エミール・クストリッツァ監督、1985年の作品。スターリン主義の影響下にあった50年代初頭のユーゴスラビアを描くヒューマンドラマ。カンヌ国際映画祭ではパルム・ドールに輝いた。
少年マリックの父親は、隠れて愛人を作ったりして
いい父親ではないけれど、
マリックの家族にとって愛すべき大事なパパ。
そんなパパが愛人に漏らした、
ふとした政治批判が党の人間へ密告され、
パパは収容所送りになって強制労働さ . . . 本文を読む
1940~50年代はアメリカ、セックスに関する赤裸々な調査結果を発表し、世間の賛否両論の嵐を巻き起こした動物学者アルフレッド・キンゼイ博士の生涯を描く。『シカゴ』のビル・コンドン監督、2004年の作品。
「性行動」を“恥”とする傾向は世界共通なのだろうか――。
あまり自分の性行為に関するあれこれを、
赤裸々に語る人はいない。
(学生の時代の酒の席などではよくあったが。。。)
ゆえに、今の時代にあ . . . 本文を読む
『ガープの世界』『サイダーハウス・ルール』などの原作で知られるジョン・アーヴィングの小説『未亡人の一年』の前半部分を原作に映画化した作品。監督は新鋭トッド・ウィリアムズ。2004年の製作。
いいですね。あたかも評価はちょうど
『サイダーハウス・ルール』といったところでしょうか。
ほろ苦く切なくも、愛にあふれる佳作です。
2人の息子を事故で失った、
児童文学作家の夫とその妻の悲しみは深く、
事故 . . . 本文を読む
ウディ・アレン監督、2005年の作品。舞台はロンドン。元プロテニス・プレイヤーのアイルランド人青年クリスは、実業家の息子トムのコーチになり気に入られ、さらに運よく彼の家族にも気に入られ、順風満帆に上流階級の生活を手に入れていく。だがしかし……。
クリスを演じるのは「ベルベット・ゴールドマイン」の
ジョナサン・リース・マイヤーズ。
端整な顔立ちと、優美なたたずまいが、
「こいつ何かたくらんでいるの . . . 本文を読む
「アンダーグラウンド」のエミール・クストリッツァ監督、2004年の作品。1992年、セルビアとの国境にほど近いボスニアを舞台に、紛争中、民族を超えて愛し合った男と女の恋愛模様を描く。
クストリッツァ監督の描く作品は、
「アンダーグラウンド」でもそうだったように、
たとえ戦争や紛争を描いていても、
そこで暮らす人々や、引き起こる事件は
とてもファンタジーにあふれています。
牧歌的な山の町に紛争が . . . 本文を読む
「キリング・ゾーイ」のロジャー・エイヴァリー監督、2003年の作品。「アメリカン・サイコ」の著者ブレット・イーストン・エリスの小説を映画化したもの。
アメリカ・ニューイングランド地方、
裕福な美大生が生活する寮が舞台。
そこではドラッグとアルコールで毎日バカ騒ぎが展開されている。
「世界の終焉パーティ」「仮装で一発パーティー」などなど、
学生たちはパーティごとに、パートナーを変えつつ、
セックス . . . 本文を読む
アン・リー監督、1994年の作品。父と子のドラマを描いた三部作の3作目。今回の舞台は台湾で、男やもめとその娘三人との関係を描く。
父親役はもちろんロン・ション。
いつもしっかりした父親を演じているが、
今回は元5つ星ホテルのシェフで中華料理の達人ということもあって、
家事・料理・洗濯、さらになんでもできるスーパー親父である。
それぞれ外で働いている娘三人。
家の仕事は父にまかせっきりだが、
贅 . . . 本文を読む
韓国のチョンジュ国際映画祭にて毎年アジアの気鋭監督3人を起用して製作している短編オムニバス「三人三色」の2004年版。今回は、「殺人の追憶」のポン・ジュノ監督、「天上の恋歌」のユー・リクウァイ監督、「ユメノ銀河」の石井聰亙監督の3人。
ポン・ジュノ監督の「インフルエンザ」。さすがですね。
監視カメラに映った映像をつむぎ合わせる設定で、
ATMでの窃盗を繰り返す男女の泥棒たちの姿を撮っている――。 . . . 本文を読む