ズルズルっと豪快に音をたてて食べると、なんともおいしく、涼感ただよう不思議な食べ物。 暑い夏、そばで栄養が摂れるなら、なんともうれしい味方になりそうだ。 ところで、そばは低カロリーでヘルシーなイメージがあるため、体にはよさそうだが、「疲労回復によい」というイメージはないだろう。
しかし、他の穀類と比べても、そばは意外にも栄養価が高い食品なのだ。 そばにはビタミンAやビタミンCが含まれていない。 その代わりに、ビタミンB1、B2が豊富に含まれている。 ビタミンB1は「疲労回復ビタミン」と呼ばれ、糖分やでんぷんなどの糖質をエネルギーに変換するのに不可欠な存在だ。 ビタミンB2には、たんぱく質や脂質、糖質などの代謝に関係する酵素を助けるはたらきがある。 栄養素の代謝を助け、成長、発育を促すのがビタミンB2なのだ。 また、そばには植物性たんぱく質が多く含まれており、精白米やうどんと比較しても断然豊富だ。 そして、何よりたんぱく質を構成しているアミノ酸のバランスが良い。 通常、小麦などの植物性たんぱく質はアミノ酸スコアが低いと言われているが、そばは他の穀類と比較してアミノ酸スコアが高い。 特に、発育に大切な必須アミノ酸である「リジン」が、そばには多く含まれている。