お友達のてんちゃんと、旅行に行って来ました!恒例の珍道中です。今年はお休みが中々合わず、近場にしようかということで、千葉、東京コースにしました。
ところで、千葉っていうと落花生くらいしか思い浮かばないんだけど、あと成田山じゃない?ということで、行き先は成田山ということになったのですが、せっかくなのでもう一箇所、水郷、佐原に寄って来ることにしました。
どうも川下りができるらしい!というのがポイント!好きなんですよね、川下り。テンション上がります!
東京から近いようですが、電車の数が少ないからかちょっと時間がかかりました。でも、とても静かなまちで、少し鄙びた感じがとてもいい。まちなかを流れる小野川の脇に小さなお店が連なっています。
すぐにでも川下り!とも思ったのですが、その日はまちづくり活動をしているNPOの方々が、ボンネットバスの(昭和初期のものですって!)運行をしていたので、それに乗ってまちをひとまわり。香取神社や酒蔵を見学してきました。
いやあ、歳って取りたくないですねえ。朝早くに家を出て、電車に揺られ、バスに揺られ、何だかすごく楽しいのですが、だんだんぐったりしてきてしまった。その上、その日おろした靴が足に合わず、もうつま先が限界!
てんちゃんに、川下りしてホテルに帰ろう!とお願いしました。
「分かった。でも姪っ子に佐原張子を買ってあげたいから、もう少し付き合って」
そうだよねえ。ここまできて悔いは残したくないもんね。ガイドブックにも紹介されていた、佐原張子の三浦屋さんへ。わりと近くにあるようです。
ところが、行けども行けども三浦屋さんにたどり着かない。「もう少しだと思うんだけどねえ…」というてんちゃんのあとから、げっそりとした顔で足を引きずりながらついていきます。
やっとの思いで見つけた工房はどうもお休みらしく、鍵がかかっったまま。でも、せっかくここまできたんだから、裏の自宅(らしきところ)に声を掛けてみたら?てんちゃんが自宅へと向かいました。遠くから「今日はお休み?そうなんですか、すみません」というを聞いた途端、気力が果てました…
「ごめんねえ」と帰ってきたてんちゃんの後ろを、おじいちゃんと若者二人連れが追いかけてきました。
せっかく来てくれたんだからと工房を開けてくれて、作品を見せてくれました。小さな工房で、あまり品数は多くありませんでしたが、まあ素朴なお人形。どれもかわいい!
かわいいでしょ?
ちょっとお高くて気楽に子供にお土産という訳には行きませんが、「かわいいねえ!」を連発しながら工房を出ると、おじいちゃんが、誇らしげに本を1冊見せてくれました!
「QUALITIES Objects&Products」。フランスで日本の手仕事を紹介した本。表紙にはおじいちゃんの張子が!!まあ、それは自慢らしく、「HANAKO」に張子を紹介してもらったのがきっかけでお話をいただいたとかで、「蓋を開けてみたら、うちの張子が表紙に載ってて!!」となんとも嬉しそう。
昔は佐原にたくさんあった張子屋さんも、今や三浦屋さん1軒になってしまったとか。今では張子の需要もなくなってきたということでしょうね。手軽なおもちゃがあふれている今、こんなにカラフルでかわいい張子も、伝統工芸品としてしか残る道がないというのは寂しい限り。それでも、佐原張子の伝統を一人で守ってきたおじいちゃんには敬服します。
そのおじいちゃんの心意気と、美しい張子に魅せられて、若いお弟子さんがついてくれたのだとか。
ステキな本ですね。おじいちゃんの手仕事が海外で評価されたってことですよね。と言うと、少し照れてはいましたが、おじいちゃんの顔はすごく誇らしげでした!
表紙を飾ったこのかわいい張子ですが、来春発売の無印の福袋に入るそうです!楽しみ!!
さあ、工房を後にして川下りです。そろそろ日も暮れてきました。
舟乗り場に居たおばあちゃんに、すいません、次の舟はいつ出ますか?と聞くと、
「ごめんねえ、さっき出たのが最終だよお」とのむごい返事…
ああ、これが目的だったのだけどなあ…、まあステキな出会いがあったので、それでよしとしますか!!