チリのアタカマ砂漠に設置されているアルマ望遠鏡による観測で、若い星
の周りに大量のアセトニトリル(CH3CN)が検出されました。
この星(WMC 480)は100万歳ほどの星で、おうし座の方向にあります。
周囲には惑星形成の現場となる原始惑星系円盤が存在しています。ただし、
その中で惑星が生まれているかどうかは未確認です。今回の有機分子が
見つかったのは、恒星から45億~150億kmほどの距離(太陽から海王星まで
が約45億km)です。
こういった有機分子が存在していることは生命の材料であるアミノ酸など
も作られている可能性を期待させるとともに、過去の太陽系で起きた
出来事を考える上で、とても参考になります。
地球の生命体の材料は、地球で作られてモノではなく、彗星や微惑星に
よって宇宙からもたらされたという考えに、より説得力をもたらす発見
と言えます。
Credit:B. Saxton (NRAO/AUI/NSF)