姫路市大野川の下水道汚染問題:市民の視点

2007-07-29 09:59:46 | Weblog
姫路市の下水道による大野川汚染の問題
どの様な視点から考えるべきか?

平成19年7月29日 日曜日
大野川を守る会・岡村寛三郎

大野川の新たな河川汚染原因とその対策に、日頃から悩み苦しみ続けている市民や住民達は、8月3日〔金〕、午後1時過ぎから、八代本町の山陰橋袂の下水排水口付近などの拠点で、市役所の下水道課の職員の説明を聞くであろう。
そもそも、姫路市が、下水道施設を設置し始めた20年~30年前、多少の余分な雨が降れば、家庭からの汚物排水と合流した下水を、市内の多数の地点で付近の河川に直接排水するという発想をしたその理由と、その後の対応策を聞くであろう。
予想される理由の第一として、いかなる雨量にも対処した大き目の下水管を設置することが、費用的にも合わないと考えた末であると説明されよう。
しかし、費用的に合うか合わないかの計算は、役所の都合で考えたことであって、それならば、当初から、その旨を住民に明らかにして、この程度の予算なら、この程度のことしか出来ませんが、よろしいね・・・と住民の同意を得て置けばよかった。
そういう説明をしていないから、市民の大半は、市が設置する下水道設備は、完全なものかと思ってきた。だから、市民は、設置の際の高額の協力金を始め、後々の多額の下水道料金も真面目に支払い続けてきたのだ。
したがって、市民から見れば、市が、雨天の際の処理能力を超えた下水を、トイレットからの生の汚物も含んだままで、河川に直接放流し続けてきた事実は、下水施設の能力と衛生環境の維持・向上とを信じて協力を惜しまなかった住民たちへの完全な裏切りである。

それに、当時の予算規模や技術的能力では、十分な処理能力を備えた下水施設が出来ないのであれば、プロジェクトや工事を始める必要が無かった。
例えば、予算的に、技術的に、十分な安全を見込めない、様々な危険性をはらんだ新幹線で、いつか大事故を招く可能性があるなら、そんな中途半端な計画の実施は、利用者の誰もが望まないし、実施するべきでも決してない。
下水道施設にしても同様で、設置した施設の能力不足で、多少の雨の場合は、その雨と合流して、生の汚物や大腸菌類など、衛生上の大きな危険をもたらす可能性のある汚水が、そのまま河川に大量に放流されるなら、衛生状態などの改善を目的にした下水道設置の本来の目標自体を達成できないのであるから、十分な予算や技術の確立ができるまで、プロジェクトの開始を待つべきだったのだ。
拙速を避けるべきであったのだ。

にもかかわらず、施設の設置と供用を開始してしまったのなら、次は、市税や下水道料金の使途の最善策を講じるべきであったのだ。
設置した下水道施設が、現実に、多少の雨のたびごとに大腸菌類や強烈な臭気などを河川やその付近の住宅街に放流・放散していることが確認された以降は、その改善対策に全力を注ぐべきであったのだ。
なぜなら、下水道料金の絶えざる徴収は、当然のことながら、「その対価に見合うサービスを住民や料金の支払い者向けに行います」という意味を含んでいるわけだから。
にもかかわらず、施設のそういう欠点をカバーする対策に最善の努力をするでもなく、河川に流れ出る汚物の、著しい見た目の悪さや、臭気、劣悪な非衛生状態に真剣に向き合うことなく、被害を受けている近隣住民の度重なる苦情申し出を、気の遠くなるような長年月に亘って無視し続け、更に、今後も10年余を持って辛抱させ続けようという市役所の姿勢は、市民に対する圧制・暴虐のそしりを受けてもやむを得ないであろう。

しかも、下水道の改善を進められないことについて、予算不足が理由にならないことは、市が様々な分野で租税の無駄遣いをしていることからも明らかである。
例えば、市は、➊毎年の5月に、4000万円を超えるといわれるような租税を使って、全く無益な「ザ・祭り」などを姫路城前で催し、多くの市民の顰蹙(ひんしゅく)を買っているし、➋駅前地区の土地を、再開発を理由に、80億円にも上るかといわれる巨額の資金で購入して、不要不急の事業を手がけているとも聞いている。

技術的な問題についても、市役所は、汚水を河川に直接放流することを無くすような抜本的解決策など無いのだと言い続けて、被害住民達への配慮を全く欠いている様子だが、小さな大野川の如き河川の底を潜り抜ける管を設置することが不可能などという説明は、全く住民を馬鹿にしたものである。
なぜなら、本州と北海道をつなぐ津軽海峡・青函トンネルや、英国と欧州大陸をつなぐ海底トンネルでさえ、もうずっと以前に出来ている時代なのだから。

以上、いずれにしても、住民・市民を裏切って、トイレットの汚物を、生のままで近隣の河川に大量に流し続けて、排水口付近の住民と下流域の市民達を、極めて嫌な臭気や劣悪な衛生状態に陥れている暴挙を、即刻、中止するようにと姫路市役所に強く申し出るものである。

住民大会
8月3日(金)午後1時
➊八代本町・山陰橋袂に集合
➋午後1時半より、岡村ゼミナール城北校〔北八代1-7-2〕にて集会
       (「八代公民館」より移動)