国境なき患者獲得戦の開始、シンガポール病院が日本に進出!

2011-01-21 11:13:48 | Weblog
正に、「医療の開国」を迫る黒船がシンガポールから到来!

「医療観光」シンガポールの大手企業、大阪の梅田北ヤードに進出(読売新聞1月20日)

海外から患者を呼び込むメディカルツーリズムで大きく先行するシンガポールの医療大手ラッフルズ・メディカル・グループ(RMG)が、JR大阪駅北側の梅田北ヤードに進出する。
RMGが進出するのは、最先端の国際的な研究開発拠点やオフィスなどが整備される先行開発区域で1000平方メートル規模のクリニック(無床診療所)を開設する。
外国語が堪能な日本人医師らが常駐し、外国人駐在員やその家族、海外からの観光客らを診察する。
中国やロシアなどの富裕層を日本の最先端の検査機器で検診し、それぞれの母国にあるRMGの提携病院が、シンガポールの病院で治療する旅行も企画する。将来は、外国人医師による診療ができるように規制緩和を日本政府に働きかけ、総合病院を整備したい考えだ。
RMGは、1976年設立で、2009年度の売り上げは、約140億円。シンガポールで約70カ所の診療所や病院を展開し、香港や上海にも総合病院を開設している。
シンガポールでの患者数は100万人を超え、その3分の1は100カ国以上の外国人で、大勢の駐在員や家族による利用のほか、医療目的での旅行客も増えているという。
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上記の記事が我々に教えていることは、もはや、日本も遂に「国境無き医療の時代」と言う世界的な大潮流に「否が応」でも巻き込まれてきたと言う事実です。
つとに、フランスの「国境無き医師団」の活躍は有名ですが、これに端を発した大きな世界的なうねりが、世界の東の果てで、かたくなに鎖国的医療を守ってきた我が国にも押し寄せてきたということでしょう。
シンガポールの病院グループの勇敢な日本進出の動きは、もちろん、メディカルツーリズム隆盛の最近の世界情勢を踏まえてのことでしょうが、我が国自体における国際化への動きの象徴でもある亀田総合病院・クリニックのJCI認定取得や医療滞在ビザ発給における政府の前向きな動きをも視野に入れての総合的な判断に基づくものでしょう。
そこで、シンガポールの病院の出先機関の日本進出は、中国人やロシア人などを主なターゲットにして、日本へのメディカルツーリズムを促進すると同時に、日本人患者のシンガポールへの流出をも促進する動きの大きな発端となるでしょう。
国内の病院の多くは、少子高齢化・人口減少による患者数の減少を、外国人患者の獲得で補いたいと望んで、医療の国際化への動きを加速していますが、シンガポール病院の日本への進出は、結果的には、その少なくなっていく国内患者(数)を外国へと奪っていき、更に減少を加速させるという大きな影響を与えかねないないでしょう。
正に、患者獲得への国境無き戦いの火ぶたが切って落とされたと言うべきでしょう。
ここに至れば、もはや我が国医療の防衛と発展の機会は、徳州会グループや北原脳神経外科などの動きに触発されての経産省の新たな方針が示す通り、病院・治療サービス全部丸ごとを国外に輸出するという大胆な企画の推進にしかないでしょう。
もはや、「医療の国際化は是か非か」などいう次元の議論を遙かに超えて、日本の医療が如何に国際的進出を果たすか、世界の人たちの健康と幸福の増進に貢献するかと言う高次元の議論と実践の段階へと移行するべき時に来ています。

医療の国際化が当然のこととして認識され、実行段階にある諸外国の医療関係者が望んでいることは、もはや医療は直接的な医療従事者と患者のためだけにあるのみならず、医療周辺の関連企業や労働者・職種をも広く巻き込んでの総合的な社会分野・産業分野としての発展に他ならないでしょう。
そこに、医療が、観光分野その他の温泉・リゾート分野などをも広く巻き込んで、総合的一体的な社会的・経済的発展を望み・図ることの必要性や合理性も根拠づけられるでしょう。

平成23年1月21日 金曜日
東京通訳アカデミー・学院長・岡村寛三郎
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