亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

区政変更

2014-09-16 11:44:20 | 不動産登記

不動産売買の立会の準備のため登記簿の売主の住所を確認していたところ,売買契約書の住所と区名が異なるのみで区名以下は同じ住所になっていました。

まさか売主がうっかり住所の区の名を間違えたわけじゃないだろうし・・・。調べてみると確かに区の区域が緑区から青葉区に変わっています。

区政の変更と考えられます。すると,今度はこの住所変更の登記をする必要があるのかという疑問が生じました。

売買代金の決済ですから,万一, 住所変更登記が必要なものをせずに所有権移転登記を申請すれば,いったん登記を取り下げてから,改めて住所変更登記・所有権移転登記の順に連続して行う登記にやり直す必要があります。

売買代金の決済の場合,これは絶対に避けなければなりません。何故なら,所有権移転の後に抵当権等の担保権設定登記が有る場合等,利害関係人にとって登記の受付番号は,順位確保の点からも非常に重要だからです。特にお金がその場で動く代金決済において,登記の取り下げは致命的です。

さて,直感的には行政区画の変更であり,行政側の一方的な行為による住所の変更なので,読み替え規定といって,自動的に変更後の住所になっているものとして処理されるはずだから不要だと考えました。

念の為調べてみると,不動産登記規則92条1項に「行政区画又はその名称の変更があった場合には,登記記録に記録した行政区画又はその名称については変更の登記があったものとみなす。・・・」の条文が有りこれが適用されるはずです。

ただ,今回の決済の登記には関係有りませんが,登記簿上の住所から住所を移転した後,その住所が行政区画の変更により区名等が変更になった場合は,登記簿上の住所が行政区画の変更になった場合とは異なり,当然○○住所移転・○○行政区画の変更等の登記をする必要があります。つまり,読み替え規定による住所変更登記の申請を省略することはできません。

この場合の登録免許税ですが,従来は読み替え規定があるのだから,その分は行わなくてよいが,登記を行う住所移転分の登録免許税は徴収すべきだとしていました。ところが,現在は,最終の登記原因が行政区画 の変更による場合は,住所移転の分も含めて非課税になると変更されたようです。

自分で住所を変更した場合にも,そこの住所が行政区画を変更した場合,非課税となるのですから,この場合はなんだか得した気がしますね。

行政区画の変更とは,市町村合併や町から市制施行等複数存在します。今はインターネットの時代だから,法務局の調査係も簡単に変更の推移を調べられるので良いのですが, 所有者の住所が不動産所在地の近隣ではない場合,法務局の職員にとって公知とは言えないので,住所変更の事実を把握するのが大変ですね。

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