「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

香しいカレー炒飯を平易につくる@七里ガ浜自宅厨房

2009-07-09 03:55:07 | 食べ物・飲み物
七里ガ浜は一昨日夕方から変な天気が続いた。濃密な湿気を含んだ空気がかなり強い風にあおられて海から山に向かって流れる。靄あるいは霧と呼ぶべきか、白く非常に細かい水の粒が連続してさまよう姿は、なんとも幻想的である。好き嫌いは分かれそうだが、私の好みではあるなぁ。終日晴れることもなく、気温もそれほど上がらないからだ。時間帯にもよるが50m先が霞んで全く見えないこともあった。画像は我が家からスグの風景。普段なら向こうに鎌倉山の南端と、斜面に並ぶいくつかの住宅、そしてその手前の家並がズラッと見えるが、それらが何も見えていない。



さて、私は深く傷ついていた。前日スパゲティ・ボロネーゼをつくるのに大失敗をしたからである。「ボロネーゼ?あのミートソースのことか??」とバカにすることなかれ。シンプルなものほどバランスをとって仕上げるのは難しいのである。スパゲティ・ボロネーゼをバカにする人は、あれこれいろいろな種類のスパゲティを自分でつくったことがない人である・・・と暴力的に結論する。何事も一からやるのは大変なことなのだ。ボロネーゼをこってりと同時に香り高く仕上げるのはなかなか難しい。

失敗は、手を滑らせコップを割ったことから始まった。コップを割ったら、即片づけないと危ない。しかしそれをしている間にスパゲティは伸びてしまい、丹精込めてつくったボロネーゼのソースが煮詰まり気味になってしまったのだ。それまでの長い調理プロセスに力が入っていただけに、くやしいものだ。



前置きが長くなった。今回は敗者復活戦なのである。「前日の失敗を糧として、ランチにカレー炒飯を作れ!」というシンプリシティーの極みのような命令が妻から発せられた。ボロネーゼもそうだが、シンプルな命令ほど、美しく完遂させることが難しいものである。もはや失敗は出来ない。背水の陣だ。私は熟考に熟考を重ね、材料とその割合を決定した。一口にカレー炒飯と言っても、その材料の選択、調味料の選択、それぞれの配合比率には無限の組み合わせがあるのだ。

上の画像は最寄りの西友七里ガ浜店で購入した鶏モモ肉とミックスト・ベジタボーである。鶏モモ肉は約260gだが皮をはがしたので、正確にはもう少し少ない量しか使っていない。西友のミックスト・ベジタボーはとても良い。安価で1袋にたくさん入っているからだ。最近の西友はますます頑張っている。とにかく安い。安い商品を店内の要所要所に配置し、消費者を喜ばせてくれる。

カレー炒飯の具として我が家ではよく冷凍エビを使う。それはそれで良い。しかし今回は香ばしいものを作りたかったので、エビではなく鶏肉を選んだのである。鶏肉が油の中で調味料をまとい、多少焦げ気味になった時の香ばしさは堪らない。この鶏モモ肉を1cm四方くらいの立方体に切り刻み、待機させておく。



上の写真は玉ねぎ。なんと豪州タスマニア島産だ。袋に印刷された文字(白っぽい下線あり)に注目せねばならない。昨日西友七里ガ浜店には玉ねぎが2種類売られていた。1つは佐賀県産、もう1つがこのタスマニア産である。私は迷わずタスマニア産を買った。だっておもしろそうだったから。オーストラリアという大陸(地図上の外見は島だが)は独特な生物が多いことで有名だが、そこからさらに南に切り離された冷涼なタスマニア島は、もっと不思議な自然や生物を誇る土地なのだ・・・と偉そうなことを言ったが、私はまだ行ったことがない。

玉ねぎも入れるかどうかでかなり悩んだ。何でもそんな簡単に結論は出ないのだ。玉ねぎを丹念に炒めるととんでもない甘みが確保されるが、それを甘くしようとすればするほど炒め続けることとなり、「ますます甘いぞ甘いぞ」と調子良く炒めていると、今度は玉ねぎが溶け始め切断面の角は丸くなり、炒飯の出来上がりがべチャッとなってしまう。玉ねぎを入れないというのも一つの選択だ。あっさりと仕上げるならそれも良い。しかし今回はこのタスマニア産玉ねぎを入れることにした。難しさに敢えて挑戦し、味覚に甘さを加える高度な作戦を厨房で展開したのである。



味付けは塩、胡椒が中心。しかし鶏ガラスープの素も少し入れる。画像下に写っているが、ニンニクを2かけら加えた。カレーは安易にS&Bのカレー粉(ルゥを粉末にしたもの)を使った。

単なるカレー粉だと塩辛さも旨味もないただのカレーの香りとなるが、今回の商品は粉末とは言えルゥであるからして味つきである。前者は無難だ。後者は使いようで大変おいしくなるが、失敗するとちょっとベタつきしつこくなる。慎重さが必要だ。1人につき、大さじ1杯くらいの按配で使う。

ニンニクも考え方が分かれるところである。あまり効き過ぎると、炒飯全体の香ばしさが損なわれてしまう。なんだかしつこい味になるのだ。これもかなり控えめに使うことにした。



しかしそのままでは辛さがまったく足りない。輪切り唐辛子をすりこぎ棒でつぶして、投入!これで辛さは3倍くらいになる。発汗作用抜群のランチである。私はこういう時に豆板醤を使うこともあるが、今回は唐辛子を使うことに決定。



さて、調理開始である。愛用の直径32cmの中華鍋に油をなじませ加熱、そこにみじん切りのニンニク、唐辛子を入れてクツクツ加熱。油にニンニクと唐辛子の香りを浸みこませる。さらにみじん切りのタスマニアン・オニオンをぶちまけ、丹念に炒める。最初は目が痛いくらいの玉ねぎ臭がしたがやがて落ち着き、どんどん甘い香りが広がった。玉ねぎはジャガイモとともに人類の味方である。佐賀県産もタスマニア産も。保存も効くし、おいしい。

玉ねぎが油と唐辛子とニンニクまみれになりながら炒め上がって行く姿は愛おしい。炒めながら香りを嗅ぐ。「美味しいこと間違いなし」であることを私はこの段階で確信した。



そこへ今度は鶏モモ肉を刻んだ状態で投入!どんどん炒める。ちょっと味見。鶏肉がちょっと焦げ気味になるくらいで良い。醤油をちょっとたらす。さらに味見。う~ん、やっぱり美味しいぞ!後は、そこにミックスト・ベジタボーを入れ、調味料で具全体の味を調え、さらにご飯を入れカレー粉を加えて炒めれば出来上がりである。



完成!どや???



拡大画像をご覧あれ。鶏モモ肉の焼け具合。玉ねぎが黄金に輝く。黄色いごはんにミックスト・ベジタボーの色が映える。あまりにおいしいカレー炒飯。妻も絶賛し、スプーンを持っていない左手の親指と人差し指を丸めて「OK」のサインを出した。そうだろう。私が一晩中寝ないで熟考したレシピなのだから。

前日のボロネーゼの失敗以来傷心気味だった私も、これで一挙にリゲインした。材料はなんでも西友七里ガ浜店でそろう。格安だ。七里ガ浜の皆さん!カレー炒飯で夏を乗り切ろう!
コメント (12)
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