鬼殺し、犬小屋

■鬼越トマホークプレゼンツ『鬼殺し～その男、童貞につき～』を観に行きました（13時～14時40分　渋谷シアターＤ）

出演
鬼越トマホーク
グランジ大、五明・マテンロウアントニー・フレミング・ラフレクラン西村


憧れの芸人はサンド、強面若手芸人鬼越トマホークの単独イベントが開催された。
ヒゲでガチムチで坊主でヤンキーファッションで黒い交際を彷彿とさせるビジュアルの鬼越トマホークの2人は
東京よしもと若手イチ∞ホールが似合わないどころか
トラブルに巻き込まれたくないと、先輩方から歌舞伎町では挨拶禁止を言い渡されている。
2丁目方面からの人気は絶大で、地方在住のオネェのファンの方々もいるという。
しかし、ホームの∞ホールで手売りにいそしめば「キャー」「コワいー」と、女子高生達が逃げてゆく。
僕達の事をわかっていただければ、もう見た目で判断されないでしょうと
鬼越トマホーク、坂井と金野のこれまでが語られた。


金野は姉とともに、かつて子役をやっていたそう。子役のデブタレは人数が少なく、当時はなかなか忙しく働いていたという。
そして父は演歌歌手、実家はスナックを営み、そのスナック金ちゃんパワーで本日も40名以上の常連客を引っ張ってきた。
突如オンステージと化した金野父の熱唱には、常連客のお客様もうっとりとしながら一緒になって歌っている。
舞台上にはガラの悪い大きな男が2人とピカピカの衣装の老演歌歌手、客席には小綺麗な紳士淑女がギッシリ
この集まりは一体何だ。


一方、坂井は、曾祖父が掘り当てた温泉マネーのおかげで
祖父、父、坂井と親子三代続く純ニートらしい。
高校を卒業してから東京NSCに入学するまでの数年、毎日毎日、テレビDVDゲーム寝るテレビDVDゲーム寝るの繰り返しだけ
時間が余って辛かったと告白していた。
内弁慶で親には強気、親子兄弟の仲は険悪という由緒正しいニートだった為、上京時の坂井のケータイの電話帳登録件数はたったの8件だったとか。
今日だって、初の冠イベントにも関わらず6人しかお客様を呼べていない。相方の金野とは大違い。

だが、坂井は芸人としての志は高い。
せっかく芸人になったんだから、ファンを抱くという夢を持っている。ファンを抱くまでは絶対に芸人を辞めないというブレない芯を持っている。
時には、あまりにもモテなさすぎて遂に身内である後輩女芸人に手を出すという禁忌を犯しそうになったらしいが
軽くあしらわれ、バラされてしまったという悲しき男だ。


2人の人となりがわかってきたところで、鬼越トマホークの歴史も語られた。
坂井のケータイの待受画像は金野である事からもわかるように、坂井の金野に対する想いが重い。
ネタ合わせ後は必ず野郎2人で食事、坂井が眠りにつくまで金野は坂井の家から帰ってはいけないというルールを強いている。
ある日、金野と連絡がつかずパニックに陥った坂井は「金ちゃんを殺して俺も死ぬッ」と、泣き喚いていたという。

殺すといえば、暴力ケンカ骨折刃物死…やっぱり見た目通りのコワい話の方を、むしろたくさんしていた。
ゲストのグランジ大の最近の飲み仲間は外タレや外国人の金持ちであるというが
そんな百戦錬磨の大の繰り出す社長トークとも、鬼越トマホークは渡り合っていた。
やっぱり見た目で損なんかしていない、見た目相応の生き様だと思った。

同じくゲストで後輩のフレミングラフレクラン西村が登場した時の、客席からの写真の嵐といったらなかった。
お客様みんなケータイもカメラも持ってたんだ、と初めて確認できた。

なぜ鬼越トマホークがK-PROライブに頻繁に呼ばれているのか納得できたような気もするし
これからも若いファンは増えないと思うが
坂井が夢を叶える日まで、芸人を続けてほしい。
あと、金野父はキャパがここシアターＤの6倍以上の板橋区立文化会館でのコンサートの告知をしていた。