築地散策で時間が迫ってしまいました。
それまでのお話は「東京を遊ぶ (1)」で
お目当ての歌舞伎座『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台「十二月大歌舞伎」』 。開幕までもう少し。
築地からそう離れているわけではないですが、ちょっと焦り気味に歌舞伎座へ。なんとか間に合うことができました。
公演の観覧予定のかたはネタバレ注意ですよ(笑)
入り口でガイドイヤフォンを借りて、昼食の手続きをして。
さあいよいよ夢の世界へ!
祝い幕は、銀座の町に突如現れたゴジラ親子。あの樋口真嗣監督のデザイン!白猿が『ゴジラ』の大ファンなのだとか。
皆さん開幕までのわずかな間に写真撮影!私も一枚!
始めの演目は「鞘当て」。
松本幸四郎が主演。
「鞘当て」とは、もともとこのお芝居から派生した言葉。武士が道で行き違うときに、互いに刀の鞘に触れたのをとがめ、争うこと 。
吉原の夜。
深編み笠を被った主人公の山三は、道ですれ違った、同じく深編み笠の不破伴左衛門 と刀の鞘が触れたことでもめる。
吉原の夜。
深編み笠を被った主人公の山三は、道ですれ違った、同じく深編み笠の不破伴左衛門 と刀の鞘が触れたことでもめる。
喧嘩の間に入った茶屋の主人が、二人の刀を入れ替えて渡し、杯をかわすことで終わりにしようと提案する。
お互いに見覚えのある顔。
不破伴左衛門にとって山三は、山三の恋人、花魁の葛城をめぐる恋敵。
対して山三は、父の刀を奪った男を探している。
跡目相続でもめる主家で何者かに父を殺され、跡目相続に不可欠の神妙剣の一巻と、自分の刀と対になる父の名刀を奪われた山三。山三は、父の罪を問われお家断絶の状態。なんとか父の仇を見つけてやろうと思っている。
茶屋の主人の顔を立て刀を入れ替えたところ、相手の刀が鞘にピタリと収まった。それは自分の刀と対である。つまりは自分の父の仇であるに違いないと確信する。
さあどうなる!
原作の、鶴屋南北作『浮世柄比翼稲妻 』はとても長いお話。今回の「鞘当て」は見どころの、二人が鞘当てし、茶屋の主人に止められ刀を入れ替え収めようとする…という場面だけが描かれています。この二人にはまだ大きな因縁があり。原作が分からないと、薄いお話のように思えてしまう作品。イヤフォンを借りておいてよかった(笑)
茶屋の主人はなんとあの香川照之!良くも悪くも時の人です。
この芝居において茶屋の主人は、山三や不破伴左衛門を演ずる役者さんに影響を与える役者さんを起用することが多いのだと何かに書いてありました。
こういうめでたいお披露目で、重要な役を演じ汚名挽回の場を与えるというのが歌舞伎の懐の深いところでしょうか?
次の演目は「京鹿の子二人道明寺」
初代の鐘が清姫の情念によって焼けてしまい、今日は道明寺の鐘再建のお祝い。修業中の坊主たちが宴を楽しむ中、清姫の霊が二人の白拍子となり舞を踊るという内容。
安珍との出会いから馴れ初めを思い踊る長丁場の作品。
白拍子は勘九郎と菊之助。時には初々しく、時には色っぽく。衣装何度も替え変え音の調子を替え踊る舞は本当に華麗!
最後ついに化け物と化した白拍子!あわや…
勘九郎と菊之助二人の踊りにただただため息の作品でした!
楽しみにしていたお昼です。
二人の襲名披露の特別デザートが付いて!
窓の外は別世界!贅沢なひと時です。
そして待ちに待った3作目!市川新之助初舞台「毛抜き」です!
名家小野家では宝の短冊が盗まれ、お姫さまは原因不明の病気。しかし、姫の婚約者の家臣粂寺弾正が小野家のかげで悪だくみがなされていることを見抜き、難事件をみごとに解決!そのきっかけは、なんと<毛抜>。退屈しのぎに毛抜で髭を抜いていた弾正が見つけたものとは?
大らかで楽しい歌舞伎十八番の一つ。
名探偵弾正を演じるのはもちろん市川新之助!男気があって大らかで、とにかく魅力的!その上、なんとこの弾正色好み!お小姓の手を握って振り切られ、なんとも面目ないとへへへと笑い、性懲りもなく茶を運ぶお女中の手を握って振り切られ、またなんとも面目ないとへへへと笑い!まあその姿が可愛らしいこと!
新之助君があのパタリロに見えたのはやっぱり世代でしょうか(笑)
終始笑いの絶えない舞台に大満足!新之助君!お疲れ様!
さて、楽しい公演の後は5階へ。
朝にお参りした歌舞伎稲荷神社。建物の前の小さな稲荷神社。「商売繁盛」「家内安全」「縁結び」 などのご利益があります。
御朱印は5階の売店で売られています。歌舞伎座ならではの面白さ。
お目当ての御朱印が美しい!
そして歌舞伎座の空中庭園へ!
風が冷たくなってきました。可愛らしい新之助君の演技を思い出してほくそえみながら。次の目的地へ!
東京を遊ぶ (3)へつづく!
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