写真:「オリーブオイルをひとまわし」より転載
にんにくの特徴は、特有の微量栄養素といわれる整理活性物質
栄養成分としては、たんぱく質、糖質、ビタミンB₁・B₂ 、ナイアシン、カルシウム、リン、鉄、カリウムなどを含み、一般の野菜と大差ありません。
しかし、にんにくの特徴は、これらの栄養成分にあるのではなく、特有の微量栄養素といわれる整理活性物質にあります。
にんにくからつくられるアリチアミン働きにより、疲労回復効果、脳の活性化が持続する
にんにくを切ると独特の臭気がします。これは、にんにくの成分であるアリインが、やはりにんにくの中に含まれるアリイナーゼという酵素の
作用で分解され、アリシンという物質ができ、これが臭気を発します。このアリシンは抗菌性物質です。
アリシンはビタミンB₁と結合すると、アリチアミンとなり、B₁と同じ作用を持ちながら、B₁の分解酵素にふれても分解されにくく、
長時間、体内のとどまり、ビタミンB₁と同じ働きをします。
ビタミンB₁の主作用は、炭水化物が分解してグルコース(代表的単糖類、エナルギー源)になるのを助ける働きをします。
脳はグルコースを唯一のエナルギー源にしていますから、ビタミンB₁の働きがにぶると、気分がふさぎ、イライラし、集中力がなくなります。
B₁のもう一つの主要な働きは、筋肉のエナルギー源であるグルコースの生産にもかかわっていることです。
不足すると、だるさ、疲れなど、全身的な体調不良が起きてきます。
にんにくからつくられるアリチアミンは、このような働きが長時間にわたって持続します。
それによって疲労回復効果、脳の活性化が見られるようになります。
にんにくには、もう一つの主要成分があります。それは、スコルジニンという成分です。
これには疲労回復効果、心臓の働きを活発にする作用、精子の増殖を促す作用などがあり、にんにくが強精、強壮食品といわれるゆえんです。
〔注〕 『クスリになる食べもの百科』(主婦の友社・刊)より引用しました