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異議をとどめない承諾に関する最高裁判決

2015-06-10 17:42:07 | 債務整理

6月1日最高裁第二小法廷で,平成26年(受)第1817号と平成26年〈受)2344号の二つの判決が言い渡されました。結論は当然同じ,債務者が異議をとどめないで指名債権譲渡の承諾をした場合に,譲渡人に対抗できた事由の存在を譲受人が知らなかったとしても譲受人に過失があるときは,その事由を譲受人に対抗できるという趣旨です。

平成26年(受)第1817号の方は,原審は,譲受人が知らなかったことに重過失がない場合は,債務者は譲受人に対抗することができないとしたのですが,判決は,この条文(民法第468条1項)の趣旨は,譲受人の利益を保護し,一般債権取引の安全を保障することにあるとし,譲受人に過失がある場合には,譲受人の利益保護の必要性は低く,実質的にも,債務者の単なる承諾のみによって,譲渡人対抗できた事由を失うという重大な効果を発生させるので,譲受人は対抗できる事由の有無につき通常の注意を払う必要があると結論づけました。

貸金業者同士が債権譲渡をする際,債務者に譲渡承諾書の提出を求めるのが通常です。一般的に債務者は,その承諾書の持つ意味を理解して署名するわけではありません。承諾書を書かなければ一括弁済を求められる恐れがあり,半強制的に署名します。そうすれば,従来どおりの取引を続けられるからです。

ところが,この署名は,利息制限法制限利率を超える無効な約定残高による債権を譲渡することへの承諾なのです。貸金業者は当然この事は知っています。知っていながら,この承諾書を徴求することにより,無効な約定残高を有効化することを目論んでいたのです。

原審は,重大な過失が無ければ譲受人は保護されるとしたのですが,重大な過失の定義も曖昧ながら,貸金業者が利息制限法や貸金業規制法を知らないことはあり得ず,であれば,譲渡時の残高が無効である可能性が高いことは十分認識していたものであって,債権譲渡の承諾書によって対抗できないことを理由に有効になる結果を招くのであれば,利息制限法を制定した趣旨が簡単に没却されてしまいます。

良かった。最高裁がようやく法律の誤った解釈に対する砦になってくれました。

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