かめ設計室*3丁目通信

2005年4月より、西新宿にて一級建築士事務所かめ設計室がはじまりました。3丁目からのかめバー通信。

田中泯独舞『赤光』

2005年06月07日 | 見 聞
また泯さんを見に行った。興味の尽きない人です。『赤光』とは斎藤茂吉の処女歌集。
松岡正剛が8首を選歌。太鼓の大倉正之助。能管の一噌幸弘。田中泯の独舞。

斎藤茂吉と言えば、
「死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる」
「のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳ねの母は死にたまふなり」
が有名ですね。大正2年、茂吉は母の危篤の知らせをうけて山形に帰郷、その死を歌って『赤光』は生まれています。
日本語はとても豊かで「しんしんと」などのオノマトペがとても多い。男は「うじうじ」して、女は「さばさば」し、太陽は「きらきら」光り、雪は「しんしん」降る。梅雨は「じとじと」して、雨は「しとしと」降り、「ぴちぴちちゃぷちゃぷらんらんらん 」となる。去年こんな話を、桃花村で泯さんと話した事がありました。舞台の泯さんは、日本語が音にならない音を言葉にするように、音にならない言葉にならないところを、身体が踊っているのかもしれません。

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