地球が静止する日/The Day The Earth Stood Still ネタばれあり

2008-12-23 | 映画
今回は、リメイク嫌いのキアヌ・リーブスが、1950年代の名作SFに挑戦した「The Day The Earth Stood Still 地球が静止する日





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ある任務を遂行するために地球に降り立った宇宙からの使者・クラトゥ(キアヌ・リーブス)。政府や科学者たちが、謎だらけの彼の存在とその真意を解き明かそうと奔走する中、ヘレン(ジェニファー・コネリー)と幼い義理の息子は、彼のミッションに巻き込まれていく。そして2人は、地球史上最大の危機が、いままさに訪れようとしていることに気づく...(Cinemacafeより)


     
     キアヌ・リーブスにピッタリの無表情の宇宙人役

     
     凛々しいジェニファー・コネリー 首のマフラーが全篇通して気になった

     
     ちょっとわざとらしいスチールだけど熱演のスミス ジュニア


これはオバマ次期大統領のプロモーション映画だ。
本来だったら、年末ではなく9-10月くらいに公開したかっただろうに。
ただ、オバマ氏のライバルのマケイン共和党候補が、選挙の終盤になって、歴代のアメリカ大統領で最低、最悪のブッシュ大統領に、足を引っ張られて自滅していったので、その必要がなかった、と勘ぐってしまうほどオバマ対ブッシュを象徴していた。

この作品で地球人が宇宙人に訴えるのは「We can change」。
オバマのキャッチフレーズは「Change」と「Yes, we can」。
オバマは宇宙人だったのか。

     
     軍隊の間を悠々と逃げる宇宙人

     
     ちょっと宇宙人を調べるにはちゃちな装置では

監督はほとんど無名に近い若手のスコット・デリクソン。自分は、全く聞いたことのない監督だ。
地球人代表としてキアヌ・リーブス宇宙人に対応するのは、「ビューティフル・マインド」のジェニファー・コネリー
いつまでたっても綺麗な女優だ。
ちなみにジェニファーの旦那さんって、「ダ・ヴィンチ・コード」で狂信的な殺人者を演じてたポール・ベタニーというのをはじめて知った。(余談)

そして、ジェニファーの死別した旦那と先妻の間の子供で、その複雑な関係から多少ひねくれている子供役にジェイデン・スミスが演じている。
彼は、あのウィル・スミスの実の息子で、その演技力は「幸せのちから」で証明済み。
他の多くの子役のように、人気に溺れて落ちていかない様に、頑張って欲しい役者だ。

     
     キアヌ・リーブスの相手役って美人ばっかり それにしてもマフラーが気になる

     
     「未知との遭遇」のシーン?

ストーリーは、ある日突然、巨大な光の球体がセントラルパークに現れる。
アメリカ政府は、レーダーで謎の物体を認知した直後に有識者を集めてタスクフォースを組織し、その1人に宇宙科学を専門とするヘレンが含まれていた。

彼等の目的は、長年調べていた人類が地球に及ぼす悪影響の最終調査だった。
その使者がキアヌ・リーブス扮するクラトゥ。
彼は、何故かヘレンを頼って、その調査を開始する。
地球に忍び込ませた中国人になりすました調査員と会い中国語で会話するキアヌ・リーブスが見れるシーンもここで出てくる。
その内、会話は、英語になってしまうのだが。アメリカ人の字幕の読解能力とその我慢度に合わせたと思われる。

そして、クラトゥが達した結論は、人類をリセットして地球を救おうということだった。散々、ヘレンに手伝ってもらいながらも容赦ない決断だ。

     
     もうすぐリセットします

     
     何もわからず足を引っ張るアホ大統領と軍隊

その間、おバカな軍隊は、光の玉の前に仁王立ちになっていた巨大な宇宙人を捕獲して解剖を試みる。
そして、その宇宙人が無数のゴキブリに似た虫で、構成されてた事を知った時、そこにいた全員と全ての武器・物質はゴキブリに食い尽くされていた。
ここからのシーンは、「デイ・アフター・トゥモロー」のニューヨークが、巨大な津波や氷河に襲われるシーンを思い出させた。
ただ、今回はゴキブリに破壊されている。

そしてもう1人、今考えると、お前こそ悪の枢軸だろう、と思われるアホのブッシュ大統領が(ここでは何も言っていないが、間違いなくブッシュ大統領をイメージさせる)、自分だけ安全圏に逃げ込んで、総攻撃の指示を出す。

逆に、血はつながっていないがヘレンと息子のジェイコブの親子愛に感激したクラトゥは、彼等の願いを聞き入れて人類を維持するように動き出し、セントラル・パークに向けて、ゴキブリとの競争が開始される。

     
     ゴキブリが集まってきた

     
     ゴキブリがフットボールスタジアムを食い尽くす

前半は、わりとゆっくりで多少説明調になっていたが、中盤ゴキブリが現れてからは、テンポのいいスピードで一気にクライマックスに向かった。
フットボールスタジアム崩壊に代表されるCGもはすばらしい。
表情が豊かとは言えないキアヌ・リーブスの宇宙人役もはまっている。
ただ彼の親子の愛にふれた時の目つきが、ふっと一瞬で変わったのには、正直びっくりした。

そしてこの作品は内容よりも、ブッシュ政権に対する痛烈な批判が入っているという面で、大満足だ。
ありがた迷惑のゴリ押しの喧嘩で次々に敵を挑発し、世界平和・安全に対する配慮はゼロに近く、私欲の為としか思えないオイル価格に対する無策、アメリカ経済の無策、そして京都議定書を無視する環境無政策等々、よくここまで出鱈目が出来たと感心する。
そして、戦争気分を煽られ4年前に彼を選んでしまったアメリカ人に対する反省も含めた批判であると思いたい。

これも余談だが、今作の国防長官役は、オバマ政権で米国土安全保障省の長官に選ばれたアリゾナ州知事のジャネット・ ナポリターノとかぶるのだが偶然だろうか。


トリビア
終盤の公園で主人公達が逃げ込んだ橋の下は、「クローバー・フィールド」の最後のシーンと同じ場所


オリジナルのトレーラー なんかちゃっちい