構法3種。ティンバー・フレーム構法、木造軸組構法(在来構法)、ポスト・アンド・ビーム構法。
ティンバー・フレーム構法というと、何か特別な構造をした建物かと思う人もいるかもしれないが、そんなことはない。柱を立て、その上に桁や梁を載せるという基本的な構造は在来の木造軸組構法となんら変わらず、法律的にも同じと見做されるのである。意外な感じもするが、ログ・ハウス雑誌でよく紹介されているポスト・アンド・ビーム(P&B)も、実は構造的に同じである。
ざっくり言って同じ構造ながら、ティンバー・フレーム構法では、使用される柱や梁や桁が現在の多くの在来構法のそれに比較して太い。また表面の仕上げが洋風になることが多い。さらにティンバー・フレーム構法らしさは、ブレイスにも現れる。ブレイスとはここにある画像のように、柱、桁、梁をつなぐ部材で、筋交いのような役割を果たすものである。
本当のログ・ハウス、つまりハンドカットあるいはマシンカットで、木を横倒しにして積み上げる構法は、構造的にかなり特殊であり、それを除くと、世界中の木造建築の基本構造は似通っていて、上記の柱、梁、桁を組み合わせるものとなっている。
ただしアメリカでは19世紀に柱を用いない壁組の構造(ツー・バイ・フォー、あるいはバルーン構法とも呼ばれる)が考案され、現在のアメリカのほとんどの木造住宅がそれである。なんとも合理的な国らしい現象であると思う。今やその構法は日本にもかなり普及している。私の前の自宅もそれだった。