亀田司法書士ブログ

越谷市の亀田司法書士事務所のブログです

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

信託の利用

2011-09-01 14:14:37 | 司法書士の日記

信託というと信託銀行を思い浮かべる人が多いでしょうが,信託というのは,委託者(資産所有者)が受託者(資産管理処分を行う者)に資産を預け,受益者(委託者の指定する者・自身でも可能)の利益のために,資産の管理処分を委託する制度です。例えば,信託銀行の不動産信託とは,地主から土地の信託を受け,この土地上に建物を建て賃貸し,その収益を受益者である地主に配当する。といったことで利用されています。つまり,資産をプロの運用に任せ,収益の配当を受ける目的に利用される方法です。これに類似したこととして,株主配当を受けるために株主になることも信託の一種と考えられます。株を買うことにより金銭を会社に信託し,会社はその金銭を事業資金として運用して事業収益を挙げ,株主に配当をすることです。これを,(事業型)商事信託と言います。
今回は,商事信託ではなく,民事(家庭内)信託について,利用例を挙げます。
主に不動産に関して処分をする際の,登録免許税の軽減目的から考えてみました。
一つは,死因贈与です。死因贈与とは,生前に死亡を条件(始期)として,不動産を贈与する内容の契約をすることで,始期付の所有権移転仮登記をすることができます。これは,相続の際の遺産分割協議を待たず,不動産を特定の者に帰属させることを確保する方法です。同様の事は,遺言をすることでも可能ですが,遺言の場合,後から撤回することが可能なので,受贈者からすると遺言があるからといって安心できませんし,所有権移転仮登記をすることもできません。ところが,仮登記をするに際し,ネックとなっているのが登録免許税額の高さです。登録免許税は,固定資産評価額の1%です。そして,死亡時に本登記する際,再度固定資産評価額の1%を要します。このため,この仮登記を不動産確保目的だけに活用し,仮登記を本登記せず,相続による0.4%の登録免許税で済む所有権移転登記を行い,仮登記を抹消する方法(登録免許税は1筆1000円)がよく採られます。
そこで,本ケースでは,贈与者を委託者,受贈者を受託者,受益者を贈与者,贈与者死亡の場合に信託終了し,信託財産受取人(元本受益権)を受託者=受贈者とするとする内容の信託契約をする方法を考えてみました。
この場合信託の開始時に,信託を原因とする所有権移転登記及び信託登記をします。
登録免許税は,所有権移転登記は非課税,信託登記は,固定資産評価額の,土地は0.25%(平成24年3月31日まで)建物は0.4%です。始期付所有権移転仮登記の1%に比べれば,この半分以下で受贈者名義に信託登記をすることができます。そして,死亡後は信託財産引継ぎによる所有権移転登記を行うのですが,この登記の登録免許税は,所有権の移転を受ける受託者が委託者の法定相続人であるため,相続を原因とする登録免許税である0.4%です。これに信託登記の抹消分として1筆1000円で済みます。
つまり,死因贈与と同様の効果を,より安価な登録免許税で得ることができる方法と言えるのです。
この信託登記は,最も簡単なパターンです。信託には様々なバリエーションが有りますが,少しずつ紹介していきます。

ジャンル:
その他
コメント   この記事についてブログを書く
« 自転車のマナー | トップ | 雲取山登山 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

司法書士の日記」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事