滞在型図書館から

コロナになる前は、図書館は「滞在型図書館」を目指してやってきたと思います。駐車場の問題もあるだろうけれど、図書館で自分の時間を楽しんでもらい、そうやって裾野を広げていくんだろうなと思っていました。だから、おはなし会も、それなりに価値のある事業だと思っていました。子どもをおはなしの部屋に残して、親が自分のための本を探しに行ったりすることもあり、それはそれで自分たちは役に立っているような気分になっていました。

 ところがコロナになってから、本は早く選んで早めに部屋を出るというように様変わり。県立図書館など、絵本コーナーに座れる椅子がなくて、ずっと本屋の立ち読み状態です。大人のコーナーまで持っていけばいいのだろうけど、それもおっくう。今まで通りに長居をする人もいるだろうけど、「滞在型」とは表立って言える雰囲気ではないですね。全国各地で建築に工夫を凝らして、中で楽しめるようにした図書館も、その価値が崩れようとしているような気がします。まあ、そんなことは行政の担当者が考えることなのでしょう。戦争の記憶も、語りから文字を通して伝えるのが普通になっています。だとしたら、語りの時間なども要らなくなるようにも思います。公共の場でなく、家庭でつないでいける人はいいけど。

 「滞在型図書館」の次は何を目標にするのだろう。「情報開示型図書館」?これはもともと当たり前だけれど、だれもが気楽に立ち寄れる場所ではなくなっていくでしょう。何か一段高みに登って、目的のある人だけを受け入れるような。

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