「このままでは国家財政は破綻する」の記事

少し話題になっているのではないだろうか、財務事務次官の矢野康治氏の文藝春秋11月号の記事だ。

内容は上のタイトルどおり。この危機的状況で「財務次官としてモノ申す」という立場の意見。
「最近のバラマキ合戦のような政策論を聞いていて、やむにやまれぬ大和魂か、もうじっと黙っているわけにはいかない、ここで言うべきことを言わねば卑怯でさえある」という気持ちで書いたのだとか。
特に気になった部分を引用しておこう。
「私は一介の役人に過ぎない」。しかし「国庫の管理を任された立場にいる。この「バラマキ・リスクがどんどん高まっている状況を前にして、『これは本当に危険だ』と憂いを禁じ得ない」。
「国の長期債務は、地方の債務を合わせて1166兆円にのぼり、GDPの2.2倍。先進国でずば抜けて大きな借金を抱えている」、それにもかかわらず「さらに財政赤字を膨らませる話ばかりが飛び交っている」。これは、「タイタニック号が氷山に向かって突進しているようなもの」。氷山(債務)はすでに巨大なのに、この山をさらに大きくしながら航海を続けている」。ただ「霧に包まれているせいで、いつ目の前に現れるかわからない。そのため衝突を回避しようとする緊張感が緩んでいるのだ」。

10万円の定額給付金も死蔵されただけだった。意味のある経済対策にはほとんどなっていない。
昨年度の予算の繰越しも、4月時点で約30兆円あり、今もまだ多くが残っている。
消費税引き下げは問題だらけで甚だ疑問だ。それは、これからますます進む少子高齢化という日本の構造問題の解決に逆行するもの。

タイタニック号の喩えで「日本は氷山に向かって突進していることだけは確か」というのが筆者の結論だ。知性と理性を研ぎ澄ませて財政再建に取り組んでいこうと思っている、と結論はいう。

矢野さんは、政治家に対する警鐘であり、一般国民への啓蒙を意図していると思うのだが、私などこれを読んで、これまでよく言われてきた国家財政危機論の再確認だ。具体的に、一般国民はどうすればいい? 内部留保が大きいという。だからこれをため込んでいる大企業や大金持ちから情け容赦なく蓄えの部分を国家が吸い上げること、なども含めて、ある種の打開策を提起してほしいものだ。

日本財政は大氷山に向かって進んでいるようなものだ、今重要な施策を為政者は国民に対して訴え協力を真剣深刻に呼びかけなければならない。それはわかる、だから具体的に何をどうしようと提案するのか。
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