140億年の孤独

日々感じたこと、考えたことを記録したものです。

名古屋フィル#15チャイコフスキー③「悲愴」

2011-11-03 20:16:13 | 音楽
チャイコフスキーの交響曲第3番と第6番「悲愴」を聴いてきた。
指揮者はロッセン・ゲルゴフという人だった。
うん、知らない。ゲルググなら知っている。シャアが赤いのに乗っていた。

「悲愴」のインパクトが強すぎて第3番の感想は忘れてしまった。
「悲愴」はチャイコフスキー自身が「最高の出来栄え」と語っているように
マンフレッド交響曲を含む他の6曲をはるかに凌ぐ傑作だと思う。
チャイコフスキーの第5番を酷評したブラームスも「悲愴」レベルの交響曲を
残すことができなかった。

アダージョに始まりアダージョで終わる交響曲にはマーラーの交響曲第9番がある。
マーラー最後の交響曲も彼の作品の中で最高傑作と言えるだろう。
しかし消え入るように終わる終楽章はチャイコフスキーがマーラーよりも
16年先んじて書いていることになる。16年遅い分だけマーラーの方があの世に近いが・・
終わり方も消え入るようだが始まり方も無から生じたように弱音で入る。
無から始まり無に還る点では人生を暗示している感じがする。

第2楽章はワルツになっている。
「くるみ割り人形」の「花のワルツ」が有名だがチャイコフスキーはワルツの名手だ。
ちなみに私はウィーンフィルのニューイヤーコンサートは苦手だ。
第3楽章は行進曲になっている。全曲を通じて一番盛り上がる。
この楽章で終われば拍手喝采で客も喜ぶところだが
彼は敢えてそういう構成を採らなかった。

チャイコフスキーは自身の指揮で「悲愴」の初演を行った9日後に亡くなった。
作曲家は書きたい曲があるうちは死なないものだと思っている。
きっと彼はこの曲に満足したのだろう・・・

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