「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

紅茶を普通に飲む(3) 茶葉を買う / 紅茶のエンゲル係数

2009-06-25 23:03:58 | 食べ物・飲み物
この投稿のタイトル「紅茶を普通に飲む」は、先日書いた「豪州ワイン」他の話題同様、私個人の普通の生活スタイルに合うという観点から、私が選んだものについての私の経験を指しているに過ぎない。あれこれ試した結果、私が「これが皆にとってのベストだ!」と主張しているのではないのである。

その「普通に飲む紅茶」のポイントは以下の通りである:
●朝ごはんとともに頂くミルクティー
●インド産あるいはそれを中心としたブレンド
●濃く出せるブラック&ストロングな茶葉
と言うことはある程度必然的に・・・
●香りよりも、どちらかと言うとコク
●しかも「日常用」であるからしてあまり金を出したくない
他の多くのこと同じく、こうした特徴をすべて兼ね備えた紅茶を探すことは容易ではない。最後の条件がなければどうにでもなるが、そうは行かず、それにより選択肢が少なくなるのだ。



朝ごはんとともに楽しむ普通の紅茶となれば、それは鯵の開きと一緒に楽しむ番茶あるいは味噌汁の如くである。そのコストがパンやマーマレード対比で一定の割合以下に保たれ、かつそれなりの水準を持つ品質の茶葉が存在しなければ、いつまで経っても日本で「紅茶を普通に飲む」文化は普及しないであろう。どうでもよい紅茶か、あるいは妙に典雅で高級な紅茶ばかりでは困ってしまう。「普通の紅茶愛好家」は紅茶をおいしく飲みたいとは思うが、紅茶のエンゲル係数をやたら上げるわけには行かないのである。

私の勝手な諸条件を満たしつつ、エンゲル係数をかなり抑え、苦労しないでも日本のあちこちで買えるという点では、ご覧のTwnings社のEnglish Breakfastは有難い。近所のスーパーでも並行輸入品の200gの缶が700~800円程度で買える。茶葉を惜しまずにこれをドバドバと使えば、しっかりとしたストロングなミルクティーを作ることは簡単である。あまり強い個性があるものではない。茶葉はこうした「ブレックファースト」ものによくある細かい葉で、ブレンドが行き届き、一定の品質がいつも確保されている。

どうでも良いことだが、この缶はとても良く出来ていて、蓋と底がピタリと重なって固定される。重ねて保管する場合には非常に安定して便利である。



最近この缶のデザインが変わった。以前の缶の方が良かったのである。上の画像が新しい缶で、下のが古い缶のデザインだ。私は馴染みのある古い缶の方が好きである。

この並行輸入品でしか手に入らない安い200g缶はシリーズで5種類の茶葉がある。ご覧の赤い缶以外にも、クリーム・イエローのアール・グレー、紫のダージリン、黒のキーマン、オレンジのオレンジ・ペコ。先日近所のスーパーに行ったら、黒缶だけが売られていた。商品名は「プリンス・オブ・ウェールズ」、つまり今でいえばチャールズ皇太子だが、この中身はキーマンだ。キーマンはおそらくこの5種類の中で日本では最も売れない茶葉ではないだろうか。そしてそれだけを売っているというスーパーもなんとも的外れで変わっていて、面白かった。意図的にそうしているのか、偶然か。私は買わなかったが。



ストロングなブラック・ティーでミルクとの相性が良いことを条件に探すと、コクと深みがさらに強そうなアイリッシュ・ブレックファーストに行き着いた。いっそのことアイルランドの紅茶屋に買いに行ったらどうかと思い、行ってみた(ウェブ上で)。アイルランド人自身は国内でわざわざこれを「アイリッシュ・・・」などとは呼ばないらしい。広島で「広島風お好み焼き」とは言わず、関東でおでんを「関東煮(かんとうだき)」と言う必要がないのと同じか。しかし今や「アイルランド」を付けるとグローバルにはプラスに響く。

本日オーダーしてみた。価格はユーロ建てだ。もはやPunt(アイリッシュ・ポンド)ではないのである。便利なようなつまらないような。やがてスターリングもなくなるのか??? 購入したのはアイルランドの老舗Bewley'sのアイリッシュ・ブレックファーストである。しっかりした紅茶で朝のミルクティーにぴったりなはずだ。
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紅茶を普通に飲む(2) インド/セイロン茶

2009-06-25 10:12:51 | 食べ物・飲み物
ジョージ・オーウェルの言う「紅茶はインド産あるいはセイロン産」については私もほぼ同意する。中国産のキーマン(キームンとも)あるいはラプサンスーチョンもおいしいけれど、私の場合、日常使いとして飲むには不適である。誰でもどんな紅茶でも好きなスタイルで飲めば良いわけだが、一般的にはこうした中国茶はミルクを用いず微妙な味わいをストレートに味わうべきものだろう。

我が家の場合、一日中紅茶を味わうということはない。朝必ず食事(パン食)とともに一杯飲んで、あとは大福餅、煎餅、スナック菓子、あるいはビスケットなどのおやつを食べた時あるいは夕食後に「日本茶じゃなくって、紅茶にするかな」という感じで飲む、といった使い方なのだ。


(インドの紅茶農園、フリー画像サイトからの頂き物)

そうであるとすると、自宅に置く茶葉はやはりミルク・ティーに最適なもの、朝ごはんとともに飲んで頭がシャキッとするものが良い。だからインド茶あるいはそれを中心にしたものが必要だと感じる。もちろんキーマンや高級なダージリン(因みに「ダージリン」は文字通りインド茶ではある)等もたまには飲みたいしそれらのお茶も好きなので、時々そうした茶葉を買うけれども日常生活での紅茶の飲み方が上記のとおりなので、キーマン等では我が家でそれほど消費が進まない。

ところが忘れてならないポイントだが、紅茶というものは生鮮食料品なのである。缶に書かれたずっと先の賞味期限を守っていれば良いというものではない。封を切ったら素早く飲み切ることが肝要なのだ。これはジョージ・オーウェルが先の随筆の際にうっかり書き忘れた項目であると後世の文学関係者や紅茶関係者が指摘している・・・ウソ。私が勝手に「彼は書き忘れた」と思っているだけ。

したがって自宅に常備するのは毎朝ごはんとともに自分が飲む茶葉1種類に限定し、それをサッサと飲むよう心掛けている。我が家の場合、それはインド茶あるいはそれらを中心にしたものでブラックでストロングな茶葉しかあり得ない。我が家にあるのはアッサムか、あるいは各社から出ているナントカ・ブレックファーストと呼ばれる商品で、私はそれを飲み続けるのである。


(Tiptree社定番オレンジ・マーマレード。ストロングなミルクティーと相性よし。王室御用達。今や日本中のスーパーで買える)

茶葉は妙に高価である。これはどういうことかと不思議に思っている。日本国内の販売価格は異様である。いろいろ流通の仕組みがあるのだあろう。その説明もなされるが、どうもよく理解出来ない。あらゆるものが日本で同じように高いなら、それは流通、貿易、関税の仕組みによるものと納得するが、そうではない。

例えばウイスキーを見ると、為替レートの急激な変動により換算額に変化が生じることを除けば、日本も英国も米国も概ね似たようなものである。だからもはや海外旅行者や出張者が帰り際、ヒースロー空港内の免税店で重いウイスキーをわざわざおみやげとして買うことが流行らなくなってしまった。

一方ピカデリー・サーカスのフォートナム&メイソン社本店に行くと、大量の日本人観光客が紅茶売場に群がっている。現地に住む日本人は「まったく!日本人観光客って他に行く所がないのかしら」としかめっ面をしたりするが、それは正しくない。この場合、日本人観光客の行動に経済合理性があるからだ。と言うのはウイスキーと比較すれば、紅茶をロンドンで買うことは「する価値のある」行為だからである。紅茶の内外価格差はそれほどまでに激しいのだ。


(F&M社アッサム・スパーブ 同社のウェブサイトより)

上の画像はF&M社のアッサムである。同社製品の日本における総代理店である三越百貨店では、この250g缶を4,725円で販売している。ちゃんとしたお米が10kg、あるいは相当なレベルのシングル・モルト・ウイスキーが買える値段だ。ところが、まったく同じものが同社英国本社のサイトの通販ではわずか6.95ポンドで売られている。米国法人のサイトではちょっと上がるがそれでもわずか18ドルである(価格はいずれも本日のもの)。この差は如何に説明されるべきか。

普通、こういう内外価格差があると、必ず並行輸入をする食料品輸入商が出て来て、安くこの茶葉を販売することであろう。しかしF&Mに関してはそれがほとんど見られない。同社の販売網へのケアと同時に絞めつけが相当しっかりしているのか。そうでなければ日本政府の茶葉への課税が厳しいのか。未だ調べておらず不明である。
コメント (4)
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