ゲームホリック

ゲーム大好きぃ!!でゲーム脳なのであること無いこと書き散らします。

ドラゴンクエストの原点回帰ではなく先祖帰り

2009年07月15日 | ゲーム
『ポケモン』の登場からというもの、テレビゲーム、特にRPGというジャンルの中で作中の「物語」のプレゼンスの低下を感じます。



古来、RPGには『ウィザードリー』にしろ「設定」や「世界観」ほどしかありませんでしたが、日本にRPGが輸入された際RPGになじみの薄かったユーザーのために導入として『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』シリーズが壮大な「物語」を用いたことで、「物語」重視のRPG(海外ではJRPGとも言われる)というジャンルが成立しました。

ところがこの壮大なシナリオを軸としたRPGに大して『ポケモン』には壮大なシナリオはありません。「ポケモンマスター」になるという目標が一応設定されている物のその物語は「ポケモン」の世界観を理解するための導線でしかありません。ではそこに何があったかといえば現実のプレイヤーとの対戦でした。自らが育てたポケモン同士を対戦させてゆくことこそがその物語の先にあったのです。

『ポケモン』というツールを用い、共有することで他のプレイヤーとの間で新たなコミュニケーションが可能になりました。そのコミュニケーションこそが『ポケモン』のメタ的な「物語」だったのです。それまでのRPG取り分け大作RPGのシナリオの壮大さはそのシナリオをプレイヤー同士で共有するものでした。例えば「ロト」の物語の壮大さは多くの人の心をつかみました。ですが壮大な「物語」を軸とするRPGはそのような種類の新しい(古い?)RPGと比してプレゼンスを下げてきています。


ハードの普及台数や稼働台数、携帯電話のなど新しいメディアの普及などさまざまに要因が考えられるので一概にその傾向として断定することは出来ませんが、売り上げの数字だけを見れば『ファイナルファンタジー』は『Ⅶ』の390万本を頂点として、『ドラゴンクエスト』も『Ⅶ』の415万本を頂点としてその売り上げは減少傾向を見せています。

一方の『ポケモン』は初期の『赤・緑』の822万本を頂点として金・銀』は717万本、『ルビー・サファイア』は534万本と傾向として減少してますが、ニンテンドーDSでリリースされた『ダイヤモンド・パール』は587万本と当初の勢いは失ったものの、これをして未だに人気シリーズとして「物語」の壮大さとは一線を画す新たなジャンルとして成立したといえると思います。

この『ポケモン』の流れとは違ったところで「物語」を必要としないネットを前提としたPCでMMORPGが登場します。言うまでもなく世界中で大流行しました。で、やっぱり『モンスターハンター』です。出自としては、プレイステーション2用のネット対応アクションRPGで、売り上げ的には中堅タイトルクラスでした。デビュー作、『モンスターハンター』は29万本、マイナーチェンジ版の『G』は30万本という数字にとどまってました。

ところがハードをPSPに移してから状況が一変します。PS2では据え置き機であったためにネット対応でしたが、PSPでは携帯機ということもあってネット対応ではなく、PSP同士による直接通信(アドホックモード)での通信に限られました。オフラインでも楽しめますが一人で楽しめるほどの「物語」を持たないため、やはり協力プレイが必要ですがネット非対応であるが故に、協力プレイをする場合は実際に他のユーザーとコミュニケーションをとる必要に迫られます。

注目すべきはやはり「物語」の不在とコミュニケーションです。小さな”クエスト”と呼ばれる依頼を淡々とこなしてゆくだけといえばそれだけの内容のアクションRPGですが、『ポケモン』と違い対戦するのではなく、一人では倒せない敵を他のプレイヤーと協力して倒すという違いこそあるものの、『ポケモン』と同様にコミュニケーションツールとしての役割が人気の理由となったようです。

据え置き機で30万本程度だった売り上げ本数が『モンスターハンターポータブル』でいっきに2倍以上の70万本。これは単純にシリーズ自体の人気があがったかといえば、この後PS2で発売された『モンスターハンター2』は前作の2倍近くを売り上げたものの58万本にとどまりました。そしてPSPでの第2弾『モンスターハンターポータブル2nd』はPSP初のミリオン越えで前作の倍以上164万本を売り上げ、その続編『モンスターハンターポータブル2nd G』はまたその倍以上の330万本を売り上げました。



で、やはり『ドラゴンクエストⅨ』です。これまで「物語」を読ませてゆく、大人のプレイにも耐えうる強度を持った「物語」こそが『ドラクエ』の矜持でした。それが一転して、ネットワークを前提としたRPGとして設計され、結局はアドホック通信の協力プレイのみとなるものの通信を前提に設計され、プレイヤーや旅の仲間もユーザーによってクリエイトするというシステムになっています。その当然として「物語」はこれまでよりも影を潜めています。


「「自分」で紡ぐ物語へ~「ドラゴンクエストⅨ」の堀井雄二さんに聞く」(朝日新聞 東京版朝刊 2009.07.14)
86年に生まれ、日本にロールプレイングゲームという言葉を根付かせたドラクエだが、シリーズが進むにつれ、「作者が用意した物語をなぞっているだけ」といった声も聞かれるようになった。「Ⅸ」ではむしろ、作者(堀井さん)の物語は遠景に去り、ドラクエの世界のなかで「自分」の物語を紡ぐ感覚が増している。 「ドラクエへの多様な思いを受け止めるため、自分がやりたいときにやりたいことをできるシステムにしたかった」 「Ⅸ」は、人のために働く天使を主人公とする本筋のほかに「クエスト」というシステムを導入した。1時間程度で終わるにミニシナリオ。「やらなくても物語は終えられるものですが、やった方が得。じっくり物語を進める日と、短時間でクエストだけでも、という遊び方を選べます」(上記記事より一部引用)



先ほど述べたような「物語」を重視した『ドラクエ』から『ドラクエⅨ』への変化はある種時代の要請のようです。また『Ⅸ』についてはネット上で激しい批判にさらされてますが、「物語」を求めたユーザーと『ポケモン』や『モンハン』のようなコミュニケーションツールを志向した『Ⅸ』との齟齬によるものかもしれません。レビューの部分でほとんどアドホック通信による協力プレイに言及されていないのも気になります。全体として意図した遊ばれ方をしていないのかも。

観るゲーの可能性

2009年07月13日 | ゲーム
「人がプレイするゲームを観ている」という文化はファミコンの昔からあったわけです。でも当時のそれは単に友達や家族と遊んでいる楽しさの延長であって、「観ている」ではなく単に「見ている」だけでした。

それが格闘ゲームやSTGを中心に地下文化、同人文化としてプレイ動画を「観たい」という欲求に変わって行きます。要はある種の参考文献的にゲームをプレイせず、「観る」モノとして楽しむ文化が発見され成立します。

普通の人には難しい有名プレイヤーの極めてテクニックを求められるプレイ動画はビデオやDVDとなり、マニアを中心に需要を生みました。そのかなりニッチなゲームを「観る」という文化がyoutubeの登場によって少なくともネット世界では一般化します。

その「観る」文化がyoutubeの登場により一気に敷居を下げました。最新ゲームのトレーラーなどが多かったゲーム動画の中で次第にユーザープレイ動画の存在感が増してゆきます。そしてニコニコ動画の登場によって「観る」ゲームのある種のフォーマットが構築されました。

ゲーム大会の動画モノに、単にゲームプレイの一部を切り取っただけものから、ゲームプレイヤーの属性を定義してあるテーマの中でプレイ動画を作成するなどさまざまにフォーマットが誕生してゆきました。「観る」ゲームが成立していったわけです。


そしてCSで「ゲームセンターCX」が始まり、「観る」ゲームが完全に成立します。人は別にゲームをプレイしなくても、「観る」だけで楽しむことが出来るのです。もはや地下文化ではなく、マスにも乗りうる文化になったわけです。ならバラエティーとして、別にレトロゲームだけではなく最新のゲームをプレイしているだけの番組があっても良いのでは?とかくだらないこと「お試しかっ!」を観て思いました。

600円なら安い

2009年07月10日 | ゲーム
ガイアシード※最近のタイトルはスクショ可!


早速『ガイアシード』を購入してみました。中二病的なSF設定が全開のOPからしてチープですが、今時のSTGではあまり見られなくなったSF設定は希少ですしよくよく発売年月日を見てみると96年とあるので他のアーカイブスSTG(『アインハンダー』とか『アールタイプ⊿』とかとか)と比べてあげるのは酷なような気もします。でもどうしてもボスのレーザー発射とかの位置が『デザエモン2』みたいな残念な感じがします。

ガイアシード

長細い弾、ちょっと早目の弾などどこかで見た様なものを『デザエモン2』で作ったようなチープさが全体に漂ってます。それも中堅どころの人が作ったような。スコア表記がそれっぽさをより際立たせているようにも見えます。でもシールドという設定のライフ製のおかげで(しかも時限回復アリ)、STGが下手な僕でも十分楽にプレイできるのは良いです。また素人目に見ても敵配置や弾の撒き方も分かってるのでSTGとして楽しいのが何より良いです。



PSPでSTGってなんて相性が良いのだろう。特に横STGは16:9の液晶に最適です。モニターで問題になる遅延も無いですし。最近のSTGは萌え系なSTGが多くて、古いSTGにありがちな狂気あふれるSF者設定のSTGが無いのが寂しいと、STG歴の浅い僕でも思ってしまいます。『サンダーフォースⅤ』とかもアーカイブス化されないかなぁ。というか、Wiiのようにアーケードのエミュ移植来ないでしょうか。

PSNの拡張って、本気なのか

2009年07月09日 | ゲーム
昨日、PSP上でのコミック販売の今年度内サービス開始がアナウンスされ、PSNの充実が図られるようです。そんな中で気になったのが下記の記事。


コミック配信、『ヴェスペリア』体験版配信、『FFII』アーカイブス配信、『白騎士』追加クエスト、PS向けオンラインサービス情報をまとめて!!(電撃プレイステーションオンライン)

この記事の中で一箇所だけ他所で記載されていないところが、

下の2タイトルのほかに、7月15日に『ジャンヌ・ダルク PSP the Best』『ポポロクロイス物語 ピエトロ王子の冒険 PSP the Best』『REZEL CROSS』『ブレイドダンサー 千年の約束』(すべてPSP、SCE、600円)が、(上記リンクより一部引用)


というこの部分。E3でアナウンスされていたようにSCEは過去タイトルまでさかのぼりPSNでのダウンロードタイトルを拡張するとしていましたが、まさか過去タイトルがこの値段、600円なんでしょうか?

ここに上げられているソフトは3年から2年前の比較的古いソフトで、中古相場でも1000円弱になっているいわゆる販売的には”死んだ”ソフトです。それでもPSのソフトが”死んだ”のとはちょっと訳が違うインパクトがあります。

現行機の過去作がまさか600円で販売されるんでしょうか?誤植じゃなかったらすごいインパクトかと思います。『攻殻機動隊』などもリリースされたりするんでしょうか。

(追記)どうやら誤植だったみたいです…

ハードの大回転

2009年07月09日 | ゲーム
本当にいまさらながらですが、今世代機に入ってからハードのデザインが根本から変わってしまいました。


●それまでのハード
前世代までのゲーム機はコントローラが有線接続であったために必然的にゲーム機には前面と背面が明確に区別したデザインが施されて、前面にコントローラ端子を配置することがデザインの大前提でした。

スーパーファミコン※スーパーファミコンも。XBOX※XBOXも。

GC※ゲームキューブも。

だからこそどのゲーム機も基本的には前後を規定されて、プレイヤーはハードの正面に対峙してゲームをする約束になってました。それがそれが時代の要請によってデザインが転換されて行きます。


●Wii
GC
Wiiはその中でも最も典型的な例で、そもそもリモコンのプレゼンスのために敢えてハード自体のデザインをも控えてしまったすごいハードです。接続する端子は電源からセンサー、コントローラーまで全てを後ろに回してしまっています。ただしそのことで設置スタイルを逆に規定したようにも思えます。


●XBOX360
360
こちらも前面からコントローラーの接続端子が(一応)取り除かれ、ハードのデザインがガラガラポンッ!されたデザインですが、充電のために一応前面にUSB端子が設置されているため一見変わっていないようだけど、それでも有線コントローラー接続と比べるとUSBへの接続は一時的なものです。そのため明らかに前世代機とは”面構え”が変わりました。個人的にはリング正面・縦置きが一番美しいと思います。


●PS3
PS3
360と同様に、前面からコントローラーの接続端子が(一応)取り除かれ、やっぱり充電のために一応前面にUSB端子が設置されているため一見変わっていないようだけど、それでも有線コントローラー接続と比べるとUSBへの接続は一時的なものです。。そのため明らかに前世代機とは”面構え”が変わりました。ただし360と決定的に違うのはまさに縦置きでの正面が無くなったことです。

確かにディスクインサート口に”PSマーク”がついていることもありこれが正面にも見えますが、よくよく考えると広告で使われる”側面”こそやはり”正面”なのかなと思えてきました。PS2初期モデルから共通した”面構え”ではあるものの、今までに無いほどの重量で馬鹿でかいPS3は「PLAY STATION3」が印字された”側面”こそが”正面”に感じます。



今まで今世代機の中では360が一番ハードのデザインとして格好良いと思ってましたが、PS3の側面を正面として設置するとその他に類を見ない圧迫感がとてつもない格好良さがあるように思えてきました。それもコントローラが無線接続になったことが大きいです。もしこれからディスクメディアが無くなったら、ハードのデザインはどこに行くのか、大変興味深いです。

ガイアシード配信開始!!!

2009年07月08日 | ゲーム
ソフトウェアカタログ(SCE公式)

今日からアーカイブスで『FF II』など3タイトルが配信スタート(電撃オンライン)

最近あまり注目しなくなってしまってましたが、来ました。まさかまさかの『ガイアシード』配信です。あの過去STG作品へのリスペクトにあふれ、世界観も成り立ちも”あの”作品を彷彿としたことで有名だったあのSTGです。まさに”あの”作品っぽいオマージュというか、パクリというか、シミュラークルというか時期的にぴったりかと。まさか狙っているわけではあるまいな。

1万6000円とか出せない僕にはぴったりです。早速購入していきたいと思います。そして『快速天使』の版権もハムスターが持ってるなら是非とも配信していただきたいです。あれは本当にB級面白かったですから。『ソニック・ザ・ヘッジホック』を継ぐ唯一のソフトなのにマイナーなのが残念でなりません。

破、凄過ぎでした

2009年07月02日 | 映画
TBSラジオで放送された「Life」の番外編の「ヱヴァスペシャル」を聴いてしまったら、堪えきれずに『ヱヴァンゲリヲン:破』を観に行ってしまいました。劇場に行くといつもの劇場とは違った客層だったのが「エヴァ」が「エヴァ」であることを思い起こさせてくれました。ここは秋葉原かという印象の一方で旧エヴァとは異なりカップルが多かったのも「エヴァ」が単なるアニメじゃないことをまた思い起こさせてくれました。



以下大量にネタバレです。注意。絶対ネタバレ見ないで映画館で観たほうが良いです。
ヱヴァ破





のっけから庵野総監督の趣味爆発でいきなり科特隊な効果音が鳴ったと思いきやミサトの車がマツダコスモスポーツ!などなど。ほかにもわんさかそれっぽいのが心なしかテレビ版よりも戦闘シーンが『ウルトラマン』のようなジオラマ感が増しているような。アスカが手にしていた携帯ゲーム機がもろワンダースワンで涙。「キュイィーーーン」の起動音が。カードリッジのラベルがファミコンのソレっぽいのはご愛嬌。『謎の円盤UFO』は該当箇所が分からなかったです。

ゲンドウが年食ったなぁというか、微妙に髪が伸びている感じでどこと無く監督っぽいです。作画の変更以上に意図的に見かけの歳が上がっている印象が強い。竹熊さんが指摘してたように、シンジのSDATは『序』からトラック25と26を行ったり来たりしていましたが、真希波がシンジにボーイミーツガールした(ぶつかった)途端にトラックが27へ。たぶんそういうことなんだなぁ。

後半カヲルくんが登場し、「今度こそシンジ君だけは幸せにしてみせる」と言い、綾波も意図的に状況を改善しようと努力していて(それが健気でとてもかわいい!)、それもシンジが変わったために及ぼされた影響に見えます。それはミサトやアスカにもあって、みながみな可能な範囲内で建設的にして行こうと努力していると。『序』の公開当時に囁かれていた、「ループ」設定は現実を帯びてきたように思います。鶴巻監督が言ったとされる山手線と京浜東北線というのがぴったり。


こうした「生きることを望む人々」はアニメ版・旧劇場版を知っているほど、キャラクターが魅力的に見えます。ファンの贔屓目ですが、こういうのを見ると『新世紀エヴァンゲリオン2(Evangelions)』の存在というものは何らかの影響を芝村さんの意図通り与えたのかなぁとうっかり思ってしまいそうです。新劇場版が全部終焉したらループを前提とした『エヴァンゲリオン3』とか出してくれないかと妄想をしてしまいます。


安直な言い方ですが、凄かったです。凄い情報量と迫力で圧倒されます。消耗させられます。ファンだったら、元ファンならそれこそ観に行くべき。細部の違いを探し出したらきりがないですが、エンターテイメントとして楽しむのが一番。エンターテイメントだし、分かりやすくなってはいるけれど、安直には落ちないのはエヴァは名前が変わってもエヴァだなぁ。『Q』が待ちきれません。

そしてゲーム版『破』はあるのか、あったとしてどうこれをゲーム化するのか。よほどの覚悟とテクニカルなものを持ってないとかなり難しいと思います。『エヴァ2』はエヴァに向き合ってましたが、『序』は見事に避けてしまっていたので駄作でした。それよりも出せるのかどうかですか。