写真:「語源由来辞典」より転載
日本で食用として用いられるようになったのは、120年ほど前から
トマトは、南米ペルーが原産。16世紀にイタリアに伝わり、ヨーロッパに広がりました。
日本では1708年当時に伝わり、果実を鑑賞する目的だったようです。
食用として用いられるようになったのは、まだ120年ほど前からです。
中国では蕃果 ( バンカ ) といい、この70年間にようやく栽培されるようになったようです。
果実と野菜の中間的な特徴をもち、赤く熟するものと黄色く熟するものとがあります。
成分の多くは炭水化物で、食物繊維のペクチンも多く含んでいます。
甘みは、3%の還元糖です。
酸味は、5%のクエン酸で、ほかに酒石酸、リンゴ酸、コハク酸などの有機酸を少量含んでいます。
トマトの色は、カロチンによるもので、黄色く熟したものの方が含有量が多いといわれています。
イタリア、スペインでは、料理にトマトをたくさん用います。トマトの酸味が胃液分泌を促して食欲を増進させ、
たんぱく質の消化を高める一方、肉類の味を引き出してうまみをつくるので、お互いの持ち味を上手に生かした調理といえます。
トマトジュースは、1本飲めば1日のビタミンC 所要量の約2/3を満たしてる
ビタミン類では、Aが100g中220 IU、Cが20mgと多く、Cは熟す前から相当量含まれており、
貯蔵しても減ることが少なく、安定しています。
リン、鉄、カリウムなどのミネラル類もありますが、ほかの野菜に比べると多いほうではありません。
生食できるので、ビタミンCなどは効率よく摂取できます。
また夏の野菜としてはその甘みや酸味が、疲労を回復し、食欲を増進させますし、胃の不調なときにもい食べものです。
生食には、食べる直前に切る方が栄養素がそこなわれません。
加工品のトマトジュースは、旬のトマトから作られたもので、1本飲めば1日のビタミンC 所要量の約2/3を満たしてくれます。
〔注〕 『クスリになる食べもの百科』(主婦の友社・刊)より引用しました