の保健業務を担当し、残りの25%の高級医療は、営利団体に任せている。
すなわち、政府は公共の医療については、がん治療までを完全に保証するが高級医療については、営利団体に任せて、"社会安全網"と"医療の発展"をとるのに成功した。
これが今のアジアの医療ハブを可能にする原動力である。
韓国の医療市場は、非営利団体であるため、ほとんどの国公立大学病院は、慢性的な赤字に苦しめられている。割合にサービスが良いサムスン医療院やアサン病院などは駐車場と葬儀場の利益で赤字を補填している状況であるので、莫大な設備投資や高級人材の確保が要求される高級医療サービスはとんでもないことだ。
韓国の医療市場がアジアのハブになるためには、何よりも商業法人の設立が必要である。
今の市場構造では、ドバイの推進している医療シティのようなプロジェクトはできない。したがって、まずは、シンガポールのように国立病院は、現在のように非営利の形で保持し、社会安全網の役割を担って、残りの部分では、営利法人の設立を許可制ではなく、申告制にして競争を誘導しなければならない。
そして、外資系の病院は、収益の自由な海外送金を保証し、韩美FTAで韩美医師間の相互診療ができるようにして、外国人医師の韓国人の診療門戸を開放しなければならない。




● 不況のなかでも病院の建設などの医療プロジェクト(約1000億円)を進めているドバイ

(2010年4月20日掲載)

 ドバイではこの不況下にも拘らず、36億7,000万Dh(約1,000億円)をかけた政府の医療プロジェクトが進行中である。ドバイ保健局(DHA)はハッタ病院、アル・サファ高齢者リハビリテーション・センター、アル・マクトゥーム救急医療センター、アル・ジラル子供病院、その他クリニックの建設を進めている。ハッタ病院は2010年上半期内に完成する予定である。

ハッタ病院
 病床数93床。医師、看護士、医療技師、事務管理部門の職員400名を収容する宿舎も建設する。本院には救急治療センター、X線ユニット、口腔外科、外来クリニック、薬局、集中治療室、新生児病棟、小児科が設けられる。

アル・ファファの高齢者のリハビリテーション・センター
 2010年末に完成予定である。総床面積7,000平方メートル。理学療法施設、フィットネス施設、礼拝室、娯楽室が設けられる。

アル・マクトゥーム病院
 2012年に完成予定。総床面積94万5,000平方フィート、病床300を持つ。外科、事故救急治療センターを設ける。放射線科には最新鋭の設備を備える。また子供のための集中治療ユニット(ICU)、手術室、救命救急診療室、デイケア部門、薬剤部、研究室、ヘリポート、呼吸器科、礼拝室も設けられる。

アル・ジラル子供病院
 2011年末に完成予定。病床数200床。本院にはテラスと庭が設けられる。国内で進めている唯一の小児科専門病院である。新生児から14歳まで、場合によっては16歳までの子供の治療を行う。病院は4階建。未熟児ICU、透析ユニット、循環器センター、冠疾患集中治療センター(CICU)、小児集中治療室(PICU)、カテーテル検査室、手術室、腫瘍科、腎臓内科、緊急手術室4つ、両親用の宿泊施設などが設けられる。本院では事故を除く緊急小児治療も行う。

 ドバイ保健局は、これらのプロジェクトによって、今後2年間にドバイの病床数が650床増加、民間部門については500床増加する計画である。ドバイでは民間部門が病院の57%、外来診療施設の54%を運営している。ドバイ保健局のカディ・サイード・アル・マルーシッド局長は、「これらのプロジェクトは計画前倒しで進んでいる」「将来の首長国の医療需要に見合うだろう」と自信を持っている。

 しかし、量的な拡充を進める一方で、ドバイの医療サービスは根本的な問題を抱えている。国内の人材不足、つまり国内で人材の養成が追いつかないことである。ハーバード・メディカル・スクールのような医療教育機関の誘致には成功しているのだが、国内にはまだ専門家が育っていない。理由は、ドバイが、歴史的に西ヨーロッパ、最近増加傾向にあるインド、フィリピンなどの海外から医療スタッフをリクルートしてきているためである。
(4月16日、記)
<関連情報>

●湾岸地域では心疾患の罹患率、死亡率が男性より女性が高いことが判明した調査結果【2010/3/9】

●保健部門での協力を強化するドバイ首長国とドイツのハンブルグ市【2010/2/26】

●進出企業に従業員の医療保険付保を義務化したドバイのジュベル・アリ・フリーゾーン【2009/12/11】

●新たに中東地域におけるバイオ・メディカル研究のハブを目指すカタール【2009/12/11】

●民間病院のベッド数の不足が深刻な問題となっているアラブ首長国連邦(UAE)【2009/8/28】

(中東問題研究家 江添 久義<えそい ひさよし>)



ドーハに建設中の世界最大規模の空港で、2010年から順次オープンしていき最終完成は2015年を予定。
90億ドルをかけて建設中のこの新空港は、最大収容力5,000万人、80のエアクラフト搭乗ゲートを持ち、ヨーロッパとアジアを結ぶハブ空港としての役割を担うと期待されている。
空港全体がほとんど海の上に位置しているため外観は波をイメージしている。空港内にはフリートレードゾーン、ビジネススペースそして二つのホテルが併設されるなど完成が待たれている。日本企業も多数参加しており大成建設や竹中工務店をはじめ多くの日本人スタッフが建設に携わっている。


新ドーハ国際空港 建設計画プロジェクトの特設サイト(英語)
http://www.ndiaproject.com/
大成建設株式会社
http://www.taisei.co.jp/
株式会社 竹中工務店 - 「カタールの新ドーハ国際空港 王族用ターミナル新築工事を受注」
http://www.takenaka.co.jp/news/pr0605/m0605_02.html


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