今回の石垣島採集旅行はちょっと変わった始まり方をした。
計画の大詰めになっても、いろいろなトラブルが頻発し、出発までの2、3週間はいつも落ち着かなかった。
そのため、今回は各部員がバラバラに石垣島入りし、合流するという形をとることになった。
さらに、一泊目は、泊まる宿もバラバラになってしまった。
このドタバタ採集行の参加者は、「数学屋」H部員、「写真屋」K部員、「タマムシ屋」相棒、「ゴミ・糞虫屋」L部員、「今年から我が高校に入学し、生物部に入部するカミキリ屋」じごまるJr部員、そしてへっぽこkamikiri_2005である。
じごまるJr部員は、お父さんのじごまるさんと共に色々な採集地を巡っている、期待の新戦力である。
さて、もろもろの障害も乗り越え、いざ出発だ。
第一日目
今回の採集地、石垣島は、八重山諸島の玄関口。南西諸島採集の入門である。
春は難しいと言われているが、果たして・・・。

前日から石垣入りしていた私は、他の部員が着くまで採集に行こうと、空港付近の宿から、今回の旅の中心となる「石垣市街地」へ移動した。
今回も、公共交通機関しか利用できないため、基本はバス+徒歩+自転車での採集となる。

ここが今回の移動拠点の、バスターミナル。石垣島の全地区へのバスはここから発着している。
今日は下見もかねて、沖縄県最高峰である於茂登岳に登ってみることにした。
ターミナルのコインロッカーに大荷物を預け、フリーパスを購入してバスに乗り込む。
30分ほどで到着。

アレが於茂登岳だ。バス停から登山口まで結構歩く。
途中、ヤンバルアワブキの花が満開の場所があったので、掬ってみたが、天気が悪いためか何も入らない。
う~~ん・・・と思っていると、上から車が降りてきた。
わナンバーだし、後部座席にネットが積んで有るので一瞬で虫屋だと分かる。
通り過ぎざまに会釈。
そのまま進んでいくと、しばらくして先ほどの車が戻ってきた。
「どうですか?」
「まだ来たばっかりなので・・・。」
少しお話していると、なんと、採集に同行させていただけることとなった。
車に乗せていただいて、採集地へ向けて出発。
車中でムシの話をしていると、驚いたことに、この方がタマムシ屋さんの福タマさんであることが判明。
ここでお会いできるとは思っていなかったのでかなりビックリしたが、とても気さくでやさしい方、いろいろと石垣の事を教えていただいた。
第一採集ポイントに到着。

於茂登岳の麓の林道だが、凄まじい虫が沢山採れているというマル秘のポイントである。
この林道の入り口には、ハイノキがあるのだが、そのハイノキではツマキヒラタチビタマ八重山亜種が採れる。このタマムシは恐ろしいほどの珍品なのだそうだが、ご好意で採集させていただいた。
しばらく林縁をスィーピングしながら進む。
「この木がニッケイだよ。」
ニッケイの落ち枝でマツダクスベニが採れているそうなので、食痕のある枝を数本確保。

その後も、ここではアレが採れる、こっちではアレが採れた、などとすごい話を聞きつつ、林道の終点まで歩く。
林道の終点では、なんとあのムネモンウスアオカミキリが採れているという。
福タマさんと二人してヤンバルアワブキを掬っていく。

「さすがにそう簡単には採れませんね~~・・・。」
「曇りだから出ないのかな。」
「この採集、首が痛くなりますねぇ・・・。」
結局、ムネモンウスアオは採れずに引き返す。
道を戻りながら適当にスィーピング、ビーティングを試してみるが、ムシはあまり採れない。
「ここらへんのアワブキでも、採れると思うんだけど・・・。」
「掬いますか?」
というわけで、数本のヤンバルアワブキを掬っていく・・・。
福タマさんの網はオリジナルの12mネットの枠も比べ物にならないほどデカイ。
私が下の方、福タマさんが上の方を掬っていると、福タマさんがあっさりと一言。
「あ、入ったかな。よかった~、採れて。」
「え、採れたって・・・えええええぇぇぇええ!!!」

ムネモンウスアオカミキリ
Pareutetrapha magnifica caeruleithoracica Takakuwa,1984
ななな、なんと、福タマさんはムネモンウスアオをあっさり採集してしまった・・・。
しかも、
「あげる。持ってきなよ。」
と、貴重な採集品を惜しげもなく下さった。
図鑑で見るよりずっと美しい。小さい種なのかと思っていたが、かなりガタイが良い♂で、存在感は抜群である。
感激・・・。
その後も、アワブキをスィーピングしていったが追加はなかった。

樹冠部をスィーピングする福タマさん。
車に戻る途中、ツマキナガタマムシのご神木も教えていただいた。
掬ってみると、福タマさんの網に早速1頭入った。

ツマキナガタマムシ Agrilus auroapicalis ishigakianus
写真にはうまく写っていないが、綺麗な模様がある。
車に戻り、再び移動。
次の採集地は米原である。こちらでもセキナガタマムシというよいタマムシが採れるというので、そのご神木を教えていただく。

中央に移っているエノキを掬うと、次から次へとナガタマが入る。

「今年は当たり年みたいだね。普通はこんなに採れないんだけど・・・。」
あっと言う間に二桁確保でき、おまけにツマグロコハナコメツキという綺麗なコメツキまで採れた。
ホクホクしながら更に移動。今度は西部の屋良部岳に向かう。
屋良部岳は、ヤエヤマヒオドシハナ、アオヒメコバネなど、珍品が多く取れている採集地なので期待が高まる。

林内はこんな感じの疎林。ところどころに伐採の後が見られるがどれも古いもののようだ。
アカメガシワのトラップを掬っていくと、いくつかの普通種と共に、初めて見るカミキリムシが落ちてきた。

アナバネヒゲナガカミキリ Mimorsidis yayeyamensis Samuelson,1965
おおお~~!!これも今回見てみたかったカミキリの一つだ。名の通りぷつぷつとした鞘翅が面白い。
福タマさんは木の梢を掬って、オオダンダラチビタマムシ、アオムネスジタマムシを採られている(例によっていただいてしまった・・・ありがとうございました。)
タマムシ採集はかなり根気の要るスィーピングが必要なんだな~~と、勉強になった。

私は、自分より高い位置にある、イスノキの部分枯れと格闘していた。何しろイスノキはとても硬いので、直径15センチほどの材を切り落とすのにえらく時間&体力を消費してしまった・・・。
汗だくになったが、採った材は結構良い感じに食痕が走っているので、アオヒメコバネが出てくることを夢見て確保。
その後も、マンマルコガネの採り方を教えていただいたり、O部員と電話したり、見てみたかったクロカタゾウムシを採集したり・・・。

楽しい時間を過ごしていると、日も傾いてきて、そろそろタイムリミットである。
福タマさんは今日夜の便でお帰りになるので空港に戻らなければならない。
空いている道を引き返しながら、タマムシの貴重な話をお聞かせいただいた。
わざわざバスターミナルまで送っていただいて、お別れ。
福タマさん、本当に有難うございました!
さて、荷物も回収して、今日から5日間お世話になる民宿、「美ら宿 石垣島」へ。
市街地の中心部の、あやぱにもーる内にある一泊1500円の格安ドミトリーである。
本来なら相部屋が基本だが、今回は六人ということで、一部屋貸していただけることになった。(初日はじごまるJr部員と私だけだが。)

先に宿に到着していたじごまるJr部員と合流し、今日の成果を報告。
ムシ談義をしながら残りの部員の到着を待つ。
ふと、先ほど採ってきたクスベニ材が気になったので、割ってみると・・・。
ん?

マツダクスベニカミキリ
Pyrestes yaeyamensis Hayashi, 1972
ああああぁぁぁ!(心の声)
「お、おい、こ、これ・・・出ちゃったよ!」
「ぇぇえ!!マジっスか!!」
なんと、いきなりマツダクスベニの成虫が採れてしまったのである・・・。
これには二人とも流石に驚いた。濃いピンク色?赤色?ともかく綺麗だ。
感激・・・!!
まさか初日でムネモンウスアオとマツダクスベニを見ることが出来るとは・・・恐るべし石垣島!!
その後、9時ごろに石垣に到着したH、K、L部員、相棒と合流するために彼らが今夜泊まるホテルへ。
夕食を摂りつつ、明日からの計画を話し合って別れた。
宿に戻り、シャワーを浴びてから就寝。
興奮して眠れないかと思ったが、一日中動き回ってクタクタだったため即行で夢の世界に引きずり込まれた。
今日は濃い一日だったなぁ・・・。
石垣島採集紀行 第二日目に続く。
計画の大詰めになっても、いろいろなトラブルが頻発し、出発までの2、3週間はいつも落ち着かなかった。
そのため、今回は各部員がバラバラに石垣島入りし、合流するという形をとることになった。
さらに、一泊目は、泊まる宿もバラバラになってしまった。
このドタバタ採集行の参加者は、「数学屋」H部員、「写真屋」K部員、「タマムシ屋」相棒、「ゴミ・糞虫屋」L部員、「今年から我が高校に入学し、生物部に入部するカミキリ屋」じごまるJr部員、そしてへっぽこkamikiri_2005である。
じごまるJr部員は、お父さんのじごまるさんと共に色々な採集地を巡っている、期待の新戦力である。
さて、もろもろの障害も乗り越え、いざ出発だ。
第一日目
今回の採集地、石垣島は、八重山諸島の玄関口。南西諸島採集の入門である。
春は難しいと言われているが、果たして・・・。

前日から石垣入りしていた私は、他の部員が着くまで採集に行こうと、空港付近の宿から、今回の旅の中心となる「石垣市街地」へ移動した。
今回も、公共交通機関しか利用できないため、基本はバス+徒歩+自転車での採集となる。

ここが今回の移動拠点の、バスターミナル。石垣島の全地区へのバスはここから発着している。
今日は下見もかねて、沖縄県最高峰である於茂登岳に登ってみることにした。
ターミナルのコインロッカーに大荷物を預け、フリーパスを購入してバスに乗り込む。
30分ほどで到着。

アレが於茂登岳だ。バス停から登山口まで結構歩く。
途中、ヤンバルアワブキの花が満開の場所があったので、掬ってみたが、天気が悪いためか何も入らない。
う~~ん・・・と思っていると、上から車が降りてきた。
わナンバーだし、後部座席にネットが積んで有るので一瞬で虫屋だと分かる。
通り過ぎざまに会釈。
そのまま進んでいくと、しばらくして先ほどの車が戻ってきた。
「どうですか?」
「まだ来たばっかりなので・・・。」
少しお話していると、なんと、採集に同行させていただけることとなった。
車に乗せていただいて、採集地へ向けて出発。
車中でムシの話をしていると、驚いたことに、この方がタマムシ屋さんの福タマさんであることが判明。
ここでお会いできるとは思っていなかったのでかなりビックリしたが、とても気さくでやさしい方、いろいろと石垣の事を教えていただいた。
第一採集ポイントに到着。

於茂登岳の麓の林道だが、凄まじい虫が沢山採れているというマル秘のポイントである。
この林道の入り口には、ハイノキがあるのだが、そのハイノキではツマキヒラタチビタマ八重山亜種が採れる。このタマムシは恐ろしいほどの珍品なのだそうだが、ご好意で採集させていただいた。
しばらく林縁をスィーピングしながら進む。
「この木がニッケイだよ。」
ニッケイの落ち枝でマツダクスベニが採れているそうなので、食痕のある枝を数本確保。

その後も、ここではアレが採れる、こっちではアレが採れた、などとすごい話を聞きつつ、林道の終点まで歩く。
林道の終点では、なんとあのムネモンウスアオカミキリが採れているという。
福タマさんと二人してヤンバルアワブキを掬っていく。

「さすがにそう簡単には採れませんね~~・・・。」
「曇りだから出ないのかな。」
「この採集、首が痛くなりますねぇ・・・。」
結局、ムネモンウスアオは採れずに引き返す。
道を戻りながら適当にスィーピング、ビーティングを試してみるが、ムシはあまり採れない。
「ここらへんのアワブキでも、採れると思うんだけど・・・。」
「掬いますか?」
というわけで、数本のヤンバルアワブキを掬っていく・・・。
福タマさんの網はオリジナルの12mネットの枠も比べ物にならないほどデカイ。
私が下の方、福タマさんが上の方を掬っていると、福タマさんがあっさりと一言。
「あ、入ったかな。よかった~、採れて。」
「え、採れたって・・・えええええぇぇぇええ!!!」

ムネモンウスアオカミキリ
Pareutetrapha magnifica caeruleithoracica Takakuwa,1984
ななな、なんと、福タマさんはムネモンウスアオをあっさり採集してしまった・・・。
しかも、
「あげる。持ってきなよ。」
と、貴重な採集品を惜しげもなく下さった。
図鑑で見るよりずっと美しい。小さい種なのかと思っていたが、かなりガタイが良い♂で、存在感は抜群である。
感激・・・。
その後も、アワブキをスィーピングしていったが追加はなかった。

樹冠部をスィーピングする福タマさん。
車に戻る途中、ツマキナガタマムシのご神木も教えていただいた。
掬ってみると、福タマさんの網に早速1頭入った。

ツマキナガタマムシ Agrilus auroapicalis ishigakianus
写真にはうまく写っていないが、綺麗な模様がある。
車に戻り、再び移動。
次の採集地は米原である。こちらでもセキナガタマムシというよいタマムシが採れるというので、そのご神木を教えていただく。

中央に移っているエノキを掬うと、次から次へとナガタマが入る。

「今年は当たり年みたいだね。普通はこんなに採れないんだけど・・・。」
あっと言う間に二桁確保でき、おまけにツマグロコハナコメツキという綺麗なコメツキまで採れた。
ホクホクしながら更に移動。今度は西部の屋良部岳に向かう。
屋良部岳は、ヤエヤマヒオドシハナ、アオヒメコバネなど、珍品が多く取れている採集地なので期待が高まる。

林内はこんな感じの疎林。ところどころに伐採の後が見られるがどれも古いもののようだ。
アカメガシワのトラップを掬っていくと、いくつかの普通種と共に、初めて見るカミキリムシが落ちてきた。

アナバネヒゲナガカミキリ Mimorsidis yayeyamensis Samuelson,1965
おおお~~!!これも今回見てみたかったカミキリの一つだ。名の通りぷつぷつとした鞘翅が面白い。
福タマさんは木の梢を掬って、オオダンダラチビタマムシ、アオムネスジタマムシを採られている(例によっていただいてしまった・・・ありがとうございました。)
タマムシ採集はかなり根気の要るスィーピングが必要なんだな~~と、勉強になった。

私は、自分より高い位置にある、イスノキの部分枯れと格闘していた。何しろイスノキはとても硬いので、直径15センチほどの材を切り落とすのにえらく時間&体力を消費してしまった・・・。
汗だくになったが、採った材は結構良い感じに食痕が走っているので、アオヒメコバネが出てくることを夢見て確保。
その後も、マンマルコガネの採り方を教えていただいたり、O部員と電話したり、見てみたかったクロカタゾウムシを採集したり・・・。

楽しい時間を過ごしていると、日も傾いてきて、そろそろタイムリミットである。
福タマさんは今日夜の便でお帰りになるので空港に戻らなければならない。
空いている道を引き返しながら、タマムシの貴重な話をお聞かせいただいた。
わざわざバスターミナルまで送っていただいて、お別れ。
福タマさん、本当に有難うございました!
さて、荷物も回収して、今日から5日間お世話になる民宿、「美ら宿 石垣島」へ。
市街地の中心部の、あやぱにもーる内にある一泊1500円の格安ドミトリーである。
本来なら相部屋が基本だが、今回は六人ということで、一部屋貸していただけることになった。(初日はじごまるJr部員と私だけだが。)

先に宿に到着していたじごまるJr部員と合流し、今日の成果を報告。
ムシ談義をしながら残りの部員の到着を待つ。
ふと、先ほど採ってきたクスベニ材が気になったので、割ってみると・・・。
ん?

マツダクスベニカミキリ
Pyrestes yaeyamensis Hayashi, 1972
ああああぁぁぁ!(心の声)
「お、おい、こ、これ・・・出ちゃったよ!」
「ぇぇえ!!マジっスか!!」
なんと、いきなりマツダクスベニの成虫が採れてしまったのである・・・。
これには二人とも流石に驚いた。濃いピンク色?赤色?ともかく綺麗だ。
感激・・・!!
まさか初日でムネモンウスアオとマツダクスベニを見ることが出来るとは・・・恐るべし石垣島!!
その後、9時ごろに石垣に到着したH、K、L部員、相棒と合流するために彼らが今夜泊まるホテルへ。
夕食を摂りつつ、明日からの計画を話し合って別れた。
宿に戻り、シャワーを浴びてから就寝。
興奮して眠れないかと思ったが、一日中動き回ってクタクタだったため即行で夢の世界に引きずり込まれた。
今日は濃い一日だったなぁ・・・。
石垣島採集紀行 第二日目に続く。
俺も春に行ってみたいな。
相棒にドン引きされました・・・先輩らしくないって。余計なお世話ジャァ~~!!
しまちゃんさんのギフも・・・うらやましいっす。採ってみたいなぁ~。
イイナ~。
クスベニが出た時は、本当にびっくりしました~
これからもちょくちょく寄らせて頂きます。
クスベニは、びっくりしたね~まさか成虫が入ってるとは・・・。
これからもよろしくね。
なんちゃらつつくびって言っていたかみきりむしですが、やっぱりいしがきつつくびでした。ヤッター。
ていかかずらをもっと真剣に掬えばよかったのかな(@@
僕が高校生だったころと比べると、ものすごくレベルが高いことに驚きました。僕が八重山に単独行をしたのは、高3の春(卒業直後)でした・・・。負けたよ。
また、採集行きましょう!!
イシガキツツクビ、おめでとうございました。アレは珍品ですよね。
まだまだ初心者ですが、これからもよろしくお願いいたします・・・。
しまちゃんさん、ありがとうございます。
私は行かないと思うのですが、蝶屋の友達がGWに行くらしいです。新潟は今月いっぱいですか~・・・ではGWでは遅いのですね。