亀田司法書士ブログ

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控訴審の結果(6)

2017-10-18 16:24:34 | 遺言・相続

現在の裁判所の趨勢は,取引終了を外形的な契約ごとではなく実質的に判断すべきだと考えているようです。つまり,同一の契約内の取引においても,完済後の次の借入までの状況により,平成20年1月18日の基準を当てはめてもよいと考えています。

本件も完済後3年間経ち,新たな借入をする際,カードが無い為無人機で新規の申込をしたことをもって,契約番号が同一であることや新たな基本契約書の作成を行わず,取引履歴にも完済後の借入日を契約日と記入していない事実があるにも拘わらず,完済日までの取引と3年後に再度借り入れた取引を別の取引と評価しています。

そして,平成20年1月18日の基準をもって,両者は一個の連続した取引とは認められないとして,完済により初めの取引が終了し,この時から時効が起算されると判断したのです。

これは専ら取引の連続性・一個性を重視する考えです。基本契約の異同に拘わらず取引が一定の期間継続されていない場合,前の取引において存在した過払金充当合意は,取引の連続性に欠けるから,後の取引には及ばないとするものです。

たしかに裁判所の実務として実質的な判断を尊重する姿勢は分かります。しかし,過払金返還請求は,一般の取引に基づき発生した事件ではなく,違法な取引に基づく利得を返還させるいわば違法行為を是正する役割を持つものです。

ですから,違法の是正を第一義的に考え,これを達成する理論を優先して考えるべきです。そうでなければ,本訴のように,通常事件において行われる主張により,容易に正々堂々と違法がまかり通る結果となってしまいます。

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