ピザボーイ 史上最凶のご注文 / 30 Minutes or Less

2011-10-23 | 映画






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何だ、この邦題は?
主演は、あの「ソーシャル・ネットワーク」で無表情で早口な演技を見せたジェシー・アイゼンバーグ。共演はインド系のコメディアン、アジズ・アンサリ、ウィル・フェレルのおバカ作品の常連ダニー・マクブライド、ラテン系のギャングにピッタリだが演技派のマイケル・ペーニャ、もうすぐ70歳になるが未だにマッチョ派のフレッド・ウォード。
監督は「ゾンビランド」で一躍有名になったルーベン・フライシャー。

主人公のニック(ジェシー・アイゼンバーグ)は、宅配ピザ屋で働き、毎日30分以内の配達ノルマにしっくはっくしている。
彼の友人で小学校の先生のインド系のチェットは、ニックが自分の双子の妹が、ニックと寝たことを知って大喧嘩をしている。

アジズ・アンサリはMTVなどで有名なコメディアンらしいが、信じられないほどセリフが棒読みで、演技力がない。
途中から、観客側がそれに慣れてきたが、序盤の喧嘩のシーンの彼の演技はかなりひどい。

一方、金持ちのボンボンのドゥエイン(ダニー・マクブライド)と彼の子分のトラビスは、宝くじを当てて大金持ちになった、横暴な父親(フレッド・ウォード)に頭が上がらず、憂さ晴らしに酒に浸り、ストリップ通いをしている。

今回も、ダニー・マクブライドのおバカで乱暴なジャイアンキャラ健在。この人の他のキャラを見たことは無いが。



ジェシー・アイゼンバーグの演技力はアジズ・アンサリに影響された?


おバカ二人


双子の妹 (二卵性に違いない)


ドゥエインが、父親の愚痴をストリッパーに話と、彼女は10万ドルあれば殺し屋を雇い父親を殺せるという。
そして、単純にも、父親を殺して遺産でストリップ小屋を経営する夢を持ち始めた。

先ず、10万ドルを手に入れるために、全く面識もない人間を使い銀行強盗をさせる計画を立てる。その銀行強盗犯には、宅配ピザの配達人を選ぶ。
運悪くその配達に来たのがニックだった。
廃墟のような小屋にピザを届けにくると、猿とゴリラのお面をかぶった2人組みに眠らされ、気がつくと爆弾付きのベストを着せられていた。
猿とゴリラは、ニックに銀行を襲って金を持ってこないと爆破すると命令する。

ピザ屋を誘拐して爆弾で脅かし、銀行強盗をした事件は、2003年にペンシルベニア州で実際に起きている。その事件では、銀行強盗をさせられた男(ブライアン・ウェルズ)は爆発で亡くなっている。
但し、後から彼も犯人グループの1人で、最期になって仲間に騙され偽物のはずの爆弾ではなく、本物を装着され、仲間によって爆破されたらしい。
主犯とされるマージョリー・アームストロングという女性は、過去にも夫が謎の死を遂げ、ボーイフレンドを射殺、この事件の直前にも犯行の仲間を殺している殺人鬼だそうだ。(本人はいまだに無実を主張しているが)
この作品と2003年の事件の類似性については、ブライアンの遺族から、抗議のコメントがだされた。

話を作品に戻して、ニックはチェットの学校に行き、彼に助けを求める。
そして、2人のふざけた銀行強盗がはじまる。
この辺にきて、アジズ・アンサリが、少し面白くなってくる。
彼が、車の中でおもちゃのピストルに色を塗りながら、「ピストルに色を塗っている~」と歌うシーンが妙に受けた。
ニックは、ガールフレンドでチェットの双子の妹のケイティーに別れを告げて、銀行を襲う。



マスクの意味なし


この人にラテン系ギャングをやらせたらピカ一


作品に関係ない、デカイ女優が一番目立ったる


銀行強盗シーンもおバカだが、いまいち全体に大笑い出来るシーンがない。
そして、ここから盗んだお金を巡って、殺人を請け負ったストリッパーのボーイフレンドで刑務所帰りのチャンゴ(マイケル・ペーニャ)と、ドゥエイン(ダニー・マクブライド)とトラビス、ニックとチェットの三つ巴の争いがはじまる。

細かい笑いがあるだけの小ぶりな作品かな。
アジズ・アンサリの影響か、「ソーシャル・ネットワーク」で見せたジェシー・アイゼンバーグの演技力からみると、何か今回は彼の演技がわざとらしい。
ダニー・マクブライドとフレッド・ウォードは、いつもと全く同じキャラを、いつもと同じように演じて、新鮮味はゼロ。
思ったよりは笑えなかったが、たまにこういう何も考えないで見られる作品は必要でしょう。


こういう細かい笑いがいっぱい







キラー・エリート / Killer Elite

2011-10-16 | 映画






主演、ジェイソン・ステイサム、クライヴ・オーウェン、ロバート・デニーロのアクション作品。
と、聞いて面白くない訳がない。
が、信じられないことに、そんなに面白くなかった。

観る前は、Rotten Tomatoesの「25%」や、Yahoo Movieの「C+」の評価は、みんな期待が高すぎて評価が辛くなっているのだと思ったが、そうでもなかったみたい。

アクションは、文句なし。
格闘のシーンも、カーアクションも、いつもジェイソン・ステイサム満開。
そしてクライヴ・オーウェンも強い。
2人の格闘シーンは、見ている方が痛くなる。
ロバート・デニーも、まだまだ殺し屋のアクションが出来るくらい元気で、渋い。
でも、何かイマイチ盛り上がらなかった。
期待をしすぎたのかな。



相変わらず切れのいいアクション


主役というよりはサブだったけど、存在感はいつもと変わらず


ちょび髭は似合ってないな


ステイサム演じるダニーは元イギリス海軍の特殊部隊の経験を持つ殺し屋、デニーロ演じる先輩パートナーのハンターと組んでいたが、ある暗殺時に子供の前でターゲットを殺したショックから、足を洗いオーストラリアでリタイヤ生活をしていた。

彼の元に手紙と航空券が届き、ハンターが仕事に失敗したためオマーンのイスラム原理主義のグループに誘拐された、と昔のエージェントから連絡が入った。
ダニーがオマーンに向かうと、誘拐者は死期の近い原理主義の家長で、彼の3人の息子達を殺したイギリスSASの人間を6百万ドルで暗殺しろと要求してきた。

ダニーは、ハンターを救うために、昔の仲間を2人(ディヴィスとメイヤー)集めて、元SASのターゲットを狙い始める。
最初のターゲットのハリスの暗殺の為に、ハリスの身辺を調べている時に、ダニーの仲間のデイヴィスが元SASのメンバーの秘密結社の捜査対象になる。
そのグループは、フェザーマンと呼ばれ、元SASのメンバーが自分たちが殺害したりした過去の敵から、報復を受けないように結成された、諜報、暗殺グループだった。
彼らの実行部隊のリーダーで、ハリス暗殺の調査をはじめたのが、クライヴ・オーウェン演じるスパイク・ローガンだった。

ダニーが2人目の暗殺計画の準備に病院に薬を盗みに入ったところを、スパイクに見つかり、元海軍特殊部隊員と元SASエージェントの大喧嘩(?)がはじまる。
先ほど書いたように、このシーンは見ていて痛い。
スパイクを倒し、薬も手に入れたダニーは、2人目のターゲットも予定通り殺害し、3人目の準備にかかる。

3人目の殺害を実行したが、そこにはスパイクのチームもそのターゲットを尾行して、ダニー達が仕掛けてくるのを張っていた。
何とか3人目の殺害も成功したが、スパイクの手下との争いで、ダニーの仲間のメイヤーが命を落とす。
また、全ての仕事を終えてダニーと別れたディヴィスもスパイク達の待ち伏せにあい、その連中からの逃走中にトラックに轢き殺される。



平気でイスラム原理主義の拷問部屋から脱走を試みるが


この2人の喧嘩は痛そう


ダニーは、オマーンに戻り、3人の暗殺が完了したことを伝える。
ハンターは、無事解放され、ダニーもオーストラリアのガールフレンドのアンのところの戻る。
ところが、もう1人息子を殺したSASメンバーが生きていることを告げる脅迫の電話が入る
アンへの危険を感じたダニーは、彼女とフランスに行き、ハンターに彼女を預け、もう1人の暗殺を実行する。
この暗殺現場で、再びスパイクの待ち合わせにあい、捕まってしまう。
やっと、ここで予告編に出ている椅子に縛られたダニーとスパイクのシーンになる。
拷問を受けているダニーは、椅子に縛られていても強い。スパイクに椅子のままボディ・プレスを加える。
そこにややっこしくも、ジェームス・ボンドが所属するMI6の諜報員が2人の対決に割って入る3人の喧嘩がはじまる。
実は、暗殺の依頼主であるオマーンの家長のファミリーが持つ石油に目をつけたMI6は、今後の交渉の種として、ダニー達の暗殺を容認してきたのだ。
この3人の争いの中、ダニーは逃走に成功して、ハンターとアンの待つところに戻る。

そして、最期のターゲットの暗殺の情報を持ってオマーンに向かう。

やはり、いまいちなのはスピード感かな。
メキシコ、オーストラリア、オマーン、ロンドン、フランスと何度も行き来するのが、ちょっとまどろっこしい。特に一度オーストラリアの往復は、もう少し何とか出来たのでは。
予告編だは、かなりテンポのいい、3人の役者が揃った、アクション作品の印象があったのだが、少し説明調のストーリーと全体のスピードが、いまいちだった。



予告編の、このシーンに結構騙された


最期にスパイクは


  

わらの犬 / Straw Dogs

2011-10-15 | 映画






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邦題が「わらの犬」という1971年に公開されたダスティン・ホフマン主演のリメイク。
残念ながら、原作は観たことがないが、かなりバイオレンスシーンで話題になった映画だったらしい。

原作の舞台はロンドンの片田舎、そしてダスティン・ホフマンの職業は数学者だが、今作の主人公デイビットの職業はハリウッドの脚本家、そして舞台はアメリカのミシシッピーの片田舎。
とにかく、保守的な田舎町と都会のインテリのミスマッチが起こす悲劇だ。
主役を演じるジェームズ・マースデンは、どちらかと言うとミスキャストだと思う。
ダスティン・ホフマンのなで肩のナヨナヨ感が全くない。(なで肩でなくてもいいのだが)
体の引き締まったスポーツマンにしか見えない。同じなのはメガネだけだ。そして、そのメガネが必要以上に強調されて、わざとらしい。
個人的には、ジェームズ・マカヴォイ辺りが適役だったと思うのだが。
そしてヒロインのケイト・ボスワースは、「21」で観ているようだが、ほとんど印象に残っていない女優。
ただ今回の彼女は、とても印象的な演技を見せてくれた。
前半のほとんど化粧もしていないスッピンのシーンでも、とてもきれいだ。
他にはベテラン、ジェームス・ウッドが狂気の高校フットボールのコーチを演じている。



気弱をメガネで表現?


化粧っけがほとんどなかったケイト・ボスワース


ハリウッドで活躍する、脚本家のデイビットと女優のエイミーは、エイミーの父親が亡くなったために、彼女の実家のミシシッピーの田舎に移り住む。
街に到着して、その街唯一の夜は酒場を兼ねたレストランで昼食を食べていると、彼女の高校時代の彼氏のチャーリーとその仲間、街で有名な酒癖の悪いフットボールコーチ、街でただ一人の保安官、そして知恵遅れのジェレミーとその兄たちと出会う。
チャーリーは、エイミーに未練タラタラだ。
酒乱のフットボールコーチは、知恵遅れのジェレミーを罵り殴り、彼の娘に近づかないように脅しかける。
都会っ子のデイビットには、全く違うアメリカ南部の世界だった。

アメリカの南部を印象づけるために、バーと教会を使っていいる。
バーでは、南部の訛りの俗に言う荒くれのレッドネックたちが騒いでいる。
教会は、原理主義に近い超保守的、排他的で聖書が全てだ。
いかにも共和党的な場所だ。



田舎のマッチョマン、チャーリー


狂気の元フットボールコーチ


デイビットとエイミーは、チャーリーと3人の仲間を母屋の屋根の修理に雇うが、ビールを飲みながら、しかも半日しか仕事をしないため、作業はなかなか進まない。
そしてその男たちは、毎日ノーブラでジョギングするエイミーをいやらしい目で追いかけている。
そのことをデイビットは、エイミーの美貌がそうさせるだと思っている。

ある晩、デイビットとエイミーは、クローゼットで猫が絞め殺されネクタイに巻かれて死んでいるのを見つける。エイミーは、それがチャーリー達の仕業だと信じるが、デイビットは証拠がないために彼らを問いただす事に躊躇する。
その日も仕事に来ていたチャーリー達に、猫の件で探りを入れる話をしているうちに、デイビットは、その場の雰囲気で彼らと狩りに行くことなる。
そして、デイビットが初めての狩りで鹿を撃っているとき、エイミーはチャーリーと彼の仲間にレイブされてしまう。

この中盤は、本当にヤキモキさせられた。
デイビットの呑気さも、彼の小道具のメガネをかけるしぐさも、観てるもののイライラを誘う。
オリジナルでは話題になったらしいレイプシーンは、映像的にはそんなにバイオレンスを感じない。
デイビットは、妻がレイプをされたことにも気づかず、相変わらず呑気だ。
このストーリーは、どこにいくのだろうと、とても不安になる。

そして、中盤でヤキモキさせられた理由が終盤に待っていた。
デイビットは、エイミーの事件を知らないまま、この街一番の催し物である金曜日の地元の高校のフットボール観戦に行く。
そこには、例の4人組と、酒乱のコーチ、知恵遅れのジェレミーが来ていた。
男たちを見て、気分を悪くするエイミー。
自らジェレミーをロッカー室に誘いだす、酒乱コーチの娘。
そして、娘を探しに来た、コーチを恐れるジェレミーが事件を起こす。



この人もっと、ストーリーに絡んでくると思ったけど


未練タラタラのバカ男


デイビットと、エイミーは、球場からの帰りに、道路に飛び出してきたジェレミーをはねて、怪我を負わせてしまう。 そして事件を全く知らないまま、彼を家に連れてくる。

娘が行方不明で、頭に血の登っている酒乱コーチと4人の男たちは、ジェレミーがデイビットに匿われているのを知って、彼の家にジェレミーを奪いに来て、家に向けて投石と発砲をはじめる。
保安官が駆けつけるが、完全に狂ってしまったコーチに撃ち殺されてしまう。

狂気のフットボールコーチ、あわよくばデイビットを殺して保安官殺しの容疑をかけてしまおうとする、これまた狂った4人。
錯乱するエイミーに、デイビットは、みすみすリンチにかけられるジェレミーを5人には渡せないと、5人と対峙する決意をする。
終盤は、凄いことになっている。
今まで、ためていたバイオレンスを一気に最期の20分くらいで爆発させて、5人対1人の殺し合いが繰り広げられる。
それは、妻がレイプをされている時に、鹿を倒して恍惚の瞬間を味わったディビットが、自分の中の野生を見つけた戦いだった。

やはり、キャストが一番の失敗だと思う。
ジェームズ・マースデンは、少なくてもチャーリー以外の3人よりははるかに強そうだし。
そして前半から中盤にかけて、彼はまわりからのイジメをもっと鬱積させなければならないのに、それがほとんど感じられない。
元のストーリーが、しっかりしているから一応楽しめたが、もしダスティン・ホフマンのバージョンを観ていたら、もっとがっかりだったかも知れない。



ここからバイオレンスのオンパレードに


1971年のオリジナル