うたたね日記

アニヲタ管理人の日常を囁いております。

隠し味のレシピ(もう一匙)

2022年08月27日 20時54分42秒 | ノベルズ
―――その味に込めた思いに、貴方は多分、気づいていない―――

「え?「『一騎カレー』の作り方を教えてくれ」って?」
目を丸くして問い直す一騎の前には、「うんうん!」と何度も力強く頷くカノンの姿。
胸の高さに添えられた、彼女の両手の握りこぶしが<キュッ>と力を込めて鳴く。
「でも、俺のカレーなら毎日仕込んでいるから、「楽園」に来ればいつでも食べられるよ?」
「それはそうなのだが、そうじゃなくって…」
上手く伝えられないもどかしさからなのか、彼女は頬を赤くしつつ、視線を外した。
「その…この間の件(※「かずかのアンソロジー『空と飴とメロンフロート』」収録)」もだが、やはり一騎が作ったメロンフロートでないと、美味しくならないことは分かった。それを教えてくれたことに感謝もしている。だが、やはり、その…じょ、女性としてだなっ、そのっ、りょ、料理くらいできないといけないと思って///」
段々小声になっていくカノン。一騎はゆっくり相槌をつく。
「うん。それで?」
「それでだな、容子に料理を教えてもらおうと思ったのだが、容子もアルヴィスの仕事が忙しそうで、容子曰く「だったら、一騎に直接教えてもらったら?(ニッコリ)」といわれて、その…め、迷惑だったかっ!?」
最後の「迷惑だったか」のところだけ声が大きくなったのは、余程緊張しているのか、断られることを想定して心の準備をしてなのか。
何につけてもカノンはいつもストイックだ。その思いに応えてやりたいと思うのは、一騎にとっても当然の思いで。
だから自然と彼も口角を上げてしまう。


―――続きはこちらから。


***


今週の更新は、オンラインでも初!『蒼穹のファフナー EXODUS』です。
今週初めの日曜日、夏インテで発行されました、真壁一騎×羽佐間カノンアンソロジー『空と飴とメロンフロート』に寄稿させていただきました、『隠し味のレシピ』の別バージョンです。
最初、アンソロ寄稿文とこちらの2種類同時にできたんですよ。で、どっちにしようか迷ったんですが、寄稿文の方が内容にテンポがあって面白いかと思い、そちらを提出。そしてこっちは折角なのでちょっと加筆修正を加えて、アンソロの作品の数日後に時系列を持ってきた感じにしました。
いえ、ホント、アスカガは割と思い浮かびやすいんですが、ファフナーは難しいんですよ💦 世界感が凄く深いし複雑なので。故にそれを十分理解できていない状況で二次創作を書くのは、大変憚られまして。
でも今回「幸せな一カノ♥」というテーマだったので、あまり世界感を重視せず、ただほのぼの&イチャイチャさせまくりました(笑)
今回スピンオフ(BEHIND THE LINE)も告知されてますし、まだまだファフナー界隈も明るいので、萌えが充填されている今、また散財しまくる日々になりそうです♥それも幸せ♥
ともかく、アンソロと併せて読んで頂けましたらありがたいですv
コメント
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