2014.6.4(水)
う~ん、今日はちょっと「梅雨前のまだどうにか爽やかさを残している季節」っぽい一日になりそうですが(西のほうでは大雨の様子も伝わってきます)。
ここ数日は「あれれ、もう夏ですか?」という感じでした。
なんだか追い込まれて、気持ちも追い込まれているうちに、もう6月なんだ~。
今年はちょっと「なんだかな~」の5月だったので、絶対に生きのびて、来年は5月のいい風を十分に味わえる日々を送るぞ!と前にも書いたような。
あ~あ。
■「殺風景」■
って、私の仕事部屋のことではなく、お芝居です。
5月23日、シアターコクーンでの公演を観てきました。
作・演出 赤堀雅秋
出 演 八乙女光/大倉孝二/西岡徳馬/荻野目慶子
大和田美帆/江口のり子/キムラ緑子
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/14_sappukei/index.html
博多弁でまくしたてられる舞台には、じょうずに型どおりに生きることのできない、いや、じょうずに生きることを知らない人間たちが登場し、あきれるほどに愚かなすったもんだを繰り広げる。
残酷で目を背けたくなるようなシーンにも、悲しいかな、憐みやおかしみが漂っていて、平凡な自分とは対岸の人間ドラマのように思えて、でもときどき自分を見つけたりして、笑い声がちょっと凍る。
家族を描いて、そして家族が集うときの「負の作用」を描きつつ、その家族の歴史も浮き彫りにする。
下品で(褒め言葉です)、うるさくて、あけすけで、そして何よりウソの部分が小さな舞台でした。
役者たちの生き生きとした動きと迫力に、引き込まれてしまった。
若い八乙女光が体現するあぶなっかしさ、軽薄さがなんだかとても悲しい。
大倉孝二が相変わらず、へんてこにおかしいんだけど、なんだかものすごく悲しい気分にさせてくれる(いつもそう)。
そして、TV画面でたまに見るときは、どことなく浮いている感が否めない(すみません)荻野目慶子のド迫力。とくに現在の母親役ではなく、かつての売春スナックの年老いた売春女将がすごくよかったかな。不気味なほどでした。
西岡徳馬の安定した迫力も見もの。
そして、なんといっても圧巻は、殺されるほうの家族の長を演じたキムラ緑子。やっぱりこの人は舞台の人だ。画面にきれいにはまっているこの人は、やっぱりこの人じゃないのかも。思う存分に枠から外れて、とてつもない存在を形作っていました。
ほかに、江口のり子の不思議な雰囲気と、思いがけずに体当たりな大和田美帆(荻野目慶子演ずる母親の若い頃)も見せてくれました。
ちょっと前になるけれど、おもしろい舞台でした。
新緑がどんどん濃くなって、もういっぱしの大人の緑色になってきた。
目に痛くはなくなり、梅雨の向こうには本物の夏が待っている。
仕事が休みの日に、諸々用事を済ませて、丘の上から緑のゆくえを見ていた。
汗がつーっと額を流れ落ちてきた。
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