かめ設計室*3丁目通信

2005年4月より、西新宿にて一級建築士事務所かめ設計室がはじまりました。3丁目からのかめバー通信。

岡仁詩と同志社ラグビー

2007年05月12日 | 見 聞
 昨日、岡仁詩さんが亡くなられました。
 「大西鐵之佑と早稲田ラグビー」につづく記事がこういう内容になって悲しい。岡さんは大西監督の後を継いでラグビー日本代表監督を努められたが、何と言っても同志社大学の監督の印象が強い。関西人には何となくラグビーが身近にある気がします。自由な気風というのか相性がいいのだろう。その象徴が岡さんだったんだと思います。
 
 「これをしろ」とはまず言わない。言うときも物事を言い切らない。「このときはこう行けるでぇ」とか「こういう考え方もあるでぇ」とかいろんなやり方を紹介するんですよ。でも結論は出さない。あとはお前らで決めたらえぇやないか、といなくなっちゃうんです。(『イメージとマネージ』集英社より)
 平尾誠二は岡さんの指導方法をこのように話しています。こう言われて好きにしようと喜んでいる人には放任ですが、きついなぁと受け止める人は伸びるのでしょう。
 伏見工業のスタンドオフとして全国制覇を果たし、同志社に入学した平尾のプレーを見ていて、岡監督は本人にこう言ったそうです。「平尾はおもろない!」。思った通りのプレーをするのが気に入らなかったようです。指導者として評価すべきことにとらわれることがありません。

 日本代表や社会人チーム監督に岡さんの教え子は多い。岡さんの元から多くの指導者が生まれていることは何だかうれしい。そのことについて、彼本人はこう語っています。
 彼らは同志社ラグビーの卒業生ですが、共通するものは別段ないんじゃないでしょうか。ましてや岡イズムの門下生などというのはとんでもない。彼らに失礼です。大学で過ごすのは高々4年間です。中島はワールドで、宮地は三洋で、小藪は釜石で、平尾は神戸で、土田はサントリーで、それぞれ独自の考えと体験を積み重ねて、彼ら自身のラグビーを開花させていった。わたしの影響など関わりなく、そうであることがうれしいですね。(『ラグビー・ロマンー岡仁詩とリベラル水脈』岩波新書より)
 人柄が伝わってくるコメントです。

 成果主義、しかもその成果を急がれるこのスピード時代には、文化というものは育っていないのではないかと憂鬱になってしまいますが、ラグビーにはまだまだすばらしいアマチュア世界が残っているようで、心が引きつけられているのかもしれません。
 
 今日行われた秩父宮ラグビー場での日本代表 対クラッシック・オールブラックスと、明日花園ラグビー場で行われる同志社大学 対 慶應義塾大学との試合は岡さんの追悼試合となりました。黙祷。

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2 コメント

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Unknown (5)
2007-05-13 01:41:25
縦の明治、横の早稲田等というスタイルが無いのが同志社のラグビーの特徴という人がいるそうです。音楽でも絵でも何でも同時期(時期の期間は考えようだが)に後世に残る人が出現するような気がします。
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スタイル (かめ)
2007-05-15 19:12:32
建築界でいえば、菊竹さんの弟子が今の有名建築家に多いですが、この例えはちょっと世界がせまいですね。 ぐんゆうかっきょといきたいです。
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