中学進学を控えた親子の皆様方へ、中高6年一貫教育の利点と最終目標

2012-11-10 07:49:44 | Weblog
保護者の皆様方へ

我が子の青春時代でのより良い選択
中高6年一貫教育が目指すもの
=大学進学で成功するための生活環境の安定性と整備

皆様のご清栄をお慶び致します。
さて、親に依存するばかりの子供時代を経て、自我が形成され始め自主独立の兆しを次第に明確化する青春時代=中学・高校時代は、理想の自我とか人間像とは何かを探し求めてさまよい、苦しむ時期でもあります。
未だ知識や思考力も不十分のみならず、社会での経験も少ないために、理想の自我・人間像を描ききれない、つかみきれない年代であるにもかかわらず、それを求めてさまよい歩く試行錯誤の時代です。
そのようなときには、できる限り、生活・学習環境や条件、生活スタイル・人生観などの基本的な枠組みを変更しないで、同じ条件や人生観を継続しつつ生きて行くことの方が無難なのです。
中学生から高校生に成長するときに、生活・学習環境や人生観などの基本的な枠組みを変えたい気持ちが強く起こりがちですが、中学生3年間の内で慣れ親しみ、それなりに上手く対応できた生活・学習環境は、本人や親には気づかれなくとも、極めて貴重な人生の土台を形成しているのであって、これを高校生になるのを機会に大幅に転換していく選択は、意外にも失敗に終わりやすいのです。
なぜなら、中学生時代で慣れ親しみ、かつ成功してきた生活環境や学習条件は、その環境や人生観が共に正しかったことを意味するのであって、単に高校に進学するというだけの時期や機会において変更するのは、かえって極めて危険なのです。
僅かに中学3年間を経ただけの生活・学習環境や人生観・考え方は、その延長線上でまだまだ改善や発展させることができる発展途上の「土台」であり、3年終了時でそれを壊して変更することは極めて危険なのです。
なぜなら、高校入学後の基礎的条件の変更は、それが一見すれば成長の過程であるように思われても、その新しい生き方や環境に慣れて成果を上げていくには、高校3年間は短すぎるからなのです。
せいぜい県単位や市単位の狭い地域内での争いでしかなかった中学時代の競争とは異なり、高校生時代には、一挙に何十倍もの大きさに土俵を広げて、数十万人という全国の同級生や浪人生相手の熾烈な大学進学競争が待っているのです。
そのため、高校時代の時間は、一瞬一瞬といえども極めて貴重であり、高校進学をきっかけにして大きく変更した新しい生活・学習環境や人生観に慣れて、それらを使いこなすようになるための助走の時間枠を取っている余裕などは全くないのです。
高校3年間は、中学3年間で使い慣れ、ある程度成功してきた生活・学習環境や人生観を土台にして、(それらを多少は改善・効率化する必要はあっても)とにかく猛烈に勉学に打ち込むべき3年間なのです。
全国の数十万人という巨大な単位の競争者を相手とし、しかも学習内容のレベルの高さや分量の多さなどは、それらの相乗効果を考慮すれば、一挙に数十倍にまでも増大するのであって、中学時代に抱えていた荷物の重さとは全く比較できない(過激なまでの)重さになります。
こうした高校時代に起こるべき大きな特徴や変化を、多くの中学生や時には保護者すらも気づいていないことが多いのです。
とりわけ、それなりに厳しかった中学生時代の競争を勝ち抜いて地域のトップ[エリート]高校に入学した場合、それだけで親子ともどもが大いに満足であり、往々にして、保護者も我が子はもはや人生の競争での勝利者になったかのように勘違いして、後はもう学校に任せておけば悠々と一流大学に進学できるという錯覚に陥りがちなのです。
しかし、実はその後の高校生時代こそが、入学した高校にすべてを安心して任せてはおけない、長い人生でも最も厳しい大学進学競争に突入するという過酷な現実に気づいていないことが多いのです。気づいていても、入学後において勝利感・成功感に浸って暫くでものんびり過ごしていたことがスタート遅れの重大な原因となり、その後の学力維持や向上面での致命傷となりがちなのです。
毎年数百名もの中学生・高校生・大学受験生を同時に見つめてきている私ども学校関係者は、そういった地域の一流高校に進学後の悲劇を(毎年)数限りなく見てきているのです。
高校での学習量や課題の質の飛躍的上昇は、高校で習得するべき英単語の語数やその抽象的難解さで例えれば分かりやすいかもしれません。
即ち、中学時代では、せいぜい(公立中学なら)1000語足らず、ないしは(私立中学でも)1500語程度を習うのみですが、高校時代では、大学受験時期の早期化と相まって、中学時代よりも短い僅かな2年間半ほどで、難関大学受験用に、綴り字(スペル数)も多い上に、往々にして抽象的・観念的な意味でしかなく、視覚や触覚などで具体的に捉えることが難しく、極めて覚えづらい単語を、新たに少なくとも5000語余りも習得することが必要なのです。
つまり、高校時代の3年間は、そういった急激に増大する課題量や競争激化の精神的重荷に対してしっかりと対処することに全力を注がなければならない時代であり、生活・学習環境や人生観を変更するような思いや作業などに捕らわれて無駄に過ごして構わないような余分な時間的・精神的「暇=余裕枠」などは全くあり得ないのです。
以上の理由と事情こそが、「中高6年間一貫教育体制」が目指す「途中での高校受験での成功ではなく、最終目的の大学受験で成功するための秘訣」そのものなのです。

ちなみに、人生はマラソン競争に良く例えられますが、大学受験時期の6年間をマラソン競争(42.195㎞)に例えましょう。実際のマラソン競争では、30キロメートルを過ぎてからが、本当に苦しくなる「心臓破りの丘」だそうです。

大学受験に向けての中高6年間なら、4~5年目の高校1~2年生に当たります。
そこで、この時期こそがいかに大切かが良く分かるでしょう。
私たち、中高6年一貫教育学校では、その大事な時期に生活・学習環境や人生観の大きな変更をして、その新しさに慣れていくのに費やすことになる無駄な時間とエネルギーなどは瞬時もあるべきではないと考えているのです。
皆さまの一人でも多くが、朝日塾中等教育学校[6年生]に入学されて、しっかりした
教育体制の下で、学業形成の最終目的である大学入試においてこそ、不朽の栄冠を勝ち取っていただけますようにとお祈りいたします。

平成24年11月10日 土曜日
朝日塾中等教育学校 校長代理 岡村寛三郎